フリーダム14
「やあみんな。久しぶりだね。みんな大好き大塚真一だよ」
あいつ!また何かしにきやがったのか!
「みんなさー、もっと楽しんでよ。ほとんどの人が引きこもっちゃってさ。ニートじゃ無いんだから…。まったく…。」
また全員集められたのか。これからまた何か起こるのか!?
「このままじゃつまらないので、2つほど設定を変更することにしました。」
「まず一つ目、3ヶ月に一回イベントを開くことにしました。」
ざわざわ、ざわざわ
イベントってきいてみんなざわついている。まあ、当たり前の反応か。
「内容はイベントの時に伝えるとするよ。続いて二つ目、オリジナルスキルを作れる様になりました-。」
オリジナルスキルか。結構興味あるな。
「最低でも二つ、最高でも五つのスキルを組み合わせて、オリジナルスキルを作れる様になったからがんばってね。詳細はヘルプにのっているからチェックしてね。」
「プレイヤー諸君、君たちの頑張りを期待しているよ。僕を楽しませてくれ。楽しませてくれた人にはプレゼントをあげようじゃないか。」
プレゼントってことは、またろくでもないものに決まっている。送られてきた人、御愁傷様…。
「それじゃあ、まったねーーー!」
奴は手を振って消えていった。まだ周りがざわついている。うるさいから広場を出るとしよう。
オリジナルスキルってのを一応調べておくか。ちゃんと理解しておいた方が何事も得だしな。
―――オリジナルスキル―――
オリジナルスキルとは既存スキルを最低でも二つ、最高でも五つのスキルを組み合わせて出来るスキルです。
スキルの効果、スキル名をご自分で設定することが出来ます。また効果が強力過ぎるものや、スキル名に禁止用語が含まれている場合などは修正が入る場合がございますので、ご注意ください。オリジナルスキルはスキル枠2つ又は3つ分となります。
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つまり、強くなるか弱くなるかは自分次第ってことか。それよりも禁止用語って…。そんなん入れる奴なんかいるのかよ。
俺はこのオリジナルスキルを使っても根本的な部分では強くなれない。ハルとは違い、俺は『弱者』なんだ。そのうちハルは俺なんかよりもずっと強くなるんだろう。俺はハルの足手まといにはなりたくない。
しばらくは無茶でも高レベルのモンスターがいるところに行くか。いや、とりあえず早くハルと合流しないと。
「シエル…。」
「うおっ!誰だ!」
「ごめん…。」
なんだハルか…。びっくりした。
「あ、いや、なんか、俺のほうこそごめん。」
「大丈夫…。それよりもさっきの…。」
「オリジナルスキルのことか?」
「うん…。《弱者》のあなたにとっては…、すごく重要…。」
確かにそうだ。使えそうなスキルをどんどん作って行かなければ、俺はこの世界で生きていくことはできない。そのためにまずスキルレベルを上げていかないと。
「あの…シエル…言いたいこと…あるんだけど…。」
「ん?何だハル?」
言いたいこと?このタイミングってことは結構重大なことってことだよな。
「えっと…さっき…兄さんに会った…。」
「えっ。ハルってお兄さんいたの?」
「うん…。それで…一緒に行かないかって…。」
えっ!それって俺とのパーティは解散ってことだよな。俺としてはハルがいると戦いやすいんだけど、わざわざハルが話してくれたってことは、ハルはお兄さんと一緒に行きたいけど、俺のこともちゃんと考えてくれてるってことだよな。
ハルと別れるのはつらいけどしょうがないかな…。
「やっぱりダメ…?」
「いや、いいよ。おれもしばらく一人でやりたいとも思ってたしね。いい機会じゃないかな。」
「ほんとに…いいの?」
「うん。だから、またいつか会おうぜ。」
もしかしたら今の俺は泣きそうな顔になっているかも。
「じゃあ…、またいつか…」
「ああ、次会ったときはおれも、もっと強くなってるからな。」
「うん!」
ハルは最後に今まで見たことのないような笑顔をみせてきた。
ッ!不意打ちはずるいって…。
はあ…。しかしハルと別れたのは大きいな。これからは急いで強くならないと。出来れば次のイベントには参加したいな。
これからの方針としては
・オリジナルスキルを作る
・レベルを上げる
・できれば職業進化する
だな。これからは多少無理してでも強くならないとな…。




