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ーUntil the Daybreakー  作者: Lauro
序章 ーin the Duskー
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第10章 ーthe Counterattack startー

翌朝、ラルク達は救国への一手を打つべく軍議に召集された

作戦室に入るとルシア、ガルシアの重役達が顔を並べている

「まず私からは、先日ここレギオン王城への襲撃を迎撃した際に謀反軍が後退を始めたとの情報が入っていますわ」

クラウディアが細い指で謀反軍の黒い駒をガルシア、ルシア国境上に配置する

「奴ら王都が簡単に落とせないと分かったらさっさと尻尾巻いて逃げ出し始めやがったなぁ!!」

ゲルダが鼻で笑う

「奴らの目的であった我が王都は守る事が出来たが、まだこれからだな……」

オルドネスは眉間に深いシワを寄せながら大きく息をつく

謀反軍がガルシア王都を手中に収める事は回避出来たが

ラルク達の本当の目的はここからルシア王国を取り戻す事だ

「攻め込むなら今が好機、と言いたい所ですが、あまり安易に行きすぎると痛い眼を見ますね」

「と言うと?」

グレイドはシルヴィアの説明を追求する

「仮に僕達全軍が謀反軍が後退したと思われるバスティリャ山に進軍したとすると…」

シルヴィアは自軍の駒を敵軍のものと向かい合わせる

「何だ坊主?なんか悪りぃ事でもあんのか?」

ゲルダが両軍の駒の配置を眺める

「確かにこちらの兵力は貴方達、黒獅子がいてくれる事であちらの倍。戦闘力に関してはガルシア軍は申し分ない、ですが皆さん何か忘れてはいないでしょうか…?」

シルヴィアは地図の外から謀反軍と同じ黒い駒をミラクの上に配置した

「鴉共か……」

ライカが呟いた

「オルドネス、奴にここを任せたのが間違いだったな…」

「全軍で動けば彼等の餌食か…」

シリウスは腕を組んだ

「何か策はあるだろうか、軍師殿?」

オルドネスがシルヴィアに聞く

流石はシルヴィアだ、たった数回軍議に参加しただけで軍を掌握しようとしている

大した軍略の能力だ

「こちらが数と力で上回っているならいっそ戦力を二分してしまいましょう」

「だが、いくら相手がむほ軍とはいえ戦力を大きくは割けないぞ」

シリウスは一応シルヴィアに釘を刺しておく

「ですから、それを黒獅子の牙にお願いしたいんです」

シルヴィアはゲルダを振り返る

「分かった、坊主の言うとおりにしてやろう」

頑固者のゲルダが今回は素直に頷いた

「信託の剣はミラクに向かい、海路で国境を越え交戦が長引いているようでしたら僕達が黒獅子と協力して挟撃します」

「ついでに大鴉の退治もするって事か」

海路でルシア側に周りこむという事は大鴉の爪が間違いなく待ち構えているだろう

「話しは大体まとまったようだが、戦力を分散させると連携が困難だな……」

シリウスが顎に指を当てながら言う

「そういう事は特別師団が引き受けるわ」

ライカはシリウスにウィンクして見せる

「それはありがたい、では部隊編成に移ろう」

シリウスがそう言うと、各部隊を率いる者がシリウスの周りに集まった


「いよいよ始まるか……」

会議を抜けてきたラルクが呟く

「私、とても怖いです…」

一緒に会議を抜け出してきたセレンは両手を胸の上に置く

「ホントの戦争が始まっちゃうみたいだね…」

メリッサの言う通りこれはただの内乱というよりはむしろ戦争そのものなのかもしれない

人と人が互いに死ぬまで戦いどちらが勝つとしても多くの犠牲には変わりない

そう考えると戦う側のラルク自身も怖かった

「今回セレンはシリウスの軍だな」

「ラルク…っ!?」

ラルクの言葉を聞いてセレンが詰め寄る

「俺達の方にいるよりそっちの方が安全だろ?アルトもいるしな…」

セレンからしたら不本意かもしれないがセレンの事を考えての事だ

これから戦争が始まるのだから

「大丈夫だよ、私達の事は心配しないで!」

メリッサはセレンの肩を軽く叩く

「でもっ…!」

セレンはまだ納得がいかずに反論しようとする

「ラルク、私からもこの子を連れて行く事をお願いできないか?」

後ろの方で年齢を感じる声がして振り返るとグレイドとクラウディアがいた

「いいのか?海路は敵に襲われたら逃げ場なんてねぇぞ?」

「だから危険だと思いますよ?」

メリッサが付け加える

「確かにそうかもしれないが…私達が行く陸路は激しい戦いが予想される」

グレイドの言葉にセレンの表情に一瞬不安が走る

「そんなお顔をなさらないで下さい。私達の事なら、ガルシアの方々にもご協力して頂くのでどうかご心配なさらず…それに、ラルク殿達とご一緒の方がよろしいのでは?」

クラウディアの優しい言葉にセレンの表情は少し不安から綻んだ

「お父様、クラウディア…ありがとう…どうかみんなご無事で…!」

セレンはグレイドとクラウディアと順番に抱き合った



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