chapter1:超元気娘!!
晴れ渡る空―――
白い雲――――
少し強めの風が桜の花びらを舞い散らせる。
その淡い桃色が、真新しいセーラー服に映えている。
暖かな陽射しが心地よい。
四月某日―――
今日は巻園第一中学校の入学式である。
皆、緊張した面持ちで式の始まりを待っている。
そう、たった一人をのぞいては――――
「お母さぁん。もっと早く〜。これじゃぁ、入学式そうそう遅刻だよぉ…恥ずかしいなぁ、もぅっっ。」
「…はぁっ………あ、…んたが、悠長に朝飯食べてたからでしょうがっっ!!」
呼ばれた母が息を切らせながら言う。
一方、ここは巻園第一中学校の体育館。
すでに、入学式は始まっているようだ。
「ねぇっ純ちゃん、ちとせ来てないよぉ?!」
「心配すんなって、紫月。あいつが何かやらかすのなんか、毎度のコトじゃん。」
純ちゃんこと楠 純奈は、何事もない様な顔をしている。
一方、紫月と呼ばれた少女は腑に落ちない様子である。
「何よっっ!!健全女子中学生に朝飯ぬけって言うの?大体、お母さんが寝坊するから―――ってお母さんっ??!」
母は、通って来た道のずっと向こうを歩いている。
「もうっ!!お母さぁ〜〜〜ん。」
『……フフッ』