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ーUntil the Daybreakー  作者: Lauro
序章 ーin the Duskー
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外伝 ーthe Knight at Restー Part2

「はい、ですが…私よりセリエ様が行かれた方がセレン様もお喜びになるのでは…?」

シリウスがそう言うとセリエは少し悲しそうな表情を浮かべた

「そうしてあげた方があの子のためになるのだけど、公務が立て込んでて…」

「いえ、失礼しました…セリエ様のご苦労も考えずに軽はずみな事を…」

シリウスは自分の軽率な発言を悔いて彼女に頭を下げた

「ううん…それでも私は夜あの子の寝顔を見るだけでもまた明日頑張ろうと思えるわ。だから、私やグレイドになかなか会えない寂しさを貴方達で和らげてあげてほしいの」

セリエはそういってシリウスに笑顔を見せた

「わかりました、ではセレン様の元へ行って参ります」

シリウスはセリエに頭を下げる

「えぇ、女心を勉強してらっしゃい!」

頭をあげたシリウスの肩をセリエは優しく叩いた

「セリエ様……」


「ふぅ…」

セレンの私室の前でシリウスは大きく息を吐き扉を2回ノックする

「黒金騎士団隊長首席シリウスです」

「はい、どうぞ」

セレンの声が扉の向こう側から返ってくる

「失礼します!」

シリウスが扉を開け部屋の中を見渡すと丸いテーブルに3人の女性が着いていた

「シリウス!どうしたんですか?」

1番奥に座っていた少女が椅子から立ち上がってシリウスに笑顔を見せる

「いえ、セレン様のお顔が見たくなりお邪魔させていただきました」

セレンはそうですか、と椅子をシリウスが止めるのも構わずもう一脚円卓に加える

「フフッ…相変わらずお堅いのですね、シリウス将軍は」

そう言いながら錦糸のような輝きを放つ金髪の女性が

その細くしなやかな白い指でシリウスの座る眼の前に置かれたティーカップにポットから紅茶を注ぐ

「よしてくれクラウディア…私は君のように公私の切り替えが上手くないんだ」

シリウスは紅茶の紅い水面に揺らぐ自分の緩む事のない表情を見ながら言う

紅茶の湯気から漂う落ち着いた香りでも彼の顔は緩まないようだ

「シリウス将軍、ご公務の方はよろしいのですか?」

こちらは紅く長い髪を持つ女性、というよりはまだ少女だろう

アルトが緊張した面持ちでシリウスを見つめる

「あぁ、心配してくれてありがとう。君の方こそ、その歳で王女親衛隊長で気苦労も多い筈だからこういう休養が必要だろうな」

シリウスがそういうとアルトの顔がゆっくりと緩んでいった

任務をサボっているのを咎められなかったのもあるが

何より上官でありこのルシア王国騎士団のトップであるシリウスに気遣ってもらえたのが嬉しかったのだろう

「はいどうぞ!最近アークで美味しいと評判のお店のケーキです。アルトが買ってきてくれたんですよ」

セレンが箱からケーキを取り出し正方形の形のケーキをナイフでそれぞれに切り分ける

「あ、いえ…私はそんなに長居するつもりは…!」

シリウスは席を立とうとすると

「あら、レディからのお誘いには快く応じるのが殿方の務めではなくて?」

クラウディアの優しい声が飛んできた

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