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ーUntil the Daybreakー  作者: Lauro
序章 ーin the Duskー
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第1章 ーContract with Sinー

ラルクの中には彼女を見るのと同時に懐かしさを感じた

「…アルト?」

肩まである長い紅の髪にスラっとした体型の彼女をラルクはそう呼んだ

「ラルク?シルヴィア?」

アルトと呼ばれた彼女は再会の嬉しさを滲ませながら

長い紅髪と胸を揺らしながらこちらに振り返る

「4年ぶりか…」

アルトも2人との再会の嬉しさを滲ませる

「あぁ、久しぶりだな。ラルクは少し背が伸びたな…シルヴィアは…フフッ…ラルクの弟みたいだな」

自然と会話に笑顔がこぼれる

「子供扱いはやめて下さい…それでルシア王国王女親衛隊長様が僕達傭兵に何の御用ですか?」

シルヴィアは皮肉交じりに聞く

「団長も含めて話しがしたい、グレンさんはいるか?」

「親父なら今日は仕事ないから執務室にいるんじゃないか?」

「そう…グレンさんに会うのも4年ぶりか」

笑みを浮かべながらアルトは歩き出した

「しっかしまぁあの男勝りのアルトがこうも騎士とはいえ美人になるとはねぇ…」

「お前の中の私の印象はどんななんだ…」

アルトは傭兵団を16の時に出て騎士になり4年経った今

彼女は大人っぽくなった、いや綺麗なったと言うべきか

切れ長の紅の瞳に白く澄んだ肌

昔と比べ背も伸びたし胸も大きくなって

袖なしの胸元が開いた服から深い谷間が見えて彼女によく似合っている

丈の短いスカートからのびる白い綺麗な足

ラルクが見たところどこに出しても恥ずかしくない美人だ

「なぁ、それって騎士団の制服なのか?」

「興味あるの?まぁラルクも男の子だしな」

アルトがニヤニヤしながら横目で見る

「仕方ないですよ、ラルクもそういう事に興味のある年頃ですからね」

「バッ……!シルヴィアお前誤解を招く言い方すんな!」

顔が紅くなる

「フフッ…まぁラルクなら婿にもらってやってもいいぞ…?」

「…だそうですよ?良かったじゃないですか」

「こっちから願い下げだよ…」

そんな会話をしている内に執務室の前に来た


「入れ」

ノックをし返事が帰ってくるのを確認し中にはいると

マロンペースト色の眺めの髪に顎ひげを生やした体格のいい男が机に向かっていた

「お久しぶりです団長…」

アルトは『信託の剣』団長グレンに深々と頭を下げる

「おかえりアルト…4年ぶりか」

小じわのある目元に笑みを浮かべる

「急で申し訳ありませんが、ルシア女王セリエ=オルヴィス=ルシア様並びにルシア王国宰相エルシア様から信託の傭兵団団長グレン殿に依頼状をお持ちしました」

アルトはグレンに書状を渡した

「手短に状況を説明してくれ」

グレンは書状を開きはじめる

「はい、最近城内ではセリエ様の夫君であるグレイド様によって謀反が計画されているとの噂が立っています。そしてつい先日王位継承権のあるセレン王女が軟禁されました。そろから、白銀、黒金両騎士団、神将騎士団からも離反者が出つつあります。おそらく近々城内での交戦が予想されます。そこでセリエ様とエルシア様はセレン様の身を案じ救出を依頼されたというわけです」

「シルヴィアどう見る?」

グレンは眉をひそめる

「目的は当然今まで女性にしか資格がない王座でしょうね。女王と王位継承者を消せば王座が近くなります。救出方法は潜入が最善ですね。アルトは親衛隊長ですから一番セレン王女に近づき易いはずです、僕がアルトに同行します。グレンさんは退路の確保をお願いします」

「ちょっと待てシルヴィア、今回の任務にラルクを参加させる」

「ホントか!?」

「今回は潜入だからな、そんなに難しくはないだろう」

そう言いながらグレンはおおきな箱を開け

中から取り出した物を机に並べる

剣、マントとそれを留める金具一式、防具一式に剣の鞘を装着するためのベルト

「剣は両手、片手どちらでも使える物にしてある、防具はもう少し力がつくまで革のだな」

手渡しながら説明する

「何でマントが必要なんだ?」

「マントは身につけているだけで身を守れる、それに色んな場面で役に立つからな」

最後に剣を腰の背中側に横向きに着け全ての装備が揃う

「最後に聞く…」

グレンの眼つきが鋭くなる

「傭兵という仕事は時に人を殺す事もある、それにお前は耐えられるか?」

「あぁ」

即答する

今はただ任務に参加できるという喜びに満たされているからだ

「人を殺すという事は『罪』でありどんなに正当化しようと拭いきれん…必ず人に恨まれる、お前はそれに耐えられるか…?」

同じく返事を返す

「その剣は自分や誰かを守るのと同時に人を殺める道具だという事を忘れるな…」

ラルクは迷わず返事をした


ここにまた新たに戦人が生まれた

しかし、まだ知らない

人を殺し殺され

恨み恨まれる事も

命の重さも罪も

まだ何も…


次回予告



次回はキャラクター紹介をしようと思います


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