デスゲームとプレゼント
何なんだいったい。急に目の前が真っ暗になって、あれ、ここ始まりの街じゃん。なんでだ。
よく周りを見てみると草がそこら中に生えていた丘から、中世ヨーロッパの町並みに景色が変わっていた。
周りにもプレイヤーがめちゃくちゃたくさんいる。てかこれ、プレイヤー全員いんじゃね。
突如、青かった始まりの街上空が真っ赤に染まった。
「なんだ。なにがおこるんだ。」
真っ赤になった空に黒いローブの男がいる。深くフードを被っていて口元しか見えない。
「ハロー、プレイヤーの諸君。GMの大塚真一です。」
大塚真一だって!?。大塚と言ったら世界初のVRMMOを発明し、このゲームを作った張本人じゃねぇか。
「みんなさー、つまらないよ。25日も期間あげたからレベル上げ頑張ってくれるかなと思ってたのに。」
「どういうことだ!?」
「今、僕が喋っているんだから喋らないでくれよ。いやー。ほとんどのプレイヤーがさぁ、屋内にこもっちゃうんだもん。つまらないったらありゃしない。」
なんだか、嫌な予感がする。この予感がはずれることを願う。
「そこで、このゲームをデスゲームにしたいと思いまーーす。」
「なんだって!?」「嘘だろ!」「現実世界に返してくれよ!」
「へっへー。みんな驚いた?まあまあ落ち着いてやっぱただデスゲームにするだけじゃありきたりな小説と同じでつまんないよね」
やっぱりデスゲームか。この中にスノウと夏姉ぇもいるんだろうか。
「そこで、この中の10人にユニークジョブを与えようじゃないか。選ばれた人たちは英雄になれるだろう。」
「ユニークジョブだって!?」「それになればクリアに近づけるのか!?」
「質問についてはノーコメントとしておこうかな。後これからレベルアップの度にボーナスポイントっていうのを付けることにしたんだ。ボーナスポイントについてはヘルプにのせておくよ」
そういえば何でおれはこんなにも冷静なんだ。
「それじゃあ、プレイヤーの諸君これからも頑張ってくれたまえ」
そういって、大塚は消えていった。大塚が消えた瞬間、空がいつもの青い空に戻っていった。
ポーン
これより、ゲームの設定が一部変更します。なお、この世界の死は現実での死を意味するのでお気を付けください。
「まじかよ!?」「こんなゲームいやだ!」「私達をここから出してよ!」
とりあえず、ここを離れようここは人が多すぎる。あそこの路地裏がいいな。
さてと、ユニークジョブを10人がもらえると言っていたが本当なのだろうか。本当だったら俺の攻略組入りも夢じゃないって訳か。なんか希望がわいてきたな。
ポーン―――新着メールが一件あります―――
ん、何だ?雪か?
―――プレゼントだよ―――
君の戦い方は実に面白い。まさかあんな戦い方をする奴が現れるなんて思いもしなかった。そんな君にプレゼントだ。これからも僕を楽しませたまえ。
―――大塚真一―――
ポーン
ジョブがGMによりユニークジョブ「弱者」に強制変更されました。ジョブを変更することはできません。
「は?」
思考が停止する。訳が分からない。「弱者」ってなんだよ。
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名前 SHIELO
職業 弱者LV1
ステータス
HP 16/16
MP 16/16
STR 24
VIT 18
DEX 16
AGI 16
INT 16
スキル 殴りLV10/キックLV9/投げLV5/鷹の目LV9/ジャンプLV8/ステップLV7/ダッシュLV18/錬金LV13/薬剤LV5/合成LV9
装備 布の服 布のズボン 力の完璧指輪
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あれ、ステータスが大幅に下がってる。もしかして弱者の効果か?
しかも『サークルフレア』がなくなって別のになっている。
弱者の足掻き―――残りHPが10%を切ったとき一つのステータスを5%アップさせる
何だよコレ。全然使えない。弱すぎだろ。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」
どうしてドウシテどうして。なんで俺だけ。なんでナンデどうしていったいなんなんだ。イッタイナニガオコッテルンダ。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
おれは気が付けば走りだしていた。そして目の前にはゴブリンがいる。
「キキッ!」
ドガッ!バキッ!
いつもなら普通に避けられていたはずの攻撃が耐えられない。
「ガハッ!」
いつもより痛みが増している。
視界の左上にあるHPバーはレッドゾーンまでいっている。
「嫌だ。イヤだ」
いやだいやだいやだいやだイヤダいやだ嫌だいやだイヤダ!
「死んでたまるか!」
弱者の足掻き発動――AGI3%上昇
俺はそこから一目散に駆けだした。そして宿まで戻り、俺は寝ることにした。
はぁ、今日は色々なことがありすぎた。