3
「お、来飛と藍か」
数十分後、キッチンから出てきた藍と来飛は芝咲と遭遇した。
「きいてよ棟梁、藍ったらつまみ食い仕出かしたのよ。」
「旨そうだったから、つい」
「それで餡蜜とか言いはじめるんだから。」
そんな二人に苦笑。
「わかったから。さっさと着替えてこいよ。」
芝咲はもう浴衣だ。
「あら頭領カッコイイ」
「新調したとはいえレンが作ったからな」
そう、3年に一度、藍の姉、憐鞠から浴衣やら着物やらが送られて来る為、3年に一回は浴衣を新調する。(着たモノは別のモノに形を変える)
「姉様は腕がいい。」
「姉はデザイナー、妹は翻訳家。その上従兄弟は大工、叔父と叔母は医者。戸籍上の従兄弟はモデルときた。・・・・変な家ね。」
「まぁ確かに。」
「言われればな。だが、それがあったからこその我等なのじゃろ?」
「まぁね。さ、芝、着付けよろしく」
軽くウィンク。
「お前はやっぱり性別間違えたんだな」
「失礼な。」
時々本気で来飛の性別を間違える芝咲である。
「おや、朱詩。」
フラフラと朱詩が現れた
。
「緋澄よ、」
「ん?にゃに?・・・ってしゅうちゃん!」
緋澄が慌てて朱詩を捕まえる。
「花火なんだから寝ちゃダメだよ~!!!」
「ん~ねむい・・・」
ソファーのひじ掛けに頭を乗せて寝る気まんまん。
「放っておけ。大丈夫じゃ。時期に起きるじゃろうて」
「そかなぁ?」
「そうだ」
納得したのか、緋澄は朱詩を放置。藍はひらひらと手を振り、二人を2階に追いやった。
「あ、」
「なんじゃ。」
「いや、なんもない」
カチカチとメールを書きはじめた。
「誰宛てだ?」
「ん?姉貴~。」
「仲直りしたんさ?」
黒猫も降りてきた。
「うん仲直りしたよ。今は応援してくれてる」
先日喧嘩した姉といつの間にか仲直りしていたらしい。
「まぁ、兄弟仲良きこと美しきかな、じゃからな。」
「本当さね。さて、花火の準備、するさよ。大将、ひず」
「はいはい。」
「言い出しっぺなのだからな。」
「わかってるよっ」
立ち上がると走って行く。
「こけるなよ~・・・」「あれ、コケるよ。」
「おや、朱詩」ベシッ
「「・・・・・」」
(緋澄は)やはりコケた
「阿呆か」
「仕方ないやつ」
ため息。
「あ、降りてきた。」
芝咲と来飛が降りてきた
「あれ、あの二人は?」
「花火の準備にいったよ」
「あら」
藍が立ち上がる。
「さて、そろそろ参ろうかの。」
「そだね」




