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第4章
リビングに通されたのは黒色のライダースを着た男だった。男は髭を生やしていてモードな格好だったが、ライダースの上からでも体に筋肉がついていてちぐはぐな印象を与えた。
「遅いぞ」
徹は髭の男に言った。髭の男は徹を横目で見たが無視してソファに座った。全く、と徹は言いながら昭の方に向き直った。
「集まってきた人の名前って知っていますか?」
昭は徹と向き合っていながら黙っている事に居心地が悪くなり、部屋に入る前から気になっていた事を聞く事にした。徹は少し驚いて、そうか、と独りごちた。
「すまない、教えていなかったね。あのパーカーを着ている悪そうな奴が久保学。学は大学まで進学していて頭の切れる奴だ。遅れてきた奴が橋本龍也。昭君と同じようにナーブで銃の扱いに慣れている。今回みたいな仕事にも慣れているから頼りになるよ。どっちも一緒に仕事した事がある。大丈夫、信頼できる奴だ。」
徹は昭の不安を見透かしたようで、子供に言い聞かすように言った。