短編!2~朱詩と芝咲~
「しーばー」
てこてこ、と朱詩がやって来た。
「どした?朱詩」
「お腹すいた。」
「お前喰ったばっかりだろ?!」
花火できる浴衣を自分で着付けているため、芝咲は動けない。
「来飛んとこ行ってこい」
「ん~」
「っと・・・その前に着付けてくか。待ってろ。」
「うん、」
ベッドにぼすん、と座る。
「花火か~・・・・」
「初めてか?」
「ううん、5回目」
「冬に一回やったよな。」
「そうだね。」
ベッドの近くにおいてあった帯を触りながら答える。
「また冬にやりたい。」
「まぁ冬の花火綺麗だからな。ん、朱詩帯。」
「はい。」
「ありがとう。」
帯を結ぶ。
「・・・・よしできた。」
帯を回して調節する
「ほら、帯締めるだけにしとけ。」
「ん~」
「・・・・・眠いだろ。」
「ん~ん、」
「うそこけっ眠いだろ!」
着ながら寝そうな雰囲気。
「ほら、朱詩こっちこい!」
てこてこ、と音がしそうな感じに歩く。
「寝るなよ、これから花火だぞ!」
「ん~・・・・」
「こら寝るなよ!!水掛けるぞ!」
「いやだ・・・・」
「じゃぁ寝るな!!」
「うん・・・・おきる~・・・」
頭から水を掛けられるのが嫌いらしい。
「う~ねむ・・・」
「お前帰ってきたの何時だ?」
「2時過ぎ・・・」
「寝たのは?」
「4時・・・・・」
「間の2時間何をしてたお前は。」
はぁ、とため息をつく。
「だってさぁ・・・・」
「だってなんだよ」
「お風呂で寝てた・・」
「あれっほど風呂で寝るなっつったのにか?!」
半ばキレかけ。
「まぁ仕方ない。ほらできた。仕方ないから寝てろ。」
「ん~・・・浴衣、綺麗だよね。」
「ランが選んだんだからな。当たり前だろ。」
黒生地の桜の柄が入った浴衣。生地から選び、元は女物だったものを男物に変えたのだ。
「しばは、やっぱりそれだね。」
芝咲のはやはりちゃんとした男物。
「ありがとよ。じゃぁ俺は下行くから、呼びに来るまで寝てろ。」
「うん。」
ベッドに横になった朱詩をおいて、部屋からでた。




