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継承物語  作者: 伊阪 証
ループマン・ウォーキング

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43/74

生と死

人口の確認は連絡が取れるかどうか、言語が話せずカウントされていない場合もある。冷凍保存はカウントされない。それを含めると一万人弱はいるとされている。

ここは名前が変わる前に国際機関がぶっ壊れたインドだ。ややこしいからインドだ。インド人はそう多くない、中東から逃げた人員も多い。だが、権力者は据え置きだ。

「・・・成程、そうか。」

連絡を受けたカルナは準備をし、港に向かう。インドの海岸はほぼ沈み、内陸部に都市を利用して作られた都市である。

千人の街、僅かな人間しか見えない、だが、貧しいと言える要素は無く、保管庫の食料がある、機械等も残っており、当分は問題無い。

「・・・災害、群れる渇望か。」

無縁な話だった、死んで解体されたと聞いたが、その程度で死ぬ事は無かったのだろう。

早速だが、状況はかなり悪い。

吊るされたるは悪意の玉座、その死体。

・・・リーツィア・タカハシの死体だ。

「その縄を解けよ。」

「安全を約束しろ。」

群れる渇望を発動する寸前、千人程度なら一瞬で飲み込む、その状況である。

ジッと向こうは此方を観察する、察したかの様な目をしたが、自分は

「悪意の玉座の防御は薄い、そしてそいつは人に手を出さない。」

と伝えると部下に指示を出す。

「嘘は言っていないか・・・解け、その箇所も治しておくように。」

手早く全て済まされた、あっさりし過ぎて肩透かしを食らった。そして自分は彼女の遺体を背負い、ベルトで縛る。

「・・・災害だから一応警戒しただけだ。実力故に捻じ伏せれる、だがパブロが居るから話が別なだけだ。」

そして続け、槍を置く。

「非を詫びる、お前にとってアレは大事な者だと分かる。・・・あの人間を失って、災害となったのか。」

後ろの人物は言った、未だ青年だろう、だが、落ち着いて言う。

「カルナが言うなら言う事はないさ。」

手を挙げて申し訳程度に・・・。

「私が王だ、一応のな。」

「だが、資源も有限だ。何か提示しろ。流石にゼロではいかん。」

向き直して言う。

そしたら直ぐ様答えを出した。

「アルトリウスとこれから戦う、私の死体でどうだ。」

「それだった場合こちらも余分に用意しなければな。」

「釣りはいらんよ。」

「ならスエズのパスだ。喜望峰ルートで行くつもりだったろう?」

「おぉ!それは純粋にありがたい。」

彼はコウキに方向を切り替えて近寄り、物を言う。

「・・・次会う頃には敵だろう、お前はそれ程の実力者だ。・・・力に見込まれた人格者故、殺す必要は無さそうだが。」

自由気儘、同時に正義感と流儀があり、それが原因で苦しめるのを是としない。

「お前はアルトリウスの危険性を、そして悲惨さを理解していない、いや、知る機会すらなかった可能性もある。」

鬼気迫る表情ではなかった、妙に落ち着き、顔色一つ変えやしない。だが、誠実さも得体が知れない程ある。

「この死体を蘇生させる方法は存在する、一つは弱体化した死の神格を助け取引する。もう一つは再現する、もう一つは魔女の枠に押し込める何かを与える。」

喜ぶつもりで聞いていなかったが、割と現実的な案だった。しかし、忠告をされる。

「だが、どれもお前の望む再誕は与えられないだろう。」

だだっ広い王宮の空白は足音を引き立てる。そして、緊張を授ける。緊迫と、失望だ。

「死の記憶が分割されるのは、意志がもたないからだ、それかとっくに狂気に染まったか、別の人間が予め受け止める様してあるか。・・・それでも難しいが。」

彼は死を語った、多くの死をこの地で見た。死体と生者の違いが分からない時がある程に。

「心は一つだ、混ざり合うのも、思考が合わないのも枷になる。死んだ奴と生きた奴の心はどちらが強いんだ?と考えてみれば分かる。」

一言、重圧を加えて添えた。

「自殺を心の弱さと言えるのは自殺を経験した事の無い人間の戯言だ。」

助け方を間違えた、そう言っても過言では無い。リーツィアと自分は薄氷を重ねた上で立っている。愛情と愛情、それはあくまで信頼と温情を重ねて成立したものだ。相互的に成立したものではない。

「彼女はまた犠牲になるだろう。彼女はまた苦しむだろう。」

それが、彼女の自己肯定であるが為に。

「その上で、この少女を助けたいのなら、試すと良いさ。彼女は生きるのに相性が悪い。その上非力なのに災害となった。弔うなら、此方でやっておく。国がある限り守ると約束する。生かすか、死なすか。その選択肢はお前にやる。」

その言の刃は、自分を苦しめる。

「さぁ、どうする?」

そう問われた時、一瞬程度は答えなかったが、確りと言った。

「彼女が生きる事を望むかどうか、俺に理解出来る筈も無い。アイツはそれでも笑ってくれるって信じてるさ。」

コウキとリーツィアは、信頼関係を未だ相互的に出来ていない、互いが一方的な信頼関係を結んでいるのだ。

その維持は難しい、何かが原因でパッと崩れてしまうものだ。しかし、彼の一言は有り得ないものだった。その関係性において相手へ頼るのは有り得ないのだ。らしからぬ言葉に何を思った、少なくとも、自分への衝撃だ。自分の彼女への愛で辿り着いた団欒を、彼は見た。

「・・・そうか。」

カルナは目を覆った、相手に向き合うのを止め、体を背ける。

「・・・そうだな、そういう奴だから力を託されたんだな。」

コウキはベルトの調整をし、返事もしない彼女に声を掛ける。

「リーツィア、しっかり掴めよ。」

自分の近くなら腐るペースは遅い、せめて自分に寄せ、触れて、必要あらば治す。

「・・・群れる渇望、か。」

死んだ身体が、表情が僅かに動く。幻覚の様に。

「酷く・・・美しいものを見た。」

そして手を顔から外し、強烈な目線で話を続ける。

「力は金を越える存在だ。」

柔和な顔にして、経緯を話す。

「最初はパブロの依頼で受けた、挑発する予定だったが万全の体制は怒りの時では無いと判断して安堵した状態にした。」

本来の目的、それを掲示した。

「恩返しをしたくば、俺と戦え。」

一振の槍、それに何か特別な装飾は存在しない、だが分かる。それは隕鉄だ。隕鉄は過去、金よりも希少であった。故に金で飾られた鉄の武器は儀礼に多く用いられた。鉄は惑星の構成時に下に沈む傾向がある、その為文明初期はそれをどうしても発掘出来ない、それ故に希少だった。

「フィジカルはマノンですら身に付ける基礎中の基礎だ、遅くやっておく、見逃すなよ。」

荒廃した、同時に活気のある建物群、そこに無人のスタジアム、天井が崩れ落ち、誰も住まない場所があった。倒壊まで猶予は無いと言われる場所でもある。



対カルナ訓練、もしもの場合はパブロが止める、棒と槍、師弟関係では無いが良き友人ではあった。

視界が揺らぐ、相手の部位、その座標がおかしい。視界が信用ならない、音が異様で、妖光の幻覚を見た。

「『輝ける七つの海』」

「災害としての技能か、質量の類いであれば対処は容易くなる、広範囲攻撃が主体の災害という枠組みでその行為は命取りだぞ。」

質量はエネルギーにおいて重要だ、特に発揮が星の近くに存在するというだけで発揮される重力はお手軽な火力装置となる。

「・・・!」

「四肢とは最も脆弱かつ奪取が有効な場所だ。取られる前提か、取られない様にするか、その二択にしておけ。骨折したら治すのにも邪魔、脱臼の方ならまだマシだ。即座に治せる。」

群れる渇望は槍を素通りする、傷を即座に修復していた、自動的にそれは行われたのだが、同時に切られた事を忘れていた。

「ボクシング、それは相手との徹底的なタイマンバトル、武道とは大きく違う。武道は相手への怪我をさせない側面がある、それは理解しているだろう。」

槍を時々片手で伸ばし、本来盾を持つべき手で相手を殴り、押し飛ばす。

「ボクシングは自分の守りを忘れない、初歩的で最適なスポーツだ。だが、相手の怪我を防ぐのはレフェリーの役割だ。」

蹴りはどちらかが地面に接した押し出しと遠心力か、飛び上がる急所狙い、遠心力と推進力を用いた攻撃であった。突きか払いか、前者は防御が難しいが二撃に猶予がある。しかし後者は防ぎ易く猶予が無い。

「そして、最も実戦に近い。」

それを混ぜ合わせた、所謂ライダーキック。基礎を極め、アルトリウスやパブロの荒々しさが無い。純粋に極めた実力が襲いに来るのだ。

僅かな回転と、斜めに刺さる一撃。心臓を狙った、群れる渇望を追い込む一撃。

歪み、窪み、そして剣戟がカルナの肩に向かう。

「・・・素晴らしい剣だな、寸止めでやったが斬れ味・・・いや、エントロピーが存在しないのか。」

倶利伽羅剣の持ち手に手を寄せ、回避を誘発し、二度目を振るう。

「・・・凄まじい剣だな。」

その剣は異様に重い、本来有り得ない位置に持っていくので当然だ。重力の対象外、離せばそのまま浮いている。遠心力で振るのが最低ラインだ。

一定以上の体積を持つ物質が相手である限り切断を可能とする剣。

口から銀色の玉を大量に吐き出し、相手にぶつけ、剣の持ち方を緩める。

「誘導か!!」

一方観客席。

「ぎゃああああ!!!!耳がああああ!!!!」

ネオジム磁石の影響があまりにも大きかった。元々反発を生かした射出装置や散弾を予定していた為、範囲が広い、その結果こうなった。

「せめて謝っとけ。」

「ごめんねお姉ちゃん。(闘)」

「ゆるさん。」

「ダメだった。」

「ダメだったかぁ。技としては完成度高いしカスタム性もある。機械と相性悪いのが悔やまれるが逆に機械特効でもある。」

着地点として近接であれば気付かれるが、銃弾の弾道等は誤認させられる。ほぼ直線のそれに横方向の変化やズレがある事は強みだ。

「な、お前の思った通りだ。」

カルナは既に銃を引き抜き、眉間、心臓、胃、盲腸、腱、大臀筋と撃ち抜いていた。

「磁石を二つ掴んでおいた。セラミック製のピストル、銃弾は金属だから反応する、金属探知機にも引っ掛る。そして反発と吸着を回す事で連射を実現した。セーフティ等の凹みがあるからそういう荒業が出来るのさ。」

精度のブレがある、それを考えてもほぼ確実に仕留めるつもりで撃っている、完璧な射撃技術だ。

流血は磁石を目掛け、位置を変える。

すると片方を反発させ、血を砕き、波紋と散らした。

「自分もそうだが、お前はかなり密度が高い、足の踏み込みの重さは特にだ。だから血が磁力の影響を大いに受ける。」

「『指弾』」

相手の心臓に、超高速回転をする鉄の弾を撃ち込んだ。

「ランダム性が高い、それは事実だ。しかし逆に触れる、動かす、それを起こすだけで磁石は整う。統一され、方向性が生まれる。時間経過でも回転して同様の現象が起きるが、するまでも無かった。」

鉄を引き寄せる磁石の群れは、均衡し、回転を起こす。

指弾の次の段階だ、生物と金属、材料は揃った。

「『嘘八百(ライ-フル)』」

極小の生物群を生成し、行使する。そしてこれは弾丸の様に水を求め一箇所に集まろうとする。

これはカンの技である、仕組みは違うが、陰湿さに変わりは無い。

それを一度に落とす槍の風切りがした。

観客席で彼女は言った。目を疑ったのだ。それよりも先にイヤホンを突っ込んで調律する彼女が言う。

「奴は百人で一人だ。」

「・・・どういうこと?」

「一部族の名前がどうして彼にだけ使われるか、そりゃ単純だ。あれ一人で一部族、一人だが百人を圧縮した、並列で思考し、並列に結果を及ぼす。百人が同時に別の命令を受けて行動する。それが一点に集中すれば凄まじい威力になる、ズラして起こせば広範囲になる。百回分命が存在する化け物さ。一回殺せば弱くはなるが。」

質量と体積だけにエラーが存在する、そんな身体。

「ついでに百人だがアスリートの上澄みみたいな連中しかいないぞ。弱点は全部奴がカバーしている。部族特有の遺伝病だったが使いこなせたのは奴だけ・・・って事だ。」

シャム双生児が一人で収まる様になった、命を踏み潰した最強。百人の未来を潰した究極の一。効率的で望ましい、裏さえ知らなければ最良の存在。

故に彼は己に自問自答を繰り返す。

そして本来忌むべき子は実力を以て越え、英雄となった。災害に英雄となる実力があるか、彼はそう問うのだ。

カルナは話し出す。

「人は死を忌避した。その力はお前が相手に生きていて欲しいと願ったから生まれたのさ。」

範囲を先と同じ様に変えた。

「殺してしまった誰かに触れた時、彼女は不死となった。」

血肉を抉り取ったあの日、倒れた彼女は生きていた。贖罪として自分は彼女を守ると決めた。その幸運を手放さない様に努力した。

「人は大多数が生きていて欲しい事を願う・・・死が当たり前でない所ではそうでもないかもしれないが。人は生に縋り、死を越える努力をした。」

戦いを続ける中で、それを聞いた。これも実戦的な訓練だ、カルナが個人的にしておきたい話であった。コウキという人間が、ハイにならないと理解して、普段よりも聞ける状況だと判断して話していた。

「それを叶えた、死んで欲しくないという願いが拡散し、継承を齎した。」

コウキの感情は、陰謀に利用された。それを彼は知っていた。

「お前がお前であり、人が当たり前に願い続ける限りその継承は進化する。それが群れる渇望の影響だ。」

強い力で押された時、自分は迷いから足元を零す。

「止める方法も理由も無い、残酷に利用されようと人類はどうせどうあっても利用する、解消しようとしてもそれは所詮悪足掻きだ。」

失意を起こす言葉を聞いて、しかし手を緩めず、逆に叩き込む。

「その力は数々の願いによって襲われる、人はお前が願う為に苦しめる。お前がそうして欲しいと願うまで痛めつける。」

凶槍を突き付け、処刑前かのように聞いた。

「お前はそれでも人類を選ぶか?」

バックステップで離れると、迫らずに添えた。

「これは今悩むべき事では無い、だが、いずれ向き合うべき命題だ。」

目を細め、アドバイスを続ける。

「複数の人格は、向き合うべき相手だ。」

カルナの魂は零落した、生命が在るべき形を失い、変化する。そして、青と紫、白が露出する。

最初の死者、カルナ=ヤマ。

カルナとは、一部族の名である。死と生の狭間を生きる存在だ。故に、死者として表に立てる。生者として冥府に立てる。ダンテの様に生きた、故に聡明な人間だった。

「お前も、俺も、生死を超越した存在だ。誰よりも早く、そして今後生きる人間の中で唯一死後を知れる存在だと言える。」

黄泉の冷気と、地獄の熱気。原子の固定と暴走を座標別に繰り返す空間が押し寄せる。

動けるのに、途中で止まる。冷たいのに、火はそこにある。縛られそして燃やされ、凍て付く。

「身体、技術、精神。どれも未熟だ。お前はこの後それに向き合わなければいけない。お前と、お前の友がした事。そして、お前という災害が気楽に生きる、その平穏を勝ち取る為に。それ以外の選択肢は死以外に存在しない。」

フィールドを生に戻し、火と氷を帳消しにする。

「絶対強者とされる五人、アルトリウス、カルナ、私、マノン、ハルノブ。」

時間、破壊、滅却、数量、因果。人間が最も恐れるその諸悪だ。

時間を捻じ曲げるアルトリウス、物質で出来ている限り影響を受けるパブロ、運が悪ければ神罰として相手の記録全てを滅却するマノン、質に加え量を有しよって対国家最強でもあるカルナ、因果を確定させ剣一つが決殺となるハルノブ。

「・・・これが格の違いだ、絶望的だろう?」

スタジアムの瓦礫塗れな観客席から野次が飛ぶ。うちの部下怪我させたら相応の対価は取る、との事だ。

「まぁいい、満足だ。・・・ネーデルラントにお前の戦力となるものが存在する、寄っておけ。」

これにてインドの話は終わり、彼等はエジプトに向かった。

「やはりオセアニアを壊滅させておいて正解だったか。『災害の素材』が大量に居ると聞いたが、群れる渇望のこの感じ、災害より凄まじい代物が誕生したかもしれん。」

カルナは槍を納め、スタジアムを去る。彼はこの国を守るべく働き続けるのだ。



クルーザーに戻り、ブリッジで話す。

「USBメモリーだ、CDよりも食べ易いのが良いな。」

と言って飲み込んだ。それそういうもんじゃねぇから。

「律儀だからこの手のデータがあると思ってな。貰った。」

だからと言って食いはしねぇよ。

「USBケツに突っ込んで隠すエロゲとあんま変わらんだろ。」

「なんだそのアメリカ映画みたいな話。」

「USB型エ〇マグラ突っ込んで隠すやつ。」

「普通にUSBに紐付けて突っ込んだ方が早くね?あ〇まん民なら2TB分は突っ込めるぞ。」

「家畜用ケツ電気棒突っ込みたがる連中の話はやめろ。」

と言っている内にPC側のコピーを確認する。その中では音楽以外にも遺言じみたものもあった。

「何だこのASMRって奴。」

「ああ、カスみたいな嘘流し込んでくる奴。」

「お前のASMRに対する偏見どうなってんだ。」

「存在しない記憶とカスみたいな嘘をイコールで繋ぐな。」

一通り聞いた三人の感想は・・・。

「・・・カルナの名誉の為にこの内容は口外しないでおこうか。」

「・・・うん。」

「・・・ああ。」

お目当てがあった、それを示される。

「このサイケデリック・ロックだ。自分が一番欲しいもの、ジャンル別で色々効果があるがコイツは内臓へのダメージを付与出来る。やりたくはないがアルトリウス相手ならそうも言ってられねぇ。」

パブロの隠し武器、アルトリウス相手に使わなかった切り札。彼との戦闘は基本的に彼の失敗と試行回数をどれだけ誤認させられるかに掛かっている。



エジプトにて、パブロは戦力として彼女に声を掛けた。・・・マノン・デュ・バリー。カルナは別の計画があり無理だったが、彼女は予定がら空き、農作業を楽しんで今日も10ha位畑を耕しているだろう。

「アルトリウス・・・ね。」

ナイル川の音よりも小さく、返事をした。

「拒否する、絶対に受け付けない。」

流れが激しくなっているナイル川と大雨をものともせず彼女は言った。

「酷い事はしたくないの、良い?」

無理だ、これ以上、彼女との会話は進行しない。

「結構だ。分かった。」

高らかに宣言するは・・・。

「次会ったら殺す。」

殺害の予告であった。

マノンの言葉なぞ知った事では無い、不愉快だった。人望でさえ負け、コウキの所へ戻り、文句を垂れようと気分を悪くした。



レイチェル・タカハシの技の中に『赤いニシン』というものがある。偽の事柄で本来の事実を覆い隠す、所謂誘導だ。

ヘカテーも同様の技を使う事が一応は可能だ。

ハドリアヌスは、何故ハドリアヌスなのだ。

「『エピタフ』」

墓標を浮かせ、死を読む。

ヘカテーは探し出す。そこに何かがあると信じて。

タカハシ一家の死に場所。

そこは一度の処刑の為に用意された。

刃物で固定、それを鎖で離れない様に縛る。そして毒を塗った機関銃で殺す。

『ごめんね、記憶は消しておくから。』

「大丈夫、私は見ないといけない。」

『・・・そう。』

タカハシ、その血を忌む風習は僅かだった。グローバル化がそれを組織化、破滅した。

実際はタカハシへの懸念こそあれ、殺すのは気が引ける、先ず必要性は無いと言うのが九割九分であった。

人間は統計的に見た時、これ以上無い邪悪となる。

人間は実際に見た時、ここまで素晴らしい生物は他に見ない。だが、半数以上はその例外となる。

善は脆く少ない、そして悪は極端である。彼はそれを語っていた。

相手の顔を見て覚え、そして災害になるかどうかを検証する。災害の対象、それがどうも不明だったのだ。

『・・・やっぱり書いてある。』

「誰が?」

『アルトリウスが倒した災害の本名だよ。』

殺し損ねたとして追い続け、災害にどこかしらでなった、そう予想した。・・・引っ掛かるが、最低限脅威となる存在、問答無用で襲いかかってくるであろう連中。優先して殺すべきだと判断した。

ストーリー的に重要な二つと単純なお気に入り。

『輝ける七つの海(タンブリング-パンサラッサ)』

『七つの海を越えて(タンブリング-パンゲア)』

『嘘八百(ライ-フル)』

ちょっと字数調整中。

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