第十章:狩る者と狩られる者
翌朝は湿気を含んだ熱気で始まった。ゴンドの一行が谷を出る頃には、蝉がすでに夏の騒音を奏でていた。
馬の蹄が湿った土を静かに踏みしめる。志願者たちはゴンドが叩き込んだ静かな規律で動いていた──ペル、コルヴェン、リラ、そして家族の命がかかる九人の仲間たち。
ソーンフィールド農場は、危険な領域を抜けて南へ一日の行程。進むごとに、地平線の煙の柱に近づき、疫病のように北へ忍び寄る破壊に迫っていく。
丘の上から農場を見下ろす場所に着くと、夜を待つための隠れ場所を探した。
ゴンドの肩が突然緊張した。見えない手に掴まれたように、腕の毛が逆立つ。手を上げて隊列を止める。空気に微かな変化──皮膚に警告の刺激が走る。馬から降り、道を確かめる。
「何だ?」ペルが囁き、鞍から滑り降りて加わる。
「騎手だ」ゴンドがかろうじて聞こえる声で息を吐く。「東から。六人、急いでこちらに向かってる。」
志願者たちは心配そうに視線を交わす。農場まではまだ一時間、左手五十ヤード先の細いオークの茂み以外、隠れる場所はない。
「奴隷商か?」コルヴェンが尋ね、本能的に剣の柄に手をやる。
ゴンドは目を閉じ、まだ完全には理解できない方法で感覚を広げた。心の目で、騎手たちを脅威の影として捉える。危険が近い。
「そうだ。」目を開き、決断する。「木立へ。今すぐ。馬を引け。」
志願者たちは素早く動き、馬を引いてオークの茂みに入り、影の奥で繋いだ。ゴンドは部下たちを尾根の隆起に沿って配置し、それぞれを幹や岩の後ろに隠した。地形は有利だった──奴隷商たちは馬を遅らせ、緩い頁岩を通って坂を上らねばならない。武器の準備はできているが、命令は明確──合図まで誰も動くな。
蹄の音が大きくなり、鎖帷子の音と革のきしみが加わる。ゴンドは枝の間から覗き、近づく騎手を数えた。海岸奴隷商組合の色を着た六人、装備は専門的で手入れされている。これは盗賊ではなく兵士だった。
「ソーンフィールドは骨抜きだって言ったろ」騎手の一人が叫ぶ。
「どうやって知った?」年上のしわがれ声が返す。
「他の農場が教えてくれた!あそこは何ヶ月も空っぽだ。」若い男の声が甘える。「暗くなる前に野営地に戻らなきゃ、新しい農場のガキどもとの楽しみを逃すぞ。あの赤毛の…」下品な笑い声。
「分かった、分かった」年上の声がぶつぶつ。「間違ってたら、隊長に皮を剥がれるのは俺たちだぞ。」
一行が向きを変えて戻ると、おしゃべりは聞き取れなくなった。
ゴンドの血が氷になる。彼らは農場を組織的に襲い、農民を捕らえるつもりだ。谷を調べるのも時間の問題。
奴隷商たちは通り過ぎ、ゴンドの胃を恐怖で締め付ける目的地に向かって北へ騎行していく。蹄の音が消えるまで待ち、隠れていた仲間に合図した。
「聞いたか?」リラが青ざめて囁く。
「一言残らず。」ゴンドの顎が厳しく固まる。「急がねばならん。ソーンフィールドから取れるものを取って、他の者たちに警告する。」
馬を取り戻して南へ進むが、雰囲気は変わっていた。危険な補給任務が、今や時間との競争になった。谷から離れる一分一分が、迫る脅威に気づかぬまま過ごすもう一分。
ソーンフィールド農場は夕霧の中、過去の幽霊のように現れた。母屋は無傷だが空っぽで、窓は暗く、扉は開いたまま垂れ下がる。周囲には納屋、燻製小屋、根菜貯蔵庫、穀物倉庫。まさに必要なもの、奴隷商が何か残していれば。
「散開しろ」ゴンドが静かに命じる。「全ての建物を調べろ、警戒は怠るな。合図したら、全てを捨てて馬に走れ。」
志願者たちは目的を持って散った。ペルとコルヴェンは穀物倉庫へ、リラは燻製小屋にチームを率いた。ゴンドは根菜貯蔵庫へ向かい、奴隷商が地下の貯蔵を見落としていることを願った。
重い木の扉がきしみ、暗闇に石段が続く。下から上がる空気は涼しく乾燥していた──保存に最適。慎重に下り、目を慣らす。
樽が壁に並び、塩漬け豚肉、乾燥豆、保存野菜が詰まっている。穀物の袋もきちんと積まれていた。家族は冬に備えていたが、奴隷商は人間ほど食料に興味がなかったらしい。
「ゴンド!」ペルの声が穀物倉庫から響く。「これを見ろ。」
貯蔵庫から上がると、ペルが倉庫の横に立ち、驚きと心配の表情。
「全部残ってる」ペルが息を呑み、内部を指す。「小麦、大麦、燕麦──神よ、何ヶ月も養える量だ!だが、なぜだ?まともな奴隷商なら丸裸にするはずだ。」
ゴンドがうなり、袋を蹴る。「聞いただろ。怠惰でいい加減だ。盗賊上がりの奴らだ。」
「持てるだけ積め」命じる。「全ての袋、樽を満たせ。ただ、来た痕跡は残すな。補給品はきちんと山にし、明らかな跡は残すな。」
二時間、志願者たちは必死で働いた。穀物袋を荷馬に積み、水樽を保存肉で満たし、鞍袋を乾燥野菜と薬草で詰めた。運べる一ポンドごとが、共同体のもう一日分の命。
出発準備をしながら、ゴンドは農場を最後に見た。家族が住み、土地を耕し、夢を築いた場所。今は空っぽで、戦争の犠牲者。
「準備は?」ペルが荷馬の紐を確認しながら尋ねる。
ゴンドがうなずき、鞍に飛び乗る。「帰るぞ。」
農場から離れて仮眠を取り、夜明けを待った。帰路は長く感じられた。馬は重い荷でゆっくり進み、すべての音が志願者たちを警戒させた。だが、ゴンドの感覚は直接の脅威を捉えなかった──奴隷商は北へ進み、再編成中だろう。
太陽が西の峰に触れる頃、谷に着き、到着は歓声で迎えられたが、知らせが広まると心配のざわめきに変わった。ゴンドは即座に集会を開き、厳しい現実を伝えた。
「奴隷商だ」前置きなしに言う。「この地域の住民を組織的に襲い、捕らえている。数週間以内にここに来ると覚悟せねばならん。」
恐怖と決意が混じる顔が彼を見返す。彼らは谷に希望を見出し、戦わずには屈しない。
「どうすれば?」シムが静かに尋ねる。
ゴンドは顔の輪を見回す──命を託した男女、自由に育つ子供たち。信頼の重みが肩に落ちる。
「静かな時は終わった」平坦だが響く声で宣言する。「今、戦いの準備をする。」
言葉は静かな水に落ちた石のように波紋を広げた。だが、もはや最初の壊れた逃亡者ではない。数週間の食事と安全、目的が、彼らを共同体に変えていた。
かつてリラと食べ物を争ったコルヴェンが前に出る。かつての敵意はない。「何をすれば?」
ゴンドの心はすでに防御戦略を描き、戦いの流れを見ていた。「ペル、部隊を率いて主要な侵入路に罠を仕掛けろ。致命的でなく、やつらを遅らせるだけ。悲鳴で潜伏地を知られたくない。」
シムに向き直る。「非戦闘員を組織しろ。撤退経路、補給拠点、子供たちの隠し場所。」
司祭はうなずき、幼い子のいる家族に向かう。
「残りは」ゴンドが続け、声を張る。「この谷を砦に作り変える。使えるものは全て使い、罠も防御も最大限に。」
人々は目的を持って散ったが、新参者の何人かは過信の視線を交わした。谷が安全だと信じている。しかしゴンドの本能は、そうではないと警告していた。
◇ ◇ ◇
二週間後、ゴンドは尾根の端にしゃがみ、地平線を見渡す。「やつらはもうすぐ来る。」
ペルが眉をひそめる。「なぜ分かる?」
ゴンドは説明できなかった。雷鳴が骨を走るような感覚。雷が落ちる前の野原に立つような、全神経が危険を叫ぶ。
「直感だ。」
「最近のお前の直感は驚くほど当たる」シムが加わる。「まるで天の導きだ。」
「今は神の話はやめろ、シム」ゴンドがぶつぶつ言うが、刺はない。ゆっくりと、何かが違うことを認め始めていた。
反対側の尾根で動きがちらり。「来た!」声が朝の空気を切る。今やそれは隠れた見張りへの合図。「十五人、徒歩で接近!各自、配置につけ!」
人々は統制された混乱の中で散った。武器を取りに走る者、子供を抱えて洞窟へ急ぐ者。母親は乳児を抱き、年長の子は荷物を運ぶのを手伝う。男たちは防御位置へ急ぎ、女たちは荷物をまとめる。
「今だ」ゴンドが囁き、森に溶けた。




