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ーUntil the Daybreakー  作者: Lauro
序章 ーin the Duskー
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外伝 ーLover or Friendー Part3

そして半刻もしない内に宴は始まった

ライカの話しでは小規模とは聞いていたが

王城内の者達が集まるとそれなりの数になる

皆食べるというより談笑を楽しんでいるようだ

立食の食事会だからそれも当然だろう

ラルク自身も食べるのは腹八分目に抑えている

こういう場へは始めて招かれたが意外と緊張しないものだ

気心おける者達と一緒だからだろうか

まだ18歳に達していないラルク、メリッサ、セレン、シルヴィア以外は

悪酔いしない程度に酒を飲み楽しんでいる様子だ

「あれ?アルトはお酒飲まないの?」

メリッサが果物酒の入った脚付きのグラスをアルトに差し出す

「コラ、メリッサ。あまり子供がお酒を持つものじゃないわよ。それに私お酒はホントにダメなの…」

アルトはグラスを手の平で優しく押し返す

「ふぅーん、そうなんだぁ。まぁガルシアのお酒ってかなり強いらしいからアルトが飲んだら大変な事になっちゃうねぇ~」

そう言いながらメリッサはグラスをテーブルの上に置く

「そうねぇ…他にもあそこのケーキなんかはお酒が入ってるみたいね。かなりお酒の香りがするわ。メリッサ、食べちゃダメよ」

「はぁ~い…」

母親に小言を言われる子供のようにメリッサは返事を返した

一方ラルクはあることに気づいた

「ん?セレン、なんか顔紅くねぇか?」

「へ?そ、そんな事ないですよぉ」

いや、逆にそんなはずはない

セレンがいつも恥じらって頬を紅く染めるのとは違い

顔全体が熱があるように紅いしどことなくラルクを見ているのに眼の焦点が合っていない

「どした?酒でも飲んだか?あんだけアルトに飲むなって言われてんのに…後でアルトに怒られんぞ?」

「だいじょーぶだいじょうぶぅ…おさけなんか飲んれないですよぉ~」

明らかに普段よりご機嫌すぎるな…

確かに以前酒を飲んでみたいと言ってはいたが

まさか隠れて飲むような真似はセレンはしないだろう

ふらつくセレンの体を受け止めるとほのかに酒の鼻の奥をつくような匂いが

ラルクの喉の奥に入り込んでくる

「セレン、本当に飲んでないよな?」

「ラルクしつこいですよぉ!わたしそんな悪い子じゃないです~……フフフッ…」

いきなりセレンはラルクを見つめて笑いだし右手にフォークを取る

「このケーキすごくおいしーんですよぉ……は~い、ラルクぅあ~ん…」

セレンはテーブルの上の皿にある食べかけのケーキにフォークを刺し

ラルクの口へ持っていく

「ちょっ…おまっ…!それ食べかけ…っ!?」

いきなりのセレンの奇行に対応出来ずにケーキを口に入れてしまう

ケーキ本来の甘さと共に飲み込むと喉の奥が熱い物を飲み込んだように熱を持つ

「!?…このケーキ、酒入ってんな?なぁセレン…まさかこれ食って酔ったとかいうお約束やめてくれよ…?」

とは言ってももうこの様子だと酔ってる事は確実だ

「おやくそくぅ~?あぁ!またラルクわたしのおはなしあいてになってくれるんですかぁ~?」

普段のセレンからは想像もつかない勢いでラルクの肩をバシバシ叩く

セレン、酒弱過ぎだ…

まぁ、俺達がセレンが間違えて酒入りケーキ食わないように見てなかったのもいけないんだけどな

「よしセレン、話し相手になってやるからちょっと静かにしててくれな…」

幸いラルク以外セレンの異変に気づいていないようだ

ラルクは大事になる前にセレンを抱えあげてこっそり会場を抜け出した


「ったく…一国の姫様が酒入りケーキ間違えて食って酔っ払うって……」

ラルクは苦笑いしながらセレンを抱えたまま廊下を歩いていく

「もう寝てるしな…まぁ酔った勢いで絡まれるよかマシか」

桜色に肌を染めた一国の眠り姫は今

一介の傭兵の腕の中で静かに寝息を立てている

「さて、着いたぜ姫様…」

ラルクは苦戦しながらもセレンに用意された寝室の扉の取手を回す

部屋の中はカーテンが閉められ

寝台のすぐ横に仄かな魔導灯の明かりが灯り

落ち着きのある薄暗さが部屋に漂っている

そして、セレンの体を寝台に横たえる

こう見るとやっぱセレン可愛いな………って、いけね

「ちょっと、待っててくれよ。水もらってくるからな…」

ラルクはセレンの額をスッと撫で部屋を出た

「あら?ラルクどうしたんだ?」

部屋を出た瞬間にアルトに出くわしてしまった

マズイな…もしこの状況でセレンが酔ってるなんてバレたら…

(ラルクっ!なぜちゃんと見ていなかった!?しかもこんな時間に女性の部屋に!!!)

はい…すいません…

いやぁ…しょうがなかったんですよぉ…気付いた時にはもう例のケーキ食べてて…

(言い訳するなぁっ!!!)

はいすいませんっ!!

ってな事に成り兼ねねぇぞ…

なんかうまい言い訳考えねぇと…

「ここ、セレン様の部屋よね?」

アルトはラルクが思っている事とは裏腹に

素直に疑問をぶつけてくる

「え…?あ、あぁ…セレンが部屋に戻ってる途中に迷ったらしくてさ……それで、一緒にセレンの部屋探してたんだよ!」

ラルクはなんとか眼を泳がせながら答える

「そうなの?でもなんでラルクまで部屋の中に入ってたのかしら?」

やべぇっ!?完全に疑われてんぞ!?

なんとかしねぇと…

「あ、あれだよ!セレンがこんな遅い時間に1人で暗い部屋に入るのが怖いって言うからさっ!」

「…?セレン様はそんな事アークにいた時一度も言った事なかったわよ?」

そうだよ、なんやかんやで姐さんルシア王女親衛隊長だったな…

「え、い、いやぁさっきさぁセレンに怖い話ししてたからそれでだと思うぞ?」

おい、なんか変な方向に話しが向かってねぇか?これ絶対バレんだろ?!

「あら、そうなの?ラルクもセレン様をからかうのも程々にしなさい?」

意外にもアルトはラルクに向かって釘を刺す様な言い方をしただけで

再び会場に向かって戻っていった

信じたのかよ………

結果はどうあれ一応バレずに済んだようだ

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