第3章 ーFlirty Guy at the Tavernー
「情報って言ったって何の情報から集めるんだ?」
「主は王都の様子ですね、加えてガルシア国境周辺の状況ですかね」
「エルクはルシアとガルシア間の貿易ねか中継地点だ、情報も手に入り易いだろう」
アルトがシルヴィアの説明に補足する
「情報が集まるといったら酒場か?」
ラルクの提案に皆頷き宿を後にした
「結局傷が治ったから情報集めか…」
歩きながらボヤく
傷が治ったとはいえ少し体力が落ちているし夕暮れ刻だからお腹も空いてきた
「いいじゃないですか?私はこういう賑やかな所に来るのは初めてだから楽しいですよ!」
キラキラとセレンは眼を輝かせ生まれて初めて見る景色をその瞳に映す
「ま、俺も同感だけどな…」
ラルクも今まで傭兵団の砦をあまり離れたことがなかったから
口でめんどくさがるわりに内心ウキウキしている
「ここが酒場か…」
酒場に入り店内を見回すと人々が日常の忙しさを離れ陽気に酒を呑み楽しんでいる
「アルトはこういう所によく来るのか?」
「ううん、私はお酒が弱いからこういう所へはあまり来ないわね」
「私、お酒ちょっと呑んでみたいです…」
セレンがぽそっと呟く
「いけません、ルシアではお酒は18になってからです」
アルトに言われセレンは少し残念な表情を浮かべる
「いらっしゃいませ、何をご所望で?」
カウンターに進むと店主がアルトに声をかける
「今日は客ではなく情報屋を探しにきたの」
「情報屋ですか?」
店主が辺りを見回すと
「お困りのようですね、美しい方…」
振り返ると声の主がいた
背が高く短い金髪に左が金、右が銀の眼を持ち目鼻立ちがくっきりしている顔立ちのいい男がたっていた
「私達情報を探しているの、いくらで売ってくれるのかしら?」
「貴女の愛…でかな…?」
男はアルトの手をとり眼を見つめ聞いてて恥ずかしくなるような台詞を吐くと
すかさずアルトの平手打ちが飛んでくる
「みんな帰るぞ!」
アルトは背を向けて出口へ向かおうとする
「あーちょっと待った待った!あんた達今王都で起きてる謀反の情報が欲しいんだよね?」
男の声色が先程の落ち着いたものと変わり軽い印象になった
「何故そんな事をあなたがしっているんですか?謀反はまだ王都アークの王宮外に知れていないはずです」
シルヴィアは警戒の色を男に向ける
「それはだな…この俺の世界中に散らばった情報網を駆使してだな…」
「ウソくさ…」
ラルクが男の話しを鼻で笑う
「嘘じゃねぇって!それにそこのかわいいお嬢ちゃん、君はルシア王国王女セレン=シルミド=ルシアだよね?」
「そんな…かわいいだなんて…」
セレンは紅く染まる頬を両手で覆う
「セレン様、照れてる場合ではありません…この男は敵かもしれないんですよ?」
「いやぁ~俺誤解されやすいんだよねぇ」
「でしょうね…」
シルヴィアに突っ込まれるが当の本人はヘラヘラ笑っている
「で、あんたは俺達の欲しい情報を持ってんのか?」
改めて聞く
「あぁ、持ってるぜ…」
男は気取ったウィンクで答える
「僕達は現在的に追われていて、敵は恐らくガルシア国境に先回りしているでしょう。そういうわけなので国境周辺の情報も欲しいのですが?」
「そんなら敵に見つからずにガルシアまで連れていってやろうか?」
と男は願ってもない事を口にする
「本当か?!」
アルトが身を乗り出す
しかし、報酬は高くつきそうだ
「あぁ、ただし、報酬の代わりといっちゃなんだけどさ、俺の仕事をちょっと手伝ってもらうぜ?」
「しかし、随分とうまい話しですね、何が狙いですか?」
シルヴィアはまだ信用していないようだ
確かにこの男は怪しすぎる
「でも今はこのヘラヘラ男を頼るしかないだろ?」
皆仕方なくラルクの言葉に頷く
「お?やっと信じてくれた?これで俺たちお友達だな!」
アルトに睨まれる
「っと、紹介がまだだったな…俺の名はライカだよろしく!姫様とキレイなお姉さん」
それから、とラルクとシルヴィアの方を向き
「野郎はどうでもいいや…」
と適当に挨拶をする
そして、ラルク達も名乗り返す
「じゃ、早速だけどさ、夜になったら酒場の前に来てくれ…そんじゃっ!」
とだけライカはいい残し酒場を去っていった




