相対的無価値の神
今回もテンポ悪いけど伏線とか今後の為に必要なものを詰め合わせてるんだ許してくれ。・・・実はちょっとした理由もあるんですが。・・・それは三部作の方で処理しましょう。
次回からは王国潜入編だからテンポ良く書くよ。
治安最悪の街の中で無条件の迫害を受ける青年と青年を助ける物好きの話。
少し間を空けて・・・。
願いを聞いた後の冗談に、呆気に取られて馴れない行為に動揺する。・・・にしては大胆で、戦略がある様に思えた。そんな誘惑をしてでも、巻き込みたいらしい。心意気から真似た時、自分は一歩人間らしくなった気がした。
「誤魔化して大会に出るのも大事だ、古い友の話だが。」
動揺は見せない、というより彼自身があまりこの行為に深い意味を感じはしないが、理由を察して呼応してあげただけであった。
「・・・! 本気かい!? そこまでして死に急がなくて良いだろう!?」
「案外手の打ちようはある、思い付いた・・・いや、未だ不足している。思い立った位だ。」
薄ら笑いは悪意と決意に満ちていた、あれ程迄の強敵は見つけ難い、世界平和とやらを果たされる前に折角だから一度は殴っておきたい。
「愚かや蛮勇は将来的な迷惑でしかない。
だが、勝利を得る上での愚かは価値が違う。」
そして目を向ける。
「・・・元より勝負に引かれるもの、懲りる時は死んだ時だけだ」
「(もう死んでる。)」
苦笑いすら良くないと顔は変えない。そうした後に、次の手を見せた。
「・・・これは彼女を守る戦いだ。呉々も忘れない事にする。自分自身の贖罪の為に、希望と絶望全てを賭ける。」
そして手を握る、相手に何を思わせたか、ゆっくりと考えさせた。その手には信念と約束があった。
「蛮勇と罵るが良い、目にもの見せてやる。」
彼は英雄の様な信頼を向ける事は出来ないだろう、だが、その心意気は希望になるのだ。・・・藁に縋るに等しいと言えばそれまでだ。
「・・・いや、笑いも罵りもしない。驚きは・・・難しいからではなく、挑戦しようという心意気から・・・という事にしてくれ。」
笑顔の彼が告げる。
「君を待ち受けるは無理難題、魑魅魍魎、艱難辛苦だ。・・・一人の少年の身には余る、君がどんな手段を用いたとしてもそれを助けよう。時に教えとして、時に癒しとして。」
手を握るが、力を掛けている事で震えを誤魔化している。
「私が人の、縁切りの一族である限り、君には希望がある。若しくは・・・。」
これは信頼であり、虚勢である。
「だが、君に限りのない祝福と喜びあれ。」
涙を拭った時、次にあったそれは別の意味を持っていた。
「私は君の世に今は行けない。秘匿が私を縛っている。」
優しく、穏やかであった為に早死した君。
「・・・君に幸運を願うよ。」
振り向いて、これ以上は見せない。
君にも幸運あれ。
「さて、今日は何を作ろうか。」
唇の感触が鈍った時、私は私が意識を操作した証明になるのだ。
さて、条約についてに話を移行する。エリニューエスで偽造出来ない分、その準備が必要だ。今更外交に何の意味があるかは気になるが、騙し討ちの準備をしよう。自分の計画には良い、だが腐敗具合がもう少し無いと困る、金銭面は確りと払い、余分に賄賂を送る。
「コウキ・タカハシの身柄を引き換えに終戦とし、講和として全軍の武装解除と王国の土地全てを差し出し、魔術の独占を止め、共有する。・・・目的が見えないな。」
カレンは早期に問題を片付け、デメテルの治療により苦労を終わらせた。あまり仕事関連の話をしたくないと出ていってしまった。
「・・・どうします?」
「ソロモン王の処刑を出来ない様にした、そして彼奴らは国民を全員納得させる技術、技法があった。それらを第一の懸念とする。」
「了解しました。」
「次点で脅威足りうる生物が向こうに出現した可能性だ。空を覆った鳥の様な生物。アレに関しての調査の為にティアマトに接触する。」
「え!?大丈夫なんですか!?」
「煩い黙ってろ食事がみみっちい奴。義理の母が息子を弄ぶ事があっても殺しはせんよ。」
「弄ばれたんですね・・・。」
「魔女・魔術師の席が出来た頃にはいた女だ、魔女
と言われる性格をしているのは確か。一応言っておくと年齢は俺とかなり離れてるんだ。」
「平均年齢低下の原因作ってる人が言っちゃいけませんよそういうのは。」
「文化的に充実させても経済的に充実させても死人は出る、自殺が戦死かどっちが名誉的だ。こういうのは赤と黒って言うんだ。若しくは無色か、だな。」
「まぁ、なんて酷いジョーク。」
「改めてこの星の動きから周囲を割り出した時、この大陸は10%にも満たなかった、平和を作り、防衛を出来る様に整え、未だ姿見えぬ敵を撃退する。その為にユウキの願いを叶える事は出来ない。」
少し間を開けて言った。
「お前の名前は・・・ああ、そうだ、チェルネンコだ。・・・どう思うかは勝手だ、だが、俺は自分の国を守るべくその対価は幾らでも支払う。」
「誰の命であっても?」
「ああ、そうだ。」
「人としてどうかと思いますよ、それ。」
「・・・そうだな、共感されないだろうよ。」
「あ、あと王国から使者が来てましたよ、と言っても期待している奴ではありません。」
本を一冊渡し、話を進めた。
「条約条件で渡されたものが一つ。それに関してざっくり先の話を説明させてもらいます。」
振り返った時間は凡そ昼頃、時差は微妙だが存在し、空腹のせいか直ぐに終わらせたらしい。
「『英雄誕』という魔導書でございます。死んだ人間かつ歴史に影響を齎す程の人物を再現する、そんな本で、また、王城地下に同様の物が凡そ三千点。」
牛皮と羊皮紙、直ぐに駄目になってしまいそうなものだが、魔術により変化を抑えてあるのだ。・・・毒物ではないと確認され、危険物では無い確信出来た。対応したのは蒼髪公、彼は現在、身体調査を行っている。
「此方、私達の持ちうる技術では追い付いていない為に使えませんでしたが『フランシス』なる者の本とか。」
使い方は読むだけと言われ読んでみたがあまり変わった感じはしない、ただ、目を凝らす等の動作はせず、疑うつつも視野は広くした。
「じっくり読まなければ意味がありません。」
向こう側は何かを仕込んでいる可能性もあるが、何かを仕込んでなくとも成功しなかったら不味いと感じている、こんな罠のような行動をしてまで毒を盛る事は無い。影武者だから死んでなんぼとも思い、敢えて駄目な方を選んだ。
「我等の先祖である大魔法士様がお作りになられました。」
・・・という訳だそうだ。
「大魔法士って誰なんです?」
「(多分殺したから黙っとこ。)」
「・・・大した事ないって感じですかねー、それか性格最悪か。」
「後者だな、王国の大虐殺の分だろう。」
一度整理し終えた所に次の話が、と切り出される。
「・・・そして、エルウィン・ジーメンス卿から機密の連絡が届いております。」
エルウィン・ジーメンス、過去に王国の権威を失墜させた人物。先代王を王妃との密約で丁稚上げにより衰退させた人物。帝国以外と組み、帝国を滅ぼさんとする人物。現状最も帝国に損害を与えているという点では、アルトリウスの天敵である。しかし、外交を捨てた国を相手に軍事で圧倒出来ず、その弱さの為に王を復活させるという若干間抜けにも見える人物。現実では教皇に近いが、精霊が宿るという人質の様なシステムは存在していない。
「コウキ・タカハシ様が我々の神である可能性が浮上し、その身柄を譲る事を要求しております。」
その返答を聞くまで、彼は留まるそうだ。
その返答はおいておき、裏で計画・・・つまるところ送るだけ送っておいて奪還する作戦だ。本来は対策としてこちら側が送る筈だが、神様となれば雑に扱えず、無神論国家に委ねる訳にはいかない。此方も新開発兵器用意と対象が不死なので色々投下したい所だ。・・・そして、ヘカテーに契約して黙ってもらっているが、国内に危険な存在もいる、主に狂団だが、魔女も安全とは言えない。婚約や勝利による明確な勝利の証明により手を出させない事は出来るが、ティアマトとデメテルは常に手を取り合う状態で、不可能と言って差し支えない。再生能力はジュデッカ以外にも彼女等の支えあってこそ、国内に対する影響力が凄まじい。ヘカテー、チェルノボグ、デメテル、ティアマトの四人により実質的な不死を実現出来ている。寿命に関しては結局自分の実力だが。
「黄金錆殺しの正体は撃ち落とされた機体じゃないか?だとしたら誰が?」
「ダガンか狂団の二択だな。」
「不運の魔女はどうした。」
「あの銃は剣を渡さなければ実力を発揮しない。」
「・・・ああ、あの奇妙な剣か。」
「呪いの類だから近付けたくはないが、彼女の希望だ、仕方ない。」
「金属を雨雲に含む事が出来るのは相当限られる、金属を蒸発させてそれを雲まで行くのは無理がある。固体の儘混ぜ込んだ・・・と言っても周辺国家にそんな技術は無い。」
「空を飛ぶ技術ですか、逆に撃ち落とす奴が居ない分ダガン位しかいないと。」
「彼奴は俺よりも未来に生きている、ヘンテコ技術の一つや二つ覚えがあるだろ。あと銃で撃ち落とす範囲に接近出来る。」
「暴れん坊標準クソエイマーなイメージありますけどねなんか。」
「元々兵卒じゃないし胸のせいでストックと相性が悪い、チェルもそうだった。」
「・・・あれ、あの人女なんですか?」
「女だな、産まれてからずっと女だ。」
「初めて知りました。」
「知る必要無いからな、兵士の男女とか。扱い変えなきゃ拗ねる奴はさっさと戦場に出して殺せって奴だ。軍事は解雇が簡単なのが良いとこだよな。」
コストが高くなければ・・・の話だが。
「・・・それはそれとして、英雄誕の効果は実際どう?」
「視界もそうだが動体視力も高い。目の端まで反応する。あと若干ダガンがどこにいるか分かるらしい。」
「体温を下げる際の熱が原因らしいから余っ程目が良いと見えるんですねぇ。」
「天与の剣が本人はダメージを受けない事に繋がる一方でその周囲まで影響を与える。・・・まぁ、仮説だが。」
「結論的に言えば催眠術みたいな様々な技術の複合って感じ?」
「そうだな、その穴を一個一個つつかなきゃ見えないだろう。」
「アルトリウスさんは?」
「触って全部確認しました・・・。」
「一回ビンタしていいですかね?同じ女として守るべきものを感じるので。」
「やめてください本人にやっていいって言われたんすよ・・・。」
「ならいいや。」
「アレが本当に神か?の話に戻そう。」
「はい分かりました。」
「チェルノボグが一回来るだろうから会ったらここに呼んでおいてくれ、多分今頃菓子位は求めている。」
そして彼女が出ていった時、少し悩み事があった。ユウキに関してで、今回の処置がユウキの周囲にいる人物が脅威だからという理由にある。・・・コウキが護衛としては不死という唯一無二の特性があり、災害と手を取る関係である事は良いとは見られないだろう。
「・・・ユウキは神の不在を証明出来てしまう。偶像を築き上げる為にあの不死の存在、神秘的存在を利用し、中央十字支持国の連合軍を形成、聖戦に仕立て上げる事でこの国を滅ぼす。・・・。」
同時攻撃の予兆は既に始まっていた、だからこそ破壊行動による文明停滞化と一気に進行する事で前線を維持出来なくした。・・・口実が出来て、下っ端が最低限でも団結した場合、大規模な被害は避けられない。
「アレを殺せば、講和と国際的地位、連合軍の形成に。殺さなくても聖戦で殲滅、放置すれば戦争継続。」
ジーメンスは既に爆弾を仕掛けていた、彼をどうした所で結果は変わらない、やはり有能な将を刈り取るべきとなり、特にソロモン、そしてエリニューエスはどの様な立場、存在であれ、あの力があるというだけで極論処刑の必要がある。
「勝算はあるか?」
「失業者の多い海岸、山の頂上を拠点とする集団を確保、トゥグリル家は絶対だ、北部王とメルリウスはそっちに行かせる。この大陸と国が維持出来る訳がない。だが、タカハシに関してはコウキとユウキを巻き込む訳にはいかない。・・・英雄誕の研究を信頼出来る数人に任せる。」
「そちらの布陣はお任せください、貴方には皇帝直々に王国攻略を行なえと命令が下っております故。」
「感謝する。」
皇帝の判断は自身に託された、手段は問わず結果として王国を滅ぼせという命令、その為に用意された第一陣十万人、兵士のコストで見れば相当の量であり、今迄の財政黒字は半分も使われる事になるのだ。二十軍団を組み侵攻・築城のローテーションで進める。その中で彼は築城というより修繕のマニュアル化、近年の事例からマニュアル訂正、現場指導の変更を予め想定しておき、段階的な責任を取り決める。
「ユウキの護衛とコウキの護衛どちらが優先課題か・・・。」
「・・・あら、アルトリウス。どうしたの?」
「デメテルか、コウキは計画の本命として、ユウキは計画の偽装要員となっているが偽装の対象が広い、名誉で見ればユウキの被害が重いがコウキの喪失の方が痛手な訳だ。俺個人、役目抜きの私情はユウキの救助優先、その中でどちらを選択すべきか・・・。」
「んー・・・、そうね、疲れているから寝なさい。少し身体の修復・・・大質量とやら、相当負担だった様だし。」
「・・・そうするか。」
「背、また伸びた? 膝の位置と上手く合わないのだけど・・・。」
「・・・そんな事は無いさ。」
事ある毎に触れる、そして組む、彼女の動きは縋る様で、残忍が記憶を呼び覚ます。しかし慣れたものだ、彼女は他人の温度を五感の中で最も重要視している、熱、代謝、言い換えれば死にゆくエネルギーこそ豊穣の本質である、栄枯盛衰は温度こそ最も説明し易く、それを基軸とした豊穣学こそ彼女の本質である。ティアマトとの子、その為に目や耳を見えなくしてでも子の安全を望む。・・・彼女は見ていない、だからこそ、この行動が現れている。
「・・・私は、コウキの手を取るわ、母は最後の砦、貴方一人でも支える為、最良の選択をするわ。」
「・・・ああ、そうか。」
後でエグジリを呼ぼう、彼に今回の参謀を勤めさせる、計画は定まった、腹は決まった。
今回の計画はコウキを主軸に置く事を決定され、以外ながらも戦力として使える事をアピール、・・・しかし、一度人質として送り、その際に襲撃し、解放する必要があるのだ、それに関しては今は決めないでおこう。
ロタールは語った、研究成果について一人確かになった事、学者の中では重要人物のエマの分析から求めたものだ。
「産まぬ人間は進化する、精神面においてだ。」
これに関しては元々あったもので、アスタルトも否定していない。彼女の場合情報が多過ぎる為この様に搾らないと情報が見つからない。・・・世のテクスチャやシェーダー、物理現象がもし文字として全てが反映された場合・・・という感じに彼女の目には写る。他人の記憶を介し、同じ物を見つけ、漸く何か理解出来る。・・・好奇心の末に相応しいかと問われたらあまり良いとは言えないものであった。
「殺す為に開発された兵器と言っても過言ではない。だから本人が殺す様に認識を変える。」
内容次第であれば戦争に登用するだけでカバー出来るが、と言った。
「霊的継承の実績で判断される、そして殺してしまう様に段々認識を歪めちまう。」
過去に敵対し、殺し合ったかのように言った。事実、災害を前に戦い続けたのだから、彼はその経験が、そして助けられなかった人々を哀れみ、煙草を直ぐに二本目にした。
「・・・継承した奴には適用されないが。」
経験を口にしたものを良いと思えず、直ぐに本質を向ける。
「コウキの場合はな、世界がより美しく
見える様になる、その様な進化をしているらしい。
その感覚は記憶として持ち越せる。」
煙草を灰皿に擦り付ける、そして目を見せずに言う。・・・抹殺対象は、定まってしまった。そして計画を練り直す必要があると考えた。
一週間後、コウキの奪還を終了させる・・・それまでコウキは気絶している事もあり、この身体はスタン、骨折、握力の弱い点が目立つ様になって来た。
人格というものが何から形成されているのかや、記憶の区分が分からないせいで上手く説明出来ないが、彼女は未だ起きない。
その結果、目を覚ました頃には変な人間に出会った。
「やぁやぁ、君は誰だっけか・・・連絡にあった気がするが・・・そうだ、コウキだコウキ。・・・良い肉体美だ、私も欲しいくらい。」
化粧一つない、大人な女かと問われたら淫美が無い、子供の図体を大人にしてやっただけの女だ。・・・具体的に例えればチェルノボグと見た目に差がない。情報の流通に欠ける為にファッションというものがないのだろう。
「・・・私は工廠公の妻、魔女と仲が悪く争ってるから頑張って逃げているのさ。」
そして自己紹介を続ける。
「名前はエマ、性別は女、年齢は127、スリーサイズは上から92、67、87。ボンキュッボンのナイスバディ、揉むもよし撫でるもよし、魔女にクソビッチ呼ばわりされる恨まれる女さ。友好の証に触っても良いよ?」
「(記憶に残ったらバレるが大丈夫かこれ。)」
先のエマと同一人物である、王国内にいる理由は不明だが。それに関して推測しつつも、話を聞き逃さない様に悩みつつも耳を傾ける。
若干ビッチな気がするガサツさがある、特に服の中、どうせ脱ぐからとチャックが締まり切っていない。布がしがみついているという表現が一番近い。
「反応が良い、やっぱり君はどっちかと言えば鍛えた人間の方が好きなんだねぇ。私が惹かれる訳だよ。」
体重の方向が一気に崩れたが、それを保っている事に信頼を置きつつも、背中に当たる手の感触が対処法を示していた。
「それで、だ。私と浮気をして、ついでに王国を滅ぼそうじゃないか!・・・どうだい?」
「(そっちの方が優先順位高いのか。)」
あまり良い事では無いと把握していた為、同意し難い、言い方を変えて欲しいと思いつつも本気では無い、お遊びに過ぎないと理解し、抑えろと言いつつ同意した。
暫く話し合い、過ごしていた。その中で彼女が唐突に契約に関してを切り出す。
「契約条件にも、私にも必要な事だ、少し脊髄の辺り、首でも良い、注射で少し調べたいものがあるんだ。明日の朝にまでは成果を出しておく。・・・うーん、今日は寝よっか? 一緒の寝床だから抱き合って寝る事になるけど。・・・あと傷口も治しておかないと。」
そして、罪悪感に負けた様な一言を漏らす。
「・・・なんせ、別に君は不死じゃなくなるんだ。」
一言の違和感と共に全ては拭いさられる。相手への拳は一度しか届かぬ、避けず、受けた、昏倒を狙ったものが当たったと思ったが、誓いに反してでも殺しておけばよかった、こんな事を一人でする筈が無いのだから。
この世界では、百歳も所詮大した事は無いのだ。記憶の重なる度に量が為に意識は薄れ、無価値とすら思ってしまうのであろう。
・・・殴る事は無かった、止める為に手段を選べない、自分の横暴に落胆し、過去を思い出す。
初代アルバート・アイアンサイド
襲名制アルバート・アイアンサイドの一人、浪漫と蹂躙を掲げる中年に届かない程度の青年。シャーマンとは宇宙関連で仲良くなり、宇宙軍設立の第一人者。スパゲッティ型ロケットという理論上障害物にぶつかりにくい構造を開発し宇宙を開拓、希少な新金属をふんだんに使い三角の宇宙船『ラムセス』を建造、物流を担いつつコロニーを作り、人類を選別した。彼の持つ飛行要塞カリフォルニアは、アメリカの国土を維持するべくアメリカの上空に第二の陸地を建造、それを改造したものであり、北アメリカ大陸のサイズと一致する。移民問題を無に返した功績を持つ。
神崎銓
神崎家二十四代目の三兄弟が一人、次男坊。早くの内に命を落としたが、原因は分からない。
兄は鍍、弟に鏡、父は鐡、母は鋓。穏やかで調停役でもあった、田舎を平穏にし、優しさと誠実さ、そして甘さを他に与えていた。
神崎家としては異端で、ボディーラインを隠す洋服を着ているが、邪推が向けられる事は無い。
恋愛感情を持っていると勘違いされるが、実際は全員に平等に興味を持っているだけで、ある種神様的存在である。コウキには敵意と好意を同時に向けており、警告というワードが一番近い。
現在は所在不明の『要項炉』を扱っており、ある意味ではコウキを最も理解している存在。
人を守る使命にはそれなりの深淵がある。信念と深淵は繋がっているものだ。
・・・彼は、身体無き者。
与えよ、そして、奪え。その均衡を作ることでし漸く人になる。・・・身も心も、人に戻れるのだ。
冒頭のシーンは後々明かします。・・・と言ってもコウキの契約内容を開示しないだけですが。内容としては未登場のある人物を救出(四部以降で取り扱う)、自身の境遇を説明・・・位の予定。
神崎銓はベースが男なのですが本来細マッチョで行こうと絵のデザイン考えたけど途中から物足りなくて脱ぐとヤバい系むちむちになりました。・・・あれこれ既視感あるな。という事で私の親友からのありがたいお言葉です。
『女装ガチ勢は体型維持に気を遣うんじゃなくて一回太って皮を使って大人を演じる。早熟の美しさは衝動的なものに過ぎない。』
との事です。別小説のあの人です。
僕は筋肉あっても良いと思います。男女問わず。
エマさんは悪い人ではありません、と言うより中立的な部類です。でも渾名は『烈女』。
(チェルノボグの銃の弾速どうやっても足りねー。)
チェルノボグの正確な設定は母親(産んだ側)はティアマト、混ぜた遺伝子がデメテルという感じです。兄弟も居ますが今は放置、名前だけ言っておくとヘクトールとパリス、モデルはトロイアの英雄です。
コウキは型のベースとして歌舞伎や能を参考にしているのでちょいちょい変な行動をします。
アルトリウスは諸事情により嘘をついていますが帝国内での年齢は設定上だと
アルトリウス 1679年
ハドリアヌス 1700年頃
ダガン 1800年頃
ティアマト 1919年?
デメテル 1914年?
アラン 1990年?
コウキ 2000年?
となっております。
嘘やそうする理由、書類上の死等の理由で文章中の言葉では誤魔化されている場合があるので最終的にはこうなると考えてください。特にアルトリウスは設定上"あまり"変更出来ないのでこうなってます。