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冒險の相棒 ~世界最弱最強の魔物~  作者: ゅぇ
粘液騎乗師の登録と初仕事
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冒險八話 粘液騎乗師のギルドランク

 【騎乗ギルドカードの特典①】…様々な特典がある中でも分かりやすいのは金銭的面である。

騎乗師は相棒パートナーがいる為に宿泊する事が難しく野宿も多くなる…しかし、カードがある場合は相棒パートナーも一緒に泊まれる納屋付きの宿泊施設を割引で紹介してもらえるようになる。


 また、様々な魔物モンスター相棒パートナーとして登録される為に、相棒パートナー専用装備を取り扱う店は少なく、ほとんどの場合が特注となる為に信じられないような高金額となる事が多い…しかし、これもカードがある場合は相棒パートナー専門店の紹介や特注品の割引をうけることができる。


 だが、すべてにおいて特典はギルドランクによって大きく変化する…金銭面で言えばランクにより割引率が大きく変化するのだ。

Dランクの騎乗師ライダーは二割引きしかされないされないが、Aランクの騎乗師ライダーは七割引きもされる…ランクの違いだけで待遇の差はあきらかに違っていた。


 つまり、騎乗ギルドカードを手に入れた騎乗師ライダーの最初の試練は、ギルドランクをあげる事であろう。

最初のギルドランクは相棒パートナー魔物モンスターランクで決められてしまう…そこからギルドランクをあげるには相当数の依頼をこなし続けて、功績をあげなくてはいけない。

だが現実は厳しく、ほとんどの騎乗師ライダーは最初のギルドランクから上がらないまま一生を終えてしまうという…



 ならばFランクであるスライムのラムネはどうなるのであろう?

騎乗ギルドカードの特典はそもそもDランク以上からの設定しか準備されていない…Dランク以上の魔物モンスター相棒パートナーとするのが騎乗師ライダーになる条件なのだから、Fランクがないのは当然といえば当然である。

だがAランクであるドランに勝利して特例措置第五条が適用されているのも事実だ。

今このギルド内では粘液騎乗師スライムライダーのギルドランクがどうなるの話題で持ち切りだった…



 その頃、当の噂の本人である粘液騎乗師スライムライダーは魔法ギルドのギルドカード錬成室でもめにもめていた…


「いい加減に嘘はやめて白状なさいな!何スライムかお答えなさい!」


「嘘じゃありません!ラムネはただのスライムであって…」


「ただのスライムなんて存在しませんわよ!スライムは必ず育った環境によって体が変化して種類が決まってしまうものですわ!つまりあなたのスライムも…まさか…あなた…自分のスライムが何スライムなのか把握してませんわね!?」


「…スライムです!だって言いたくありませんが…特徴という特徴ありませんから…」


(はぁ~っ…騎乗師ライダーたるもの自分の相棒パートナーの事を誰よりも知るべきだと説教してさしあげたところではあるけど…)

「…ティアちゃんを追及したところで正確な種族は分からないってことね!情報通信コンタクトっ!相棒パートナーの種族スライム!」


 マーズベルトの声に反応するように水晶が青く光る。


「…いいんですか?」


「あたくしも暇じゃなくてよ!まだまだギルドカード錬成をお待ちの方もいることだしちゃっちゃっとすませますわ!…ただしこれは貸しですわよ、ティア=フレアハート!」

(将来有望なあなたへのプレゼントですわ。)


(モテないとか友達いないとかいってごめんなさい!)

「…本当にありがとうございます!」


 ティアは笑顔一杯でマーズベルトに頭をさげた。


(…やだ…カワイイ!)

「さぁ、これが最後の質問ですわ!情報通信コンタクトっ!あなたの職業は?」


 ティアは目をつぶり軽く深呼吸する。

大事な場面である時は必ず深呼吸する事は、ティアがジルヴァから教わった事の一つである。


騎乗師ライダー粘液騎乗師スライムライダーです!!」


 ティアの声に反応するように水晶が青く光りる。


「ここに新たなるギルドの仲間を認める!錬成展開カードオープンっ!!」


 魔法陣の光も水晶の光も、ティアの頭上にある固まりゆく光に集まってゆく…そしてカードの形へと変貌してゆく。


キーンッ


 甲高い音と共にティアの手元にカードが落ちてきた。


「おめでとう!これであなたもギルドの一員ですわ!」


 ティアは手元のカードを見るとそこには文字が書かれていた。


 騎乗ギルドXランク

所属/

名前/ティア=フレアハート

種族/人間

年齢/16

 相棒/ラムネ

 種族/スライム

職業/粘液騎乗師スライムライダー

登録/プロミネンス支部


(やった…本物のギルドカードだぁ!)

「マーズベルトさん見てください!凄いですよ!ギルドカードですよ!」


「そりゃそうよ!あたくしの手にかかればちょろいもんですわ…あれ?」

(あたくし失敗しました!?)


 マーズベルトはティアのギルドカードを見て青ざめている…ティアもその様子に気が付いたようだ。


「えっ?えっ?マーズベルトさん?私のギルドカード変ですか?」

(普通に見えるけど…)


「へっ?そっそっそんなことありませんわ!あらあらあらあたくしこの後にすご~くすっご~く大事な用事があるんでしたわ!お~っほっほっほっほっ!失礼あそばせっ!」

(逃げるが勝ちですわね!)


 わざとらしすぎる棒読みな発言をしながら、マーズベルトは扉の前までさがってゆく。


「あの…マーズベルトさん?」


「がんばりなさいっ!!」


バターンッ


 入ってきた時のように突然に扉を閉めていなくなってしまった。


(何か失敗したのかな?)


 ティアは改めてカードを見るがどこがおかしいのか分からない。


 騎乗ギルドXランク

所属/

名前/ティア=フレアハート

種族/人間

年齢/16

 相棒/ラムネ

 種族/スライム

職業/粘液騎乗師スライムライダー

登録/プロミネンス支部


(所属が空白になってるけどココがおかしいのかな?それ以外におかしな所なんて…あれ?あれれ?)


 ティアはカードの一番上の部分を見て目を丸くした。

 

 騎乗ギルドXランク


(Xランク?騎乗ギルドはDランクからしかないんだよね?じゃ~これって…バツって意味?どうしよう…ジルおばぁちゃぁぁあ~ん!)


 ティアの書かれているカードに書かれていたランクはX…エックス。

Xランクとは未知数をしめす事なのだがティアはそれを知らない…

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