第二十四章:ゴルラッチの影
軍勢は鋼と祈りの奔流となって南へ進んだ。夜明けごとに空はアラニィの希望の色に染まるが、そのたびに微かな冷気が忍び寄る。宿営地からソルトメアの遠い約束の地へ向かう行軍が始まって二日、不穏な兆しが現れた。まずドワーフの斥候、次に人間の採集兵、そして今度はエルフの斥候が朝の点呼に現れなかった。
マルカス・ブライトウォーター卿は、アラニィの大義への新たな熱意と生来の高貴な騎士の軽蔑がまだ心中でせめぎ合っていたが、部下たちには「規律の欠如」や「本性を現した臆病者ども」について呟いていた。縦隊の先頭近くでエレナ、シルヴィアナと共に騎乗していたゴンドはその声を耳にし、顎をわずかに引き締めたが、沈黙を守り、マエラに視線を送った。諜報員たちはすでに隊列を探り、失踪の理由を示す囁きや不安の兆候を探していた。
「ドワーフ前線はブラックロック峠での継続的勝利を報告」と使者が朝の作戦会議の重苦しい空気を破って告げた。「ソレクの軍勢はさらに奥深く進み、巡礼者の祠は今や避難者の灯台となっています。石工たちがシムの従者たちを支援したいと伝言です」森の緑に身を包んだもう一人の騎手が続けた。「リラレイ隊長はソーンウッドの道が依然としてゴルラッチの手下どもに塞がれていると確認しています。だが、いくつかの堕落した道祠は今や古代エルフの清らかさで歌っています」
ゴンドは頷き、わずかながらも良い知らせに慰めを見出した。彼を蝕む不安に対する小さな救いだった。「アラニィが彼らを祝福してくださる。我々も全力を尽くそう」
道は次第に荒れた土地を縫い、大地そのものが息を潜めているようだった。茨に覆われた狭い峡谷で、最初の血が流れた。黒い羽根の矢が稜線から雨のように降り注ぐ。奴隷商の残党たち──その粗末な身なりからして、絶望の果てに追い詰められた者たちだった。
縦隊は共通の目的から生まれた規律で動いた。ドワーフの盾持ちが防壁を築き、重装の戦士たちが矢の雨の最悪を受け止めた。エルフの射手は超自然的な正確さで応射し、矢は確実に標的を射抜いた。混乱の中、ブライトウォーターの騎士ケーレン卿が落馬し、足を挟まれた。残忍な湾刀を振りかざす巨漢の奴隷商が迫る。ケーレンが剣を抜くより早く、継ぎ接ぎの革鎧をまとった男──元採石場奴隷のヨリク──が粗末な盾で奴隷商の脇腹に体当たりし、短槍を喉に突き立てた。ヨリクは驚く騎士に胼胝だらけの手を差し出す。ケーレンは一瞬ためらったが、かつて見下していたであろう男の手を掴み、立ち上がった。礼の言葉は素っ気なかったが、その目には新たな光が宿っていた。
小競り合いは短く、残酷で、だが小さな勝利だった。シムと従者たちが負傷者を手当てする間、ゴンドは微妙な変化に気づく。ケーレン卿はヨリクを探し、水筒を分け合った。ドワーフの戦士がエルフの射手の肩を叩き、粗野な友情を示した。
だが本当の闇は、さらに先で待っていた。夕暮れ、彼らは石化した木々の森で野営した。骸骨のような枝が薄明かりを掻きむしる。空気は重く、息を吸うたびに肺が圧迫された。鳥は歌の途中で沈黙し、石のように枝から落ちた。風さえも死に、耳鳴りと不自然な鼓動だけが残る。
それは警告もなく襲いかかった。鋼の衝突ではなく、骨の髄まで染み込む這うような冷気。視界の端で幻がちらつく。危機に晒された愛しい者、苦悶するほど鮮明な過去の失敗、陰湿な疑念を囁く醜悪な影。恐怖が冷たく粘つくように心と精神を包み込む。数人の兵士が叫び、武器を落として頭を抱え、爪で頭皮を引っ掻き血を流した。他の者は膝をつき、腸をねじられるような恐怖に激しく嘔吐した。若い射手は泣き出し、幻影に手招きされて弓を忘れた。
「ゴルラッチめ…!」シルヴィアナが息を呑み、顔は青ざめながらも目は燃えるように輝き、対抗呪文を唱え始めた。その声は闇に抗う細い銀の糸だった。
三つの影が枯れ木の闇から分かれ出る。外套に包まれ、ぼやけているが、純粋な悪の臭気を放っていた。「鎖の主は邪魔立てする者どもを覚えておられる、聖騎士よ」一体が岩を擦るような声で軋んだ。「貴様は主の僕を殺し、計画を妨げた。今こそ代償を払え」
アラニィの炎が内で咆哮し、ゴンドは精神を捻じ曲げる攻撃に対する熱の盾となった。「悪しき主の僕どもよ、アラニィの怒りを受けよ!」剣を抜き、吠える。アラニィの贈り物である刃が黄金の光で燃え、闇を切り裂いた。
だが周囲の闇はさらに濃くなり、触手のように仲間たちに絡みつく。エレナはよろめき、剣の柄を握る手が凍りつき、目は見えない恐怖に見開かれていた。グリムジョーは根を張ったように立ち尽くし、戦鎚が力なく垂れ下がる。シムは膝をつき、必死に詠唱するが声は震えていた。
考える間もなく、ゴンドは剣から神聖な光を放ち、勇気と明晰さの黄金の波で仲間たちの恐怖を打ち破った。エレナが息を呑み、剣を抜く。グリムジョーが雄叫びを上げて鎚を振り上げた。
ゴルラッチの聖職者たちは攻撃を強めた。影の触手が鞭のように襲い、腐敗と絶望の臭いを運ぶ緑の霧が野営地に漂う。ゴンドは輝く刃で触手を斬り払い、衝撃のたびに邪悪な力を弾き返した。自分はわずかなうずきを感じるだけだったが、仲間たちは痛みと恐怖に顔を歪めていた。
それを振り切り、神聖な力に集中する。剣を高く掲げると、そこから光線が放たれ、爆発するように空を照らした。黄金の輝きが場を包み、影の触手はその光の下で溶けていく。三人の司祭が唸り声を上げてよろめいた。ゴンドは機を逃さず刃を司祭の胸に突き立て、男は呻きもせず崩れ落ちた。残る二人はよろめき、幻がちらつく。エレナとグリムジョーはゴンドの光に力を得て突撃した。シルヴィアナの対抗呪文が強まり、保護の網を織り上げる。
戦いは短くも絶望的だった。二人目の聖職者を剣で打ち倒し、ゴンドはこれもまた力なく倒れさせた。三人目は仲間の最期を見て逃げようとしたが、恐怖を振り払ったエルフの射手の矢が正確に貫いた。
ゴルラッチの魔法の痕跡が消えると、兵士たちから苦しげな呻きが漏れた。多くが身をよじり、肌は冷たく湿り、黒い毒が血管を走っていた。ゴンドはふらつきながらも彼らの間を巡り、最も近くにいた谷出身の若い女性に手を置いた。彼女の顔は苦悶に歪む。アラニィの光が流れ、黒い膿が血管から退いた。次へ、さらに次へと移る。神聖な力が彼から流れ出し、同時に力を与え続けた。最後の一人を清め終えた時、ゴンドは倒れ、剣の光が薄れた。シムとシルヴィアナがすぐに駆け寄り、寝台へと導いた。
◇ ◇ ◇
三日後、打ちのめされながらも屈せず、軍勢は最後の尾根を越えた。眼下にソルトメアが広がる。海岸線には傷跡のような城壁、港は奴隷船で埋まっていた。この距離からでも、空気は都市の悲惨さで汚れているようだった。
軍勢が陣地構築を始めると、マエラの最良の斥候リラ──鞭のようにしなやかで激情的──がゴンドを見つけた。「聖騎士殿」彼女は雷雲のような顔で吐き捨てる。「見つけました。行方不明者たちを」
彼女はゴンド、シム、そして険しい顔のマルカス卿をソルトメア西壁から半里ほどの渓谷へ案内した。悪臭が最初に襲う──想像を絶する苦痛を物語る銅と腐敗の瘴気。深淵からは蝿が黒雲のように湧き、その羽音は死の沈黙を嘲る地獄の合唱だった。蛆虫がかつて人間だった肉の上を白い塊となって蠢く。渓谷の岩は乾いた血で黒く染まり、刻まれた奇怪な文字がまだ悪意の力で脈打っているようだった。渓谷の奥に穴があり、失われた斥候と採集兵の遺体があった。彼らは拷問を受け、肉にはゴルラッチの儀式的残虐さの痕跡──冒涜的な文様をなす切り傷、熱した鉄で焼かれた痕、そして歴戦の戦士さえ顔を背けるほどの冒涜──が刻まれていた。
二人の人影がまだ生にしがみついていた。息は浅く、目は見た恐怖で虚ろだった。一人はドワーフの斥候ボリン・ストーンビアード、ソレクの遠い従兄弟。もう一人は若い人間の採集兵エララ。
ゴンドは膝をつき、胸の奥が冷たい石になる。ボリンに手を伸ばし、アラニィの光が手に宿る。ドワーフの傷が閉じ始め、灰色の肌に色が戻った。呼吸が深くなる。
次にエララへ向き直る。再び治癒の光を導こうとした時、呼吸がゆっくりと深くなり、見えない重みが肩に降りた。震えていた手が静かに安定する。内なる神聖な存在が変化し、退くのではなく、広大で悲しみに満ち、無限に賢いものとなった。*その子の苦しみを和らげよ、我が子よ。だが、その子の道はここまでだ。*
凍りつく。命令は明確で、疑いようがない。エララの荒廃した姿、ボリンの目に戻りつつある意識の光。過去に生と死の問題で自分の判断を主張した記憶が胸を刺す。だが今は、アラニィの知恵、その悲しみの重みがあまりに深く、疑う余地はなかった。涙を浮かべ、ゴンドはエララに手を置く。柔らかく温かな光が彼女を包む。癒やすのではなく、慰めるために。彼女の顔の苦痛が和らぎ、かすかな、ほとんど平和な溜息が唇から漏れた。そして静かになった。
ゴンドの変化を見ていたシムが、慰めの手を肩に置く。マルカス卿は青ざめた顔でただ見つめていた。生々しい恐怖と、今目撃した静かで恐ろしい慈悲によって、高貴な傲慢さの最後の痕跡が剥がれ落ちていた。
穴の発見とエララの死は、軍勢に変化の波をもたらした。拳は白くなるまで握りしめられ、顎は歯が痛むほど食いしばられた。目は火打石のように硬くなり、声は話す時には致命的な囁きに落ちた。ソルトメアの包囲が本格的に始まる。「アラニィの裁き」「希望の鎚」などの名を冠したグリムジョーの攻城兵器が配置され、操作員たちは厳しい決意で働いた。エルフの射手は高地を占め、矢は都市の守備兵を絶え間なく悩ませた。ドワーフの技師は攻城塔の建設を始め、その鎚音はソルトメアの恐怖支配への弔いの鐘のように響いた。港は封鎖され、グリムジョーの最大の投石機は船舶の出入りを拒む角度に向けられた。
一方、シルヴィアナの助けで選ばれた戦士たちが坑道を通る攻撃を計画した。門でのグリムジョーの陽動は、坑道部隊が城壁まで戦い抜き門を開いた時点で正面攻撃に転じる手はずだった。
包囲三日目、ソルトメアの正門の上に白旗が現れた。五人の代表団が外套をまとい、非武装で現れる。
包囲線と都市の城壁の間の無人地帯で彼らと会う。シム、シルヴィアナ、エレナ、グリムジョーが脇を固める。代表団の長、ずる賢い目をした太った男が自らを商人組合長セロンと名乗った。
「聖騎士殿」セロンは油のような声で切り出す。「ソルトメア評議会は、あなた方の軍勢が引き起こした…混乱を認識しております。我々は妥協案を提示する用意があります。相当な貢納金、商売のあまり好ましくない側面の制限、あなた方の軍勢の撤退と引き換えに」
ゴンドの目は凍った池のように冷たい。「我らは邪悪と交渉せぬ、組合長。我が条件は一つ。この都市のすべての奴隷が自由に歩くこと。すべてのゴルラッチの司祭と手先が自らの罪に答えること。そして貴様らはアラニィに門を開き、その光でこの穢れを清めること」
セロンは青ざめた。「それは…それは不可能です」
「交渉の余地はない」平坦な声で告げる。「評議会に伝えろ。明日の日の出まで時間をやる。その後、アラニィの裁きが下る」
代表団は動揺しつつも条件を伝えると約束し、城壁へ向かって歩き始めた。城壁に近づいた瞬間、石弓の矢の一斉射撃が放たれる。最初の矢がセロンの胸を貫き、外套を突き破って背を抜け、鮮血が咲いた。彼は前のめりに倒れ、血が唇から泡となって溢れる中、土を爪で掻いた。二人目の代表は矢が肩に刺さり、踊るように回転し、筋肉と骨を裂く音が響いた。彼は叫び、城壁に高い悲鳴を残す。三人目は双子の矢が足を貫き、崩れ落ちて土の中で身をよじった。代表たちは次々と叫び声を上げて倒れ、自らの警備兵が放った矢に貫かれた。一人、若い男は肩に矢を受けながらも、よろめき、つまずき、半ば這いながらゴンドの陣地に戻ろうとし、砂に血の跡を残して倒れた。
ペルが最初に駆け寄る。若い代表は自分の血に窒息しながら喘ぐ。「ゴルラッチが…すべてを支配している…やつらは…あなたの条件を笑った…鎖の主が饗宴すると…」目が曇った。
裏切りは完全で、メッセージは身も凍るほど明確だった。降伏はない。
ソルトメアの血に染まった城壁を見つめ、ゴンドの表情は花崗岩のように硬い。夕日が攻城兵器から長く威嚇的な影を落とし、今は来るべき報復の無言の番人となっていた。港は夕暮れの空の下で暗い鏡のように静まり返り、封鎖は完璧だった。軍勢は待機していた。正義の怒りに満ちた、巻かれたばねのように。
ソルトメアの包囲が、真に始まった。




