ゴルラッチの影
軍勢は鋼鉄と祈りの奔流となって南へ流れていった。空は夜明けのたびにアラニィの希望の色に染まった。しかしそのたびに、微かな冷気も忍び寄った。宿営地からソルトメアの遠い約束の地へ向かう行軍が始まって二日、不穏な兆候が現れた。まずドワーフの斥候が、次に人間の採集兵が、そしてもう一人の斥候──今度はエルフ──が朝の点呼に応じなかった。
マルカス・ブライトウォーター卿は、アラニィの大義への新たな熱意と生来の高貴騎士の軽蔑とがまだ相克していたが、部下たちに「規律の欠如」と「本性を現した臆病者ども」について呟いているのが聞こえた。縦隊の先頭近くでエレナ、シルヴィアナと共に騎行していたゴンドがそれを耳にした。顎の筋肉が引き締まり、ぴくりと動いたが、彼は沈黙を保ち、ただマエラに視線を向けた。諜報員の情報網は既に隊列を探り、失踪を説明できるかもしれない囁きや不安の兆候を求めていた。
「ドワーフ前線はブラックロック峠での継続的成功を報告」使者が朝の作戦会議の重苦しい雰囲気を破って告げた。「ソレクの軍勢はさらに深く押し進み、巡礼者の憩いの祠は今や避難者の灯台となっています。石工たちがシムの従者たちを支援したがっていると伝言です」森の緑に身を包んだもう一人の騎手が続いた。「リラレイ隊長はソーンウッドの道がゴルラッチの手下どもには依然として塞がれていることを確認しています。さらに数か所の堕落した道祠が今や古代エルフの清らかさで歌っています」
頷きながら、ゴンドは良い知らせに僅かな慰めを見出した。彼を蝕む心配に対するささやかな慰めだった。「アラニィが彼らを祝福してくださる。我々も同じように全力を尽くそう」
道は次第に荒涼とした土地を縫って進み、大地そのものが息を潜めているようだった。茨の茂みに塞がれた狭い峡谷で、最初の血が流された。黒い羽根の矢が稜線から雨のように降り注いだ。奴隷商の残党たち、その粗末な身なりから判断すると絶望的で追い詰められた者たちだった。
縦隊は共通の目的から生まれた規律で反応した。ドワーフの盾持ちたちが防壁を形成し、重装甲が矢の雨の最悪の部分を逸らした。エルフの射手たちは超自然的とも言える正確さで応射し、その矢は的確に標的を見つけた。混乱の中、ブライトウォーターの騎士の一人、ケーレン卿が落馬し、足を挟まれた。残酷な形の湾刀を振りかざした巨漢の奴隷商が彼に迫った。ケーレンが剣を構える前に、継ぎ接ぎの革鎧を着た人影──元採石場奴隷のヨリクという男──が粗末な盾で奴隷商の脇腹に体当たりし、短槍を男の喉に突き刺した。ヨリクは驚愕する騎士に胼胝だらけの手を差し出した。ケーレンは一瞬ためらったが、かつて己より身分が下と見なしたであろう男の手を掴み、立ち上がった。騎士の呟いた礼の言葉は素っ気なかったが、その目には新しい光が宿っていた。
小競り合いは短く、残酷で、最終的には小さな勝利だった。しかしシムとその従者たちが少数の負傷者を手当てしている間、微妙な変化にゴンドは気づいた。ケーレン卿はヨリクを探し出し、水筒を分け合った。ドワーフの戦士がエルフの射手の肩を叩き、粗野な友情の仕草を見せた。
しかし真の闇は、道のさらに先で彼らを待っていた。夕暮れが落ちると、彼らは石化した木々の森で野営した。骸骨のような枝が薄れゆく光を掻きむしっていた。空気そのものが濃くなったようで、息をするたびに肺を圧迫した。鳥たちは歌の途中で沈黙し、石のように枝から落ちた。風さえも死に、耳鳴りと不自然なリズムで心臓を打つ圧迫的な真空を残した。
それは警告なしに襲いかかった。鋼鉄の衝突ではなく、骨髄まで染み込む這うような、陰湿な冷気だった。視界の端で幻覚がちらついた。危険にさらされた愛する者たち、苦悶するほど鮮明に再現される過去の失敗、陰湿な疑念を囁く醜悪な姿。恐怖が、冷たく粘つくように心と精神を包んだ。数人の兵士が叫び声を上げ、武器を落として頭を抱え、爪で頭皮を引っ掻いて血を流した。他の者たちは膝をつき、恐怖が腸をねじり上げて激しく嘔吐した。若い射手が制御できずに泣き始め、幻影が影へと手招きする中、弓を忘れていた。
「ゴルラッチめ!」シルヴィアナが息を呑み、顔は青白くなったが目は燃えるように輝いて対抗呪文を始めた。その声は圧倒的な闇に対する細い銀の糸だった。
三つの影が枯れ木の最も深い暗闇から分離した。外套に身を包み、ぼやけているが、純粋な悪の悪臭を放っていた。「鎖の主は邪魔立てする者どもを覚えておられる、聖騎士よ」一体が岩を擦り合わせるような声で軋んだ。「貴様は主の僕を殺し、計画を妨害した。今その代償を払え」
アラニィの炎が内で咆哮するのを感じ、ゴンドは精神を捻じ曲げる攻撃に対する純粋な熱の盾となった。「悪しき主の僕どもよ、アラニィの怒りを受けよ!」彼は剣を引き抜いて吠えた。アラニィの贈り物である刃が純粋な黄金の光で燃え上がり、圧迫的な暗闇を切り裂いた。
しかし周囲の闇を払っても、暗黒はより濃くなったようで、その触手が仲間たちに絡みついた。エレナがよろめき、剣の柄に凍りついた手、見えない恐怖に見開かれた目を見た。グリムジョーは根を張ったように立ち尽くし、強大な戦鎚が力なく垂れ下がっていた。シムは膝をつき、必死に詠唱していたが、その声は震えていた。
考える間もなく、光を呼び起こした。剣から神聖な光を外へ押し出し、勇気と明晰さの黄金の波が仲間たちにかかった恐怖の呪縛を破った。エレナが息を呑み、剣を鞘から抜いた。グリムジョーが雄叫びを上げて鎚を振り上げた。
ゴルラッチの聖職者たちは攻撃を倍加させた。影の触手が鞭のように襲いかかり、腐敗と絶望の悪臭を運ぶ病的な緑の霧が野営地に漂い始めた。輝く刃で影の触手を迎え撃ち、ゴンドは衝撃のたびに邪悪なエネルギーに震動を送った。彼はわずかなうずきしか感じなかったが、仲間たちが痛みと恐怖に顔をしかめるのに気づいた。
それを無視し、神聖な力に集中した。剣を高く掲げると、そこから光線が射出し、輝きの中で爆発して空を照らした。場面は黄金の輝きに包まれ、影の触手がその光彩の下で溶けていった。三人の司祭が唸り声を上げてよろめいた。機会を捉えて刃を司祭の胸に深々と突き立てると、男は呻き声もなく崩れ落ちた。残る二人はよろめき、幻覚がちらついた。エレナとグリムジョーはゴンドの光に力を得て突撃した。シルヴィアナの対抗呪文が強くなり、保護のエネルギーの網を織り上げた。
戦いは短いが絶望的だった。二番目の聖職者を剣で繰り返し打ちのめし、ゴンドはこれもまた力なく倒れさせた。三番目は仲間の破滅を見て逃げようとしたが、恐怖を振り払ったエルフの射手の完璧な狙いの矢に捕らえられた。
ゴルラッチの魔法の最後の痕跡が消散すると、苦しむ兵士たちから集団的な呻き声が上がった。多くの者が身をよじり、肌は湿って冷たく、黒い毒が血管を駆け巡っていた。力の消耗でふらつきながら、彼らの間を移動した。最も近くにいた谷出身の若い女性に手を置いた。彼女の顔は苦悶に歪んでいた。アラニィの光が流れ、黒い膿汁が血管から退いた。次へ、そしてその次へと移った。神聖なエネルギーが彼から流れ出し、同時に力を与えて続けることができた。最後の犠牲者が清められた時、倒れ、剣の光が薄れた。シムとシルヴィアナがすぐに彼の側に駆け寄り、寝台へと導いた。
***
三日後、打ちのめされながらも屈服することなく、軍勢は最後の尾根を越えた。眼下にソルトメアが横たわっていた。海岸線に傷跡のような手強い城壁、港は奴隷船で詰まっていた。この距離からでも、空気は都市の悲惨さで汚染されているようだった。
軍勢が陣地構築を始めると、マエラの最高の斥候リラ──鞭のようにしなやかで激情的──がゴンドを見つけた。「聖騎士殿」彼女は雷雲のような顔で吐き捨てた。「見つけました。行方不明者たちを」
彼女はゴンド、シム、そして厳しい顔のマルカス卿をソルトメアの西壁から半里ほどの渓谷へ案内した。悪臭が最初に襲った──想像を絶する苦痛を物語る銅と腐敗の瘴気。深淵からは蝿が黒雲の如く湧き立ち、その羽音は死の沈黙を嘲笑う地獄の合唱のようであった。蛆虫がかつて人間の肉だった表面を白い塊となって蠢いていた。渓谷の岩そのものが乾いた血で暗く染まり、岩に刻まれた奇怪な文字がまだ悪意のエネルギーで脈打っているようだった。渓谷の深部に穴があった。そして穴の中に、失われた斥候と採集兵の遺体があった。彼らは拷問を受けており、その肉にはゴルラッチの儀式的残虐さの紛れもない痕跡があった──冒涜的な文様をなす精密な切り傷、熱した鉄を意図的な悪意で押し当てた火傷跡、そして歴戦の戦士さえも嫌悪で顔を背けさせるより酷い冒涜。
二人の人影がまだ生にしがみついていた。息は浅く、目は見た恐怖で虚ろだった。一人はドワーフの斥候ボリン・ストーンビアード、ソレクの遠い従兄弟だった。もう一人は若い人間の採集兵エララだった。
膝をつき、胸の中で心臓が冷たい石となった。ボリンに手を伸ばし、アラニィの光が手に燃え上がった。ドワーフの傷が閉じ始め、灰色の肌に色が戻った。呼吸が深くなった。
それからエララに向き直った。再び治癒の光を導こうと準備していると、呼吸がより深いリズムに合わせて遅くなり、見えない重みが肩に降りたかのように肩が落ち着いた。緊急性で震えていた手が完全に安定した。彼の内なる神聖な存在が変化し、退くのではなく変わって、広大で悲しみに満ち、無限に賢いものとなった。*その子の苦しみを和らげるのじゃ、我が子よ。されど、その子の道はここまでじゃ。*
凍りついた。命令は明確で、疑いようがなかった。エララの荒廃した姿を、ボリンの目に戻りつつある意識のちらめきを見た。過去の反抗、生と死の問題で自分の判断を主張した過去の記憶が彼を刺した。今度は、アラニィの知恵、その悲しみの重みがあまりに深遠で疑問を抱けなかった。目に涙を浮かべながら、彼はエララに手を置いた。柔らかく温かい光が彼女を包んだ。治癒するのではなく、慰めるために。彼女の顔の苦痛の線が和らいだ。かすかな、ほとんど平和な溜息が唇から漏れた。そして彼女は静かになった。
ゴンドの態度の微妙な変化を目撃していたシムが、慰めの手を彼の肩に置いた。顔を青ざめさせたマルカス卿は、ただ見つめていた。生々しい恐怖と、今目撃した静かで恐ろしい慈悲によって、高貴な傲慢さの最後の痕跡が剥ぎ取られていた。
穴の発見とエララの死は、軍勢に変化の波を送った。拳が白くなるまで握りしめられた。顎は歯が痛むほど固く噛みしめられた。目は火打石の欠片のように硬くなり、声は話す時には致命的な囁きまで落ちた。ソルトメアの包囲が本格的に始まった。「アラニィの裁き」や「希望の鎚」といった名前を冠したグリムジョーの攻城兵器が位置に運ばれ、その操作員たちは厳しい決意で働いた。エルフの射手たちは高地を占め、その矢は都市の守備兵への絶え間ない嫌がらせとなった。ドワーフの技師たちは攻城塔の建設を始め、その鎚音はソルトメアの恐怖支配への弔いの鐘のように響いた。港は封鎖され、グリムジョーの最大の投石機は船舶の出入りを拒む角度に向け直された。
一方、シルヴィアナの助けを得て、選ばれた戦士の一団が坑道を通る攻撃を計画した。門でのグリムジョーの陽動は、坑道部隊が城壁まで戦い抜いて門を開いた時点で正面攻撃に転じることになっていた。
包囲三日目、ソルトメアの正門の上に白旗が現れた。五人の個人からなる代表団が、外套を着て非武装で現れた。
包囲線と都市の城壁の間の無人地帯で彼らと会った。シム、シルヴィアナ、エレナ、グリムジョーが脇を固めていた。代表団の長、ずる賢い目をした太った男が、自分を商人組合長セロンと名乗った。
「聖騎士殿」セロンは油っこい声で始めた。「ソルトメア評議会は、あなたの軍勢が引き起こした…混乱を認識しております。我々は妥協案を提示する用意があります。相当な貢納金、我々の商売のあまり好ましくない側面を制限する合意、あなたの軍勢の撤退と引き換えに」
ゴンドの目は凍った池のようだった。「我らは邪悪と交渉せぬ、組合長。我が条件はひとつだ。この都市のすべての奴隷が自由に歩く。すべてのゴルラッチの司祭と手先が自分たちの行いに答える。そして貴様らはアラニィに門を開け放ち、その光がこの汚物を洗い清められるようにする」
セロンは青ざめた。「それは…それは不可能です」
「交渉の余地なし」平坦な声で言った。「評議会に伝えろ。明日の日の出まで時間をやる。その後、アラニィの裁きが貴様らに下る」
代表団は明らかに動揺し、条件を伝えることを約束した。彼らは振り返ってソルトメアの門へ向かってゆっくりと歩き始めた。城壁に近づくと、突然城壁から石弓の矢の一斉射撃が噴出した。最初の矢がセロンの胸を貫き、外套を突き破って背を貫き、鮮血を咲かせながら突き抜けた。彼は前のめりに倒れ、血が唇から泡となって溢れる中、土を爪で掻いた。二番目の代表は矢が肩に当たって踊り子のように回転し、筋肉と骨を木を裂くような音で引き裂いた。彼は叫び、城壁に響く高い悲鳴を上げた。三番目は双子の矢が足を見つけて崩れ落ち、骨を砕いて土の中で身をよじらせた。代表たちは次々と叫び声を上げて倒れ、自分たちの警備兵が放った矢に貫かれた。一人、若い男は肩に矢を受けながらも、よろめき、つまずき、半ば這いながらゴンドの陣地に向かって戻ろうとし、砂に血の跡を残して倒れた。
ペルが最初に彼に駆け寄った。若い代表は自分の血に窒息しながら喘いだ。「ゴルラッチが…すべてを支配している…彼らは…あなたの条件を笑った…鎖の主が饗宴すると言った…」彼の目が曇った。
裏切りは完全で、メッセージは身も凍るほど明確だった。降伏はないのだ。
ソルトメアの血に染まった城壁を見つめ、その表情は花崗岩のように硬かった。夕日が攻城兵器から長く威嚇的な影を投げかけ、今は来るべき報復の無言の番兵となっていた。港は夕暮れの空の下で暗い鏡のように静まり返り、効果的に封鎖されていた。軍勢は待機していた。正義の怒りに満ちた、巻かれたばねのように。
ソルトメアの包囲が真に始まったのだった。