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空屋!  作者: しき
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2

つづき。

「ご馳走でした。」



「お粗末でした。」


かちゃん、と食器をおく。


「おかわりある?」



「しゅうちゃんまだ食べるの?」



「うん、ある?」

「あるわよ。」


「ありがとう。」

「どういたしまして。」


ふわ、と笑う来飛。



「ご馳走さま!あたし、ちょっくら踊ってくるね!」   


かちゃん、と食器を食洗器にいれるとダイニングをでていく。


「じゃ、私も仕事蹴りつけてくるとするかの。」


翻訳やら、海外からのアーティストの通訳の仕事をしている藍。次出版する本の翻訳に忙しいらしい。



「もうできるの?」

「あぁ、もうすぐな。」



「着付けはどうするさ?」


「私がやろうぞ。あと10行ぐらいなんじゃ。」


軽く笑うとダイニングからでていった。


「皆大変さね。」


「仕方ないさ。こうやって全員が揃うのは珍しい。」


「そういう芝はどうさ?」



楽しそうににやり、と黒猫の猫目がわらう。


「ん?次の仕事が入ったぐらいかな」


「そっか、大変さね」


「お前達に比べれば、大変じゃないよ。来飛のおかげだ。」


そういって爽やかにわらう芝咲。



「じゃ、俺は着付けて来るわ。」    


芝咲が食器を片付けてでていく。


「ん、ご馳走さま」


「よく食べるわね・・・」


「作りがいがあるさね♪」


「おかげで食費が・・」

「困らないさよ」

「まぁ、うん」  



頷くしかない。


「そういえば、新しいの出来たわよ。」  



そういって机の上に置いたのは一冊の雑誌。



「おーよく撮れてるさね」 



雑誌を眺めはじめた黒猫。


「あ!それこないだの?」  



緋澄が戻ってきた。汗を拭きつつ座る。


「そうさよ。うん、上手く写ってるさね。 これ、憐鞠さんに送るさね??」


「そうだね~それがいいかも。憐鞠さん楽しみにしてそうだもん!!」


きゃいきゃいとしている二人を横目になにか作りはじめる。


「終わった。」


「あ、ほんと?分かったぁ」


藍が戻ってきて、着付けに緋澄と部屋へ行った。



「ほ~流石さね。私らカッコイイ♪」


「カメラマンの腕がいいのよ」


「まぁそれは当たり前さね。」



「私が見つけたんだもの。」



「流石一流さよ、皆」


「貴女もよ、黒猫」


「私なんてまだまださよ」


「そんなことはないぞ」



「「藍(大将)」」




上を見上げると藍の姿。




「次は黒猫じゃ。ほら、新調した浴衣が待ってるぞ。」「はーい。じゃまたあとでさね。」


「また後で」


階段を上る黒猫を見送ると、来飛はキッチンへ入っていった。



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