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 へー。と、僕は思わず感嘆の息を漏らした。この猫、色々なことを知っている。もしや化け猫の類なのだろうか。言葉を話すその声は凛としていて、どことなく威圧感すら感じる。そして博識ときた。僕は失礼かなと思いつつも、どうしても聞かずにはいられなくなった。


「君はもしかして……化け猫なのかい?」


 そう聞くと、彼は瞳を大きく開け、少しの間動きを止めた。

 もしや図星か。そう思ったが、彼は大きく口を開け、高々と笑った。


「ふははははは!そうか!私を化け猫だと思ったか!いや、無理もないな。しゃべる猫など、そうそういまい。」

「あれ、違ったのか。君には色々と聞きたいことがあるんだけれど、いいかい?」

「そうだな、答えられるものには答えよう。」


 猫は自分の体を二、三度舐めると、再びこちらに視線を戻した。

 まずはなにから聞くべきだろうか。そうだな……


「まず、君はなぜここにいるんだい?」

「気分だな。」


 一言で終わった。気分か。なにも返す言葉がないな。というか、気分で猫が部屋に入られるのもどうなのだろう。彼の翡翠色の瞳が、質問はまだかと言わんばかりにこちらを見つめる。不思議な色だ。見ていると、吸い込まれるような感覚に陥る。


「どうした、質問はもう終わりか?」

「え、あ、あぁ。どうやってここに入ったんだい?」

「猫だからな。それくらい容易だ。」


 ふんっと鼻を鳴らし、どことなく自慢げな表情でいる彼。

 しかし肝心の入り方がなにも分からない。玄関は鍵が閉まっているし、ここは二階だから窓から入るのは無理だろう。窓の鍵も閉まっていた。

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