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つづき。
「ご馳走でした。」
「お粗末でした。」
かちゃん、と食器をおく。
「おかわりある?」
「しゅうちゃんまだ食べるの?」
「うん、ある?」
「あるわよ。」
「ありがとう。」
「どういたしまして。」
ふわ、と笑う来飛。
「ご馳走さま!あたし、ちょっくら踊ってくるね!」
かちゃん、と食器を食洗器にいれるとダイニングをでていく。
「じゃ、私も仕事蹴りつけてくるとするかの。」
翻訳やら、海外からのアーティストの通訳の仕事をしている藍。次出版する本の翻訳に忙しいらしい。
「もうできるの?」
「あぁ、もうすぐな。」
「着付けはどうするさ?」
「私がやろうぞ。あと10行ぐらいなんじゃ。」
軽く笑うとダイニングからでていった。
「皆大変さね。」
「仕方ないさ。こうやって全員が揃うのは珍しい。」
「そういう芝はどうさ?」
楽しそうににやり、と黒猫の猫目がわらう。
「ん?次の仕事が入ったぐらいかな」
「そっか、大変さね」
「お前達に比べれば、大変じゃないよ。来飛のおかげだ。」
そういって爽やかにわらう芝咲。
「じゃ、俺は着付けて来るわ。」
芝咲が食器を片付けてでていく。
「ん、ご馳走さま」
「よく食べるわね・・・」
「作りがいがあるさね♪」
「おかげで食費が・・」
「困らないさよ」
「まぁ、うん」
頷くしかない。
「そういえば、新しいの出来たわよ。」
そういって机の上に置いたのは一冊の雑誌。
「おーよく撮れてるさね」
雑誌を眺めはじめた黒猫。
「あ!それこないだの?」
緋澄が戻ってきた。汗を拭きつつ座る。
「そうさよ。うん、上手く写ってるさね。 これ、憐鞠さんに送るさね??」
「そうだね~それがいいかも。憐鞠さん楽しみにしてそうだもん!!」
きゃいきゃいとしている二人を横目になにか作りはじめる。
「終わった。」
「あ、ほんと?分かったぁ」
藍が戻ってきて、着付けに緋澄と部屋へ行った。
「ほ~流石さね。私らカッコイイ♪」
「カメラマンの腕がいいのよ」
「まぁそれは当たり前さね。」
「私が見つけたんだもの。」
「流石一流さよ、皆」
「貴女もよ、黒猫」
「私なんてまだまださよ」
「そんなことはないぞ」
「「藍(大将)」」
上を見上げると藍の姿。
「次は黒猫じゃ。ほら、新調した浴衣が待ってるぞ。」「はーい。じゃまたあとでさね。」
「また後で」
階段を上る黒猫を見送ると、来飛はキッチンへ入っていった。




