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月の綺麗な夜に

アクセスありがとうございます。まだまだ未熟ですが読んでいただいてとてもうれしいです。

誰もいないはずの音楽室からピアノの音が聴こえてくる。奏は聞こえてくる方向と、自分の勘を頼りにゆっくりと歩いていった。途中で階段をうっかり踏み外しそうになったが、手すりにつかまることで落ちることはなかった。こうして奏はなんとか音楽室にたどり着くことができた。興奮して高鳴る心臓と呼吸を整えるため、ドアの前で深呼吸を2、3度し、ドアをそーっとスライドさせ中をのぞいてみた。








学校に鍵を忘れた、というか落としてきた。家につき制服のポケットに手を入れるとあるはずの鍵がない。バックの中などあちこち探しが見つからない。

「どこやったっけ?」

奏は玄関の段差に腰掛けると心当たりになることがないか考えてみる。そして思い出した。体育の授業があった。体育着に着替えているときに落としたに違いない。そう確信すると、立ち上がってスカートについた汚れを払って、学校へ向かった。ちなみに、奏の両親は共働きで夜遅くにしか帰宅しない。それまで待っているところもないので、仕方なく夜の学校に独りで鍵を探しにいくことにしたのだった。1時間かかる学校まで戻るのは苦痛だったが、家の前でぼ待っているほうが苦痛だと思い、結局学校に戻った。学校につくころにはもうすっかり日が暮れていて、夜の校舎は暗く、ひっそりしていた。背筋がぞっとする。

「なんで忘れてきちゃったのかなぁ…」

事前に学校に連絡しておいたので、事務室前の自動ドアが開いていたので、そこから校舎に入ると校内は消灯されていて、廊下の非常用灯がちらほらついているだけで暗くて怖かった。奏は暗いのが幼いころから苦手で、今でも寝るときも完全に真っ暗にしない。怖くて、校舎に入りたくなくなったが

「とにかく、早く教室にいって見つけ出して帰ろう!!」

と自分を奮い立たせて中に入っていった。奏はこの学校に入学したばかりなので、全く校内のことが分からないため、勘を頼りにおそるおそる進んでいった。





ようやく自分の教室につき、電気をつけるとそのまぶしさに驚き目をぱちぱちさせる。教室にたどり着くまでさんざん迷ってしまったのでかなり時間かかってしまったのだった。

「懐中電灯とか持ってくればよかった……」

と後悔してみるも、鍵がないから取りにいけないと気づく。気を取り直して、まずはじめに自分の机の側を探す。

「あった……」

見つかった安堵からなのか、奏は床に座り込んでしまった。

「あーよかったよかった。んじゃ帰ろうかなぁ~」

と教室を出ようと歩き出した瞬間、ピアノの音がどこからか聞こえてきた。

「ん?」

それは不思議な音。

神秘的でしかも品格のある音。

幼いころから中学に入るまで奏はピアノを習っていた。今でも勉強の合間などにピアノを弾いたりするぐらいピアノが好きだ。だから、一体誰がこのような演奏をしているのか気になって仕方が無かった。気がつくと自然とその音に誘われ歩きだしてしまった。さっきまで暗闇が怖くて仕方が無かったが、今は興味心がそれを制している。



どうやら音楽室で演奏をしているようだ。暗闇の中、月明かりを頼りに腕時計を見てみるともう八時過ぎで、生徒は帰宅している時間である。一体誰が弾いているのだろうか?奏は早く見たいという衝動を抑え、そーっと音楽室のドアをスライドさせて中をのぞいてみた。



中は暗かったが、窓から月の光が入ってきてうっすら様子をうかがえた。演奏していたのは流れるように綺麗な長髪の女の人である。そしてなんと驚いたことに制服を着ていた。どうやら生徒のようだ。彼女は相変わらずピアノを弾きつづけるので、奏は演奏が終わるまでそこで立って聴いていた。

「綺麗・・・」

月光に照らされてピアノを弾くその人とその演奏は、言葉で言い表せないほど美しい光景でだった。




私があこがれていた先輩もピアノがすごく弾けていて、ちょっぴりかさねちゃいましたw

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