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空屋!  作者: しき
6/19

3

「お、来飛と藍か」


数十分後、キッチンから出てきた藍と来飛は芝咲と遭遇した。



「きいてよ棟梁、藍ったらつまみ食い仕出かしたのよ。」



「旨そうだったから、つい」


「それで餡蜜とか言いはじめるんだから。」



そんな二人に苦笑。




「わかったから。さっさと着替えてこいよ。」



芝咲はもう浴衣だ。



「あら頭領カッコイイ」


「新調したとはいえレンが作ったからな」




そう、3年に一度、藍の姉、憐鞠れんぎくから浴衣やら着物やらが送られて来る為、3年に一回は浴衣を新調する。(着たモノは別のモノに形を変える)



「姉様は腕がいい。」



「姉はデザイナー、妹は翻訳家。その上従兄弟は大工、叔父と叔母は医者。戸籍上の従兄弟はモデルときた。・・・・変な家ね。」




「まぁ確かに。」

「言われればな。だが、それがあったからこその我等なのじゃろ?」



「まぁね。さ、芝、着付けよろしく」



軽くウィンク。



「お前はやっぱり性別間違えたんだな」

「失礼な。」




時々本気で来飛の性別を間違える芝咲である。



「おや、朱詩。」



フラフラと朱詩が現れた



「緋澄よ、」



「ん?にゃに?・・・ってしゅうちゃん!」





緋澄が慌てて朱詩を捕まえる。



「花火なんだから寝ちゃダメだよ~!!!」


「ん~ねむい・・・」




ソファーのひじ掛けに頭を乗せて寝る気まんまん。




「放っておけ。大丈夫じゃ。時期に起きるじゃろうて」



「そかなぁ?」

「そうだ」





納得したのか、緋澄は朱詩を放置。藍はひらひらと手を振り、二人を2階に追いやった。


「あ、」

「なんじゃ。」

「いや、なんもない」




カチカチとメールを書きはじめた。



「誰宛てだ?」

「ん?姉貴~。」


「仲直りしたんさ?」




黒猫も降りてきた。




「うん仲直りしたよ。今は応援してくれてる」



先日喧嘩した姉といつの間にか仲直りしていたらしい。




「まぁ、兄弟仲良きこと美しきかな、じゃからな。」



「本当さね。さて、花火の準備、するさよ。大将、ひず」



「はいはい。」


「言い出しっぺなのだからな。」



「わかってるよっ」




立ち上がると走って行く。



「こけるなよ~・・・」「あれ、コケるよ。」


「おや、朱詩」ベシッ



「「・・・・・」」



(緋澄は)やはりコケた


「阿呆か」

「仕方ないやつ」



ため息。




「あ、降りてきた。」



芝咲と来飛が降りてきた


「あれ、あの二人は?」


「花火の準備にいったよ」




「あら」

藍が立ち上がる。



「さて、そろそろ参ろうかの。」

「そだね」



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