進路変更
午後の霧がブラックウォーターの北門に幽霊の指のように絡みつく中、ゴンドは数百ヤード離れた場所から様子を窺った。手を伸ばして泥を一握り掴み、額に塗りつけてから馬を前に進めた。
冷気の中でゴンドの息が白く立ち上った。フードを深く被り、逃亡奴隷の証である烙印を隠した。街の城壁が前方に聳え立ち、薄い空を背景に黒いシルエットを描いていた。鼓動が喉を打った。
三人の衛兵が落とし格子の傍に群がり、提灯の光でハルバードが煌めいていた。ゴンドが近づくと彼らの目が鋭くなった。最年長の男が前に出て、花崗岩のように硬い傷だらけの顔を向けた。
「止まれ」衛兵の声には、もっと些細なことで人を殺してきた男の威厳があった。「名前と用件は?」
「ロサン・ヴェール」ゴンドは滑らかに嘘をつき、旅に打ちのめされた男の疲れた猫背を装った。「クリフメアから来た馬商だ。数日前の嵐で家畜が散り散りになって、回収できたのはこの一頭だけ。鞍さえない」荷馬車馬の首を軽く叩いた。
二番目の衛兵がゆっくりと周りを回り、あらゆる細部に目を向けた。「一頭では商売にならんな。書類は?」
ゴンドの胃が締まった。「嵐で失くした、他の全てと一緒にな」三枚の銀貨を衛兵の手のひらに滑り込ませた—通常の通行料より多い。「嵐が俺に残してくれたものだ」
硬貨は消えたが、風化した顔には疑念が刻まれたままだった。三番目の衛兵が近づいてゴンドの顔を調べた。彼が顔を逸らす前に、額に塗られた泥に気づいた。
「馬商は汚れる仕事らしいな」衛兵の手が剣の柄に向かった。
「見た目によらず、こいつに散々振り回された」ゴンドは声に軽さを込めた。「追いかけて不様に泥に顔から突っ込んだ。仲間に知られたら一生笑いものだ」
衛兵たちは視線を交わした。最年長の男がゆっくりとうなずいた。「ああ。誰にでもあることだ」しかし目はゴンドの顔から離れなかった。「ブラックウォーターへようこそ、商人。夜間外出禁止令に気をつけろ—夜明けまで通行証がなけりゃ動くな」
鉄の門をくぐる時、ゴンドの背筋が硬直した。一歩ごとに警報の叫び声を予期したが、それは決して来なかった。まだ。
ブラックウォーターの城壁の内側では、街が活気づいていた。行商人が商品を呼び売りしていた。荷車の車輪が石畳を轟音を立てて転がっていた。パンと馬糞の匂いが空気を満たしていた。しかしゴンドはあらゆる場所で視線を感じた—煙のように後を追う囁き、長すぎる好奇の眼差し。
市場広場で、最悪の恐れが現実となった。手配書が木の柱にひらめいていた。粗雑だが間違いようのない素描—彼の顔、彼の烙印、白日の下に晒されていた。**指名手配・生け捕り—500ロイヤル**。逃亡奴隷の標準的な懸賞金の倍以上だった。
五百ロイヤル。ゴンドの胸に冷たい恐怖が広がった。誰かが彼を特別に欲しがっている。ただの逃亡奴隷ではない—何か他の理由で。
商人が手配書からゴンドの顔へと視線を移した。男の目が見開かれ、瞳孔が拡張し、鋭く息を吸った。口を開いて叫ぼうとした。
ゴンドが近づき、刃に手を置いた。「よく考えることだな」声を低く落とした。「商売に悪い」
商人の口がぱたんと閉じた。慌ててうなずき、急いで立ち去った。しかしゴンドは彼が別の商人に囁き、自分の方向を指差すのを見た。
さらに多くの頭が振り返った。囁きが池の波紋のように広がった。街の衛兵が群衆を押し分けて進み、剣に手をかけていた。ゴンドは路地に溶け込み、心臓が激しく打った。
狭い通路はゴミと小便の悪臭を放っていた。壁に身を押し付け、石畳の上の足音に耳を澄ませた。衛兵の声がはっきりと聞こえた。「…瓜二つだ…五百ロイヤル…宿屋と厩舎を全て捜索しろ…」
ゴンドは息を殺し、胸の奥で呪詛を吐いた。街は罠で、それが急速に閉じつつあった。馬のところに戻る必要があったが、角を覗くと血が氷のように冷たくなった。
四人の衛兵が彼の馬を囲んでいた。一人が手綱を握り、別の一人が背中に粗雑に縛り付けられた袋を調べていた。三番目の衛兵が手配書を振り、手に持った何かと比較していた。
「どこかにいるはずだ」衛兵が吠えた。「散開しろ。建物を一つずつ調べろ」
ゴンドは路地の奥へと後退した。馬は失った。回収する方法はなかった。顎を食いしばった。あの動物は忠実に彼を運んでくれたのに、今や二人とも罠に導いてしまった。
路地は脇道に開けていた。ゴンドはフードを深く被り、朝の人の流れに加わった。しかし見回すあらゆる場所で、衛兵が商人に質問し、手配書と顔を照合していた。網が締まりつつあった。
後ろで叫び声が上がった。「あそこだ!パン屋の屋台の傍に!」
ゴンドは振り返らなかった。群衆を押し分けて進み、怒った罵声を無視した。足音が後を追った。
別の路地に、そしてまた別の路地に逃げ込んだ。ブラックウォーターの裏通りの迷路は一時的な避難場所を提供したが、彼は罠にかかっていた。衛兵は彼より街をよく知っていた。やがて追い詰められるだろう。
木の扉が半開きになっていた。ゴンドは中に滑り込み、桶職人の作業場にいることに気づいた。樽が壁に並んでいた。木屑が床を覆っていた。職人が驚いて顔を上げた。
「店は閉まっている」男が言った。「また今度—」
「頼む、助けてくれ」ゴンドは空の両手を見せた。「隠れる必要がある。暗くなるまでだけ」
桶職人の目が細くなった。それから窓を一瞥し、そこを衛兵が命令を叫びながら走り過ぎるのを見た。理解が顔に閃いた。「逃亡奴隷か?」
ゴンドはうなずいた。
男は長い間彼を見つめた。それから角の大きな樽を指差した。「あれは空だ。しかしもし彼らがここを捜索したら…」革のエプロンで手を拭いた。「ところで俺はアルドリックだ。首を賭けるなら、お互いを知っておくべきだろう」
「危険は承知している」ゴンドは角に向かった。「俺はゴンドだ。ありがとう、アルドリック」
樽は古いワインの臭いがしたが、彼を完全に隠してくれた。狭い闇の中で、ゴンドは自分の浅い呼吸音だけを聞いた。アルドリックが命を賭けて彼を守っている。見知らぬ男が、共通の過去の痛みだけで。
木の隙間から、衛兵が近くの建物を捜索する音が聞こえた。扉が叩かれた。今度はアルドリックの扉に激しく叩く音がした。声が質問を叫んだ。桶職人は冷静に答え、何も見ていないと主張した。
時間は鉛のように流れた。ゴンドの脚が狭い空間で痙攣した。背中が痛んだ。しかし浅く呼吸しながら、じっと動かずにいることを強いた。外では捜索が続いた。衛兵は作業場を三度通り過ぎたが、誰も中に入らなかった。
午後の影が長くなると、活動は徐々に収まった。桶職人が樽を軽く叩いた。「東の区画に移った。しかし門には見張りを置いている」
ゴンドは這い出し、筋肉が抗議した。「城壁は?」
「三十フィート。磨かれた石だ。しかしアラニィの古い神殿近くに、漆喰が崩れている箇所がある」桶職人は木屑に道順を描いた。「完全に暗くなるまで待て。衛兵は真夜中に交代する」
「なぜ助けてくれる?」
桶職人は前髪を押し上げ、色褪せた烙印を露わにした。「二十年前、樽の中にいたのは俺だった」
闇がブラックウォーターに覆いのように降りた。ゴンドは神殿の鐘が真夜中を告げるまで待ち、それから作業場から滑り出た。街路は松明を持った巡回衛兵以外は空だった。彼は彼らの経路を避け、影に身を潜めた。
古い神殿地区は街の西の城壁に寄りかかっていた。崩れかけた建物が酔っ払いの乞食のように互いにもたれかかっていた。雑草が割れた石畳を突き破っていた。空気は腐敗と放棄の匂いがした。
ゴンドは桶職人が説明した廃墟の神殿を見つけた。半ば崩れた門の上に、アラニィの絡み合った円をかろうじて見ることができた。古い石は漆喰が崩れ落ちた隙間を見せていた。手がかり、もし注意深ければ。そして絶望的であれば。
最初の石を試した。体重を支えた。二番目は少し動いたが落ちなかった。一インチずつ登った。指が漆喰の亀裂を見つけた。ブーツが石を擦った。夜の静寂の中であらゆる音が雷のように大きく聞こえた。
中程で、足の下の石が動いた。小石が壁を転がり落ちた。凍りついて聞き耳を立てた。足音が近づいた—巡回中の衛兵だった。松明の光がちらついた。
ゴンドは壁に身を押し付け、闇が味方してくれることを願った。衛兵は真下で立ち止まり、松明を上げた。光がゴンドのブーツから数インチの石を照らした。
衛兵は呟きながら立ち去った。
足音が消えた。ゴンドは筋肉が悲鳴を上げ、動かずにいたが、静寂が戻るまで待った。汗が鼻先を伝い、闇の底へと滴り落ちた。必死の手がかりで登り続けることを強いた。腕が震えた。指が痙攣した。しかし壁の頂上が一つ一つの絶望的な手がかりで近づいた。
頂上から数フィート下で、ブラックウォーターの鐘が鳴り始めた。深い青銅の音が雷のように街を転がった。警報の鐘だった。捜索が街全体に拡大されたのだ。
下では、松明の光が城壁に向かって戻ってきた。衛兵の声が夜の空気にはっきりと響いた。「あらゆる影を捜索しろ!どこかにいるはずだ!」
松明の光が一歩ずつ、影の最後の砦を焼き払うように迫ってきた。