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ーUntil the Daybreakー  作者: Lauro
序章 ーin the Duskー
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第4章 ーPresence of the Fatherー

扉から出てきたのはグレンとオルドネスだ

「親父?!」

久しぶりに見た父親の顔だった

「なかなか良い闘いぶりだったぞお前達」

そう笑顔を見せながらこちらへ向かってくる

だが、ラルクがグレンに聞きたい事はそんな事ではない

「いるならいるって言ってくれよ!心配しただろ!?」

こんな情勢だいくらグレンといえども1人で国境に向かうのは子供ながらに生意気だが心配だった

「すまんな、だが初任務にしては上出来だ。アルトもシルヴィアもよくラルクを補佐してくれたな」

と2人を労う

「感動の再会に水を差して悪いんだが第1の試練の次の段階に移るぞ」

オルドネスはグレンを振り返りお互いに頷く

「次は俺と闘ってお前達の力を見せてもう、いいな?」

グレンはラルク達を見る

改めてグレンの眼を見つめると温和の中にも研ぎ澄まされた雰囲気というのを感じる

やはりグレンもオルドネスやゲルダと同じく覇者の風格を持っている

「じゃ、俺はこれでお役御免って事で後はゆっくり見物させてもらいますかな…」

ライカは背を向けて歩き始めるが

「ライカ、お前も一緒にこの試練に参加するんだ」

ライカの歩みがピタリと止まる

「えぇ?!大将俺もう疲れたぜ…」

肩を大げさに落しところにアルトの白くて細長い指がライカの首根っこを掴む

「おっと姐さんこの手は何でしょうか?」

「私達を騙した責任きっちりとってもらうぞ!」

「背中には十分気をつけて下さいね…」

普段は見せない笑顔でシルヴィアが言う

「あれ?俺ってもしかして信用されてない?」

「もしかしなくても信用されてないな」

苦笑いしながら頭を掻きライカは後ずさる

「っていうか相手誰だかわかってんの?あのグレンさんだぞ?!」

焦った様にライカはラルク達に聞き返すが

「親父ならいつも手合わせしてるから大丈夫だ」

アルトもシルヴィアも同じような事を言う

「よくも真顔でそんな恐ろしい事を…グレンさんはな昔何度もこの闘技大会でガルシア王やゲルダと鎬を削りあってだな…」

「その話しは知っているので早く配置に着いて下さい」

ラルク達はライカに背を向けて自分の配置場所に向かう

「お~い人の話しを聞け~」


「準備は出来たか?」

グレンは既にいつでも闘えるようだ

「あぁ大丈夫だ」

ラルク達も陣形を整える

「行くぞみんな!!」

シルヴィア以外の前衛が踏み込もうとするが

「待って下さい」

シルヴィアに制止された

「相手はグレンさんです、まともにぶつかって勝てる相手ではありません。一瞬で畳み掛けましょう」

シルヴィアは魔導書を開く

「どうすればいい?」

「ライカとラルクは前衛で僕の詠唱時間を確保して下さい、僕が魔導書で粉塵を起こしながら別の魔術の詠唱を同時に行ないます、そしてアルトは2人を援護し僕が合図したら障壁を発動させ2人はその中に隠れて下さい」

指示を聞いてすぐにラルクとライカはグレンの方に飛び出していった

すると、闘技場の地面の埃が舞い上がり始める、どうやらシルヴィアの詠唱が始まったようだ

「おいおい、これじゃ俺達まで視界悪くなるじゃん?!」

段々と風が強くなっていき舞い上がる砂や埃でお互いの位置を確認するだけで精一杯になってくる

「大丈夫だ、黙って構えてろ…」

とは言ったもののこの巻き起こる粉塵のせいかグレンがいっこうにこちらに踏み込んでこない

「ラルク、ライカ後ろへ!」

そうこうしているうちにシルヴィアの声が姿は見えないが粉塵の向こう側から聞こえ

2人は背を向けて走り出そうとするが背後からこちらに走ってくる音が聞こえ

剣を構えると案の定グレンの剣が振り下ろされたのでラルクはそれを受け止めた

しかし、時間がない

ラルクにはシルヴィアのしようとしている事が何となく解っていた

背中に嫌な汗が流れ始め、流れれば流れる程に剣はグレンの力に押されていく

「ったく…!世話がやけんなぁ!」

隣にいたライカがグレンに向かって飛び蹴りを出す

それに気づいたグレンはラルクと競り合う剣を払いライカの蹴りを剣で受け止める

「すまない!」

その隙にラルクはグレンに背を向けて走りだす

「俺も巻き込まれるのはゴメンだぜ!」

とグレンの剣に乗っかったまま体重をかけライカはラルクと同じ方向に飛んで行く

2人が粉塵の渦の中を抜けると視界が開け

アルトとシルヴィアが詠唱しているのがみえた

シルヴィアの魔術もアルトの障壁も臨界に達しようとしている

ラルクとライカはギリギリでアルトの障壁の中に飛び込んだ

それと同時にシルヴィアの魔術が完成し眼の前の粉塵の渦が鼓膜が痛くなるぐらいの爆音をたて爆発する

粉塵爆発だ

その爆発とともにアルトの障壁も砕け散った

それを見てもしあの中に自分がいたら…

考えたくもなかった

しかしあの中にはグレンがいる

「ちょっとやり過ぎじゃないのか?」

とアルトが言った途端焦げ臭い煙の中からグレンかわ現れアルトとシルヴィアをその場にいとも簡単にねじ伏せる

「この人相手にやり過ぎって事はないんだって…」

ライカも応戦するもなす術なく倒される

残ったラルクもグレンの間合いに入り剣を振り下ろすがグレンは横に素早くステップしてよけ

「ラルク、少しは連携が解ってきたようだな」

空を切った剣を一閃

手に伝わる痺れとともにラルクの剣は一刀両断、真っ二つに折られた

勝負あったようだ


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