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ーUntil the Daybreakー  作者: Lauro
序章 ーin the Duskー
111/114

外伝 ーthe best Friends have a Quarrelingー Part2

「だから僕は前から言って…」

「そういう意味じゃねぇって…」

部屋の前にたどり着くと中から既にラルクとシルヴィアの話し声が聞こえてくる

「やってるやってる〜」

ライカは愉しむように2人の会話に聞き耳を立てる

「ライカ、仲裁する私の身にもなって…」

アルトがため息をつきながら扉を開く

「ラルクはいつも僕に対してそうじゃないですか!」

アルト達が部屋に入った瞬間シルヴィアがラルクを睨んで言い放った

その声は特に怒鳴り声だったというわけではないが

いつものシルヴィア以上に迫力があった

「あ、シルヴィア!」

シルヴィアはセレンが引き止めるのに眼も暮れずに部屋から出て行ってしまった

「珍しいな、シルヴィアが感情的になるなんて」

ライカは皆の視線から眼を逸らすラルクの近くの寝台に腰を下ろす

「またやっちまったよ…」

ラルクは深くため息をついて頭を掻いた

「何があったんですかラルク?」

セレンは少し身を屈めてイスに座るラルクの顔を覗き込む

「いや、シルヴィアが自分のこと子供扱いすんなってさ…」

「確かに頭に手を置いたりすると子供扱いするなっていつも言うわね、でも今日に限って変ね?」

アルトも腕組みをしてラルクを見下ろす

確かにいつものシルヴィアは如何なる状況でも先程のように取り乱すようなことはなかった

「溜まりに溜まってたのかなぁ?いろいろと」

「メリッサの言う通りだったらそれは私達の責任ね…」

アルトのひと言で一気にその場の空気が重くなる

「でもさ、シルヴィア君って大人っぽいけどラルクとアルトからしたら弟みたいな感じだよね」

「じゃあ、シルヴィアはちっちゃい頃からラルクの後ろにくっついて歩いてたんですか?かわいい…」

セレンはメリッサのひと言から想像を膨らましクスッと笑う

「というよりは、小さい頃からシルヴィアはしっかりしていていつもラルクの世話を焼いていましたよ?」

「おいアルト、恥ずかしいだろ…」

ラルクは昔を思いだして顔を紅くしてアルトにやめるように乞う

「ラルクが恥じらってる…?気持ちわるっ!」

ライカがわざとらしく引いて見せる

「でも、シルヴィア君も周りに認められたいお年頃なのかなぁ?」

「それメリッサが言うか?ま、確かにそうかもしんないな……なぁ、みんなでシルヴィアのとこに行って話し聞いてやってくんないかな?俺のことはいいからさ」

ラルクは全員を伺う

「おっ、ラルク大人だねぇ〜」

ライカがカラカラと笑いながらラルクの肩を叩く

「はいはい、分かったからさっさと行ってやってくれ…」

「あ、私は残るわ」

「へ?どうしてですか?」

突然のアルトの提案にセレンは小首を傾げる

「私やラルクはあの子と兄弟みたいなものですから、今興奮しているところに出て行ってしまうと逆効果かもしれません…セレン様、お願い出来ますか?」

珍しくアルトは自分の主であるセレンにお願いをする

頼まれたセレンはライカとメリッサを振り返る

「いいよ!ラルクおにーちゃんとアルトおねーちゃんの代わりに行ってきてあげるよ!」

と言いながらもメリッサはライカの腕をがっしりと捕まえている

「え?俺も?!…しゃーねぇな、迷える少年の話しでも聞きに行ってやるか」

ライカも渋々了解した様子だ

それを確認するとセレンはラルクとアルトに向き直った

「じゃあ頼むな」

セレンは元気良く返事を返すとメリッサとライカを率いて部屋を出て行った

「やっぱり、あのことかしら…?」

アルトがポツリとつぶやくようにラルクに聞いた

「かもな、まぁシルヴィアが人前で肌見せたがらないのも分かるけどな」

この時点でラルクとアルトは既にシルヴィアに対して共通の認識を得ていた

「でも、私達にはアレが何なのか分からないし、そもそも気にしないわ」

「そうそう、シルヴィアはシルヴィアだしな!まぁ、セレン達に任せるさ」

そう言ってラルクはイスに座りながら大きく伸びをした

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