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継承物語  作者: 伊阪 証
王国騒乱

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27/74

アイドリズム・ファンタジー 下

統計上の神は語る。

さて、準備は整った。

英雄の心意気は定まった。

これで準備は整った、秩序を戻し、平穏を維持する為の装置が。



アスタルトには全ての戦況が見えている。

アルトリウス、コウキ二人、ロタール、ダガン、メルリウス、彗星、チェルノボグ、アスタルト、エリニューエス。

護衛対象はユウキ、エマ、その他捕虜と保護対象。

どれか一つでも失えば痛手、バカ数人が先走って出ていった事が原因である。

「嫌になる・・・。」

気分は悪い、立つにも苦労する。頭を回そうと、物理的に触ろうとした所で血液は流転しない。

西部王は撤退し、落下物の対策と資源の回収を行い、補給を打ち切る。

「防衛線を無くせば帰投援護兵の編成だけで済むけど・・・。」

生存率を割り出すとかなり低い、敵戦力以外の要素が多く、向こうは耐久戦をするだけで終了出来る。

「打つ手なし、情報伝達は無理。」

・・・と、少し間が空く。

「ハドリアヌス?」

「済まないな、パプリカ令嬢。」

「辞めてもらえる、そのパロディ名称。」

「・・・嫌だったか。」

「母との情事に私を巻き込まないで。」

王国は分離して帝国になった。その王族が一人ハドリアヌスは魔術を継承されず、夢魔の類が通じない程頑強な精神が為に魔術を使えなかった。血を混ぜる以外では魔術の継承をする術がなく、誰も協力はしなかった。

目障りな次男、それが彼の仇名であった。しかし、彼にはルナに近い存在、そのパプリカ令嬢とやら。大公の娘が居たのだ。中央十字先代と大公位を握っていたカステレード家のテオドール=フォン=ザクセン。将軍位数人はここの出身で、王位を手に入れるべくハドリアヌスに手を出したのだ。

その為に娘が数人、性格が彼に最適な存在になるまで作り直した。レティシア=フォン=ザクセンである。教育係が全く違う国の賢者とされ、彼が最初にSF小説から抜粋しパプリカ令嬢と呼んだのだ。

心や動きを見透かす様に、彼女は先を見せる。時に人は魔女と恐れ、しかし本人は人の良さや愛想があり、大半の人物はそう見なかった。

・・・アスタルトに継承されているという事は・・・そういう事だ。彼女は現実の分析は出来るが、僅かながらの欠陥がある。彼女の母が封じたものである、自分の分析と私の分析だ。

彼女は母の子ではないと知る事は無い、読む事は出来ないのだ。自分は隠さざるを得なかった。

・・・まぁ、それは良いとして。

「工廠公、どうした。」

「新しい衣服ですよ、誤魔化し友達・・・って所ですかね。」

「アルトリウスの様な奴はそうそう居ないからな。信用出来ない奴が居れば直ぐに消す。」

「隠さなくても良いとは思うけどね〜でも、アスタルトは敵になるかぁ。」

「不都合の為に我儘を言って済まないな。」

「ええ、分かってますよ。『世界初の女帝』ハドリアヌス陛下。」

「エマとは順調か?」

「男引っ掛けて来てくれりゃ有難いんですけどね。女装とかメタモルフォーゼとか出来るのなら高評価。」

「それは良かった。」

と、他に一人、例外があった。最優の将にして人望の王、この国を統率出来る理由である・・・彼だ。

「・・・アルトリウス、その資料を全て燃やしておけ。」

「分かっているさ。」

最初に命じたのはメディア系統の破壊であった、彼女の遺体はアスタルトの範疇外、そこに資料は仕込まれている。

「・・・どの男を選ぶべきか、自分の様な危険な禍根は残すべきではない。エリニューエスの回収、資料の抹消後、自分達は表舞台で生きるべきではないだろう。」

その時に現れたのがコウキ・・・彼女の知見的には男だと思ったが産まぬ人間は文字通り生殖器が丸ごと無かった。・・・しかし追加でクローンのコウキを連れて来たのだ。

「カバーストーリーがあれば誤魔化せる質か?」

という発想もあった、だが、古い友に申し訳ない。彼の死体を利用する様なものだ。

「そのクローン技術とやらの獲得を暗に命じるか。」

隠す事は必ずしも罪ではない、しかし、時に罪悪感を誘うものである。・・・さて、合法的に、尚且つ向こうから出向く様に仕組みにはどうするべきか・・・。



戦意は無い、しかし抵抗は確実にするつもりだ。

時間稼ぎの為だけに今立っているのだ。

無駄に忠誠の凝った奴だ、脅しばかりの癖をして、上は優遇していたとでも言うのか?

「・・・まぁ、最低限の仕事ですから。」

王国の残存勢力は多く、手の内を探るべきだと警告された。アスタルトは情報量が多いと捜索出来ないという正確さ故の弊害がある。

再度確認しよう。都市の権利を握る十の将軍、この状況で尚逃げない、根気ある者。

ルヨ・ホーエンローエ

パスカル・チェコヴァ

ジェラルド・フォン・ザロモン

フェルディナント・フルスト

グレゴール・ボアテング

ヴィリー・ダイチェル

ユーリ・ロイトホイサー=シュナレンベルガー

ベルンフリート・ウイベル

オリバー・ティファート

ハインツ=ハラルド・ティアム

ユルク・オット

「(覚えるの面倒い・・・。)」

というのも、城塞戦は技術の差があまり出ない、戦意と技術で兵力をカバーしている帝国軍において、コスト差というものは確かに存在する。大砲は使えるが、魔術がそれを許さない。対応はし易いが、消耗戦になるとその差が浮き彫りになる。ラッキーパンチに縋り付いて傷を広げたら漸く噛み付く事が出来るのだ。

王国内の将校の戦力が未知数であった、国境で挑発していた連中は端くれだったとも考えられる。

「『排熱伝導長』『八秒の衝撃』・・・。」

彗星の名と、夜叉になった慣れの果て。その二つが混在する彼等は、現状場所を把握していない。無重力圏においても理論上地上へ復帰する事が有り得るのだ。

「・・・来る。」

彗星は、次世代の方が強い。というのも能等の寿命を短縮する物以外問答無用で受け継いている。機械的な面が時に大きく、元の設計者はシャーマン。安全装置無装着(ノンリミット)かつ浪漫と悪意、科学の集大成であるからだ。彼女にとっては、醜態でしかないが。

閃光が光を断つ、空間に黒が広がる、視界が思いっ切り馬鹿になった。

カオルコのスペックはハイアベレージ、全体が高い性能を有している。その一方で無個性さが目立ってしまう。相手は方や超長距離走行の名手、トップスピードを維持した状態で50kmは走る、自転車のチェーンを直ぐに壊すが平坦な道で時速80kmに到達する等の記録を持ち、もう片方は生身でボルトの領域に立てる・・・というのも重力の影響ありきで、フィールドをセットし直して道具もなくせばボルトには負けるだろう。

捌ける多くのブラフに混じった本気の刃が自分を殺しに来るのだ。球体形状の維持、領域を守らねば排熱機構が正常に作動しない。排熱に必要な距離がある、それと同時に可動域として残すべき距離がある。

破壊を止めず、手を引っ張る。刺された刃を引き抜き、瞬間的に地面へ押さえ付ける。

「・・・はぁ。コウキに会わせたくもない、もう少し鍛え直したらどう?」

カオルコはコウキの違和感で胸の中に嫌気が溜まっていた。彼女は興奮すれば実力が桁違い・・・しかしこの様にテンションが低いとそうでも無い・・・。

その筈だが、押さえるのに一苦労する相手を易々と拘束する・・・彼女は全く、弱くなど無かったのだ。

「私はいつか追い越される。物に頼ったから。・・・でも、後悔せず倒されたいから、今は全力で打ち砕く。」

彼女の顔は、少女の面影を残していた。希望を信じれない自分と、未だその希望に縋るべく立っている自分に吐き気がするとしても。

「・・・私は待ってるから、今は、生きて。」

自分がどの様に道を辿ったとしても、この判断は変わらないだろう。



コウキは元の場所へ戻りたがった。

「嘘で良いのかな、でも、なんか嫌だな・・・なんて。完成するまで、待つより構う。」

思い立っては早かった、走って戻り、忍び寄る。しかし、呼吸もしていないのにバレた。最も違うとすれば・・・。視点だ。視点が上にあるのではないか。何かが確かに存在する、目が適応するまでは時間もそう掛からないだろう。

だが、下に居る彼の目は、誠実な目をしていない・・・と言うより焦点自体が上手く合ってない。

「大質量落下は明確に物体化した。竜王の召喚が成功したのさ。」

フクマツの野望は花開き、手を握らせた。

「さぁ、おいでませ。倶利伽羅竜王。1000kmの剣を用意しました。金属を流し込み、迦楼羅炎を混ぜ、雷で世界を焼き尽くさんと。」

彼は自分に向けて語った。憎悪の目ではない、寧ろ哀愁の目をしていた。気に食わない。

「帝国に手を出すつもりは無いけど、北から王国までを破壊する。」

パワーバランスを大きく乱すが、正直、されても構わない。だが、強いて言うなら、彼をそこまで信用に足る要素は無いという事実があった。

「竜によって認められた明王国・・・永楽帝の時代を知っているだろう? 風は吉兆の証だ、しかし向こうは何一つ壊れていない。竜は罰を望んでいる。倶利伽羅竜王を召喚し、最後に、我らが王を擁立する。」

哀愁が不躾に変わり、恍惚でも成立する。北部に謎の技術がある、新たな災害か?二次災害か?それは把握出来なかった。

「名付けて『不動明王』動かざる明の王・・・だ。」

災害では無い・・・と言うより、未知の技術。北方の秘術と呼ばれるものではないか?・・・その正体は召喚術、或いは因果律の再現?二元論的神格が豊富に存在する可能性があった。・・・確かに王国から北方迄の避難民は多く、その理由は才能の差ではないか、と思っていたが恐らくは違う。・・・生まれ落ちた時のあの言葉ではないか。未だ技術が継がれ、文明の残滓が留まる・・・。

「・・・明王国だ、帝国として運営するつもりは無い。出来るとは思っていなかったが、出来た。星の導きも案外捨てたもんじゃない。」

彼も、きっとその一人だ。

「これで・・・災害も駆逐出来る。そうすれば・・・!」

「止めろ!帝を侮辱するつもりか!」

「五月蝿い!私は国の方が大事だ!帝への侮辱・・・?・・・死んだ人間だ、継がねば国は立たぬ。」

そんな会話を蹴る様に彼女は叫ぶ。

「・・・メルリウス!」

王国元第一の臣、旧制度時代の存在。分離の際に敵側となり、資格を奪われた。最初期の帝国にてアルトリウスやダガンと一時は肩を並べた者だ。

「隠していたから準備は出来ている・・・さ!」

魔術における最高効率、そしてその異端。彼は粒子加速器と言える。魔術を雑に使うソロモンやエレミヤと違い、細胞の核だけを的確に射抜く。疑似巨砲、中性子爆弾に最も近い、分子・原子間の貫通を行う彼でなくては再現不可能なもの。

「さぁて、どうかな?」

亜音速で放たれる無音の兵器は、凡ゆる音を阻害、その光は見る者の視界を奪う。竜王の半分の場所にキッチリ打ち込み、それを両断し、大量の出血が発生する。

「・・・これは不味い。」

「・・・無理かもっ・・・!」

血を目前に意識は途絶える・・・。死ぬ事は無かったが、痛みも残らない程深い水底に沈んで行った。



消耗戦対策として行われたのは身体の改造。

魔術が使えるという状況の為、消化器官は全て取り除いた。そしてエネルギー生成器官に変化させ、事実上水分や空気のみで動く生命が完成した。食事等は今後一切出来ないが、継承だけは出来るらしい。消化以前のものという特性があり、その仕組みの為に引っ掛からないのだ。

結果実現したのは最大十時間ノンストップで動ける化け物が出来た。その身体は既に人のそれでなく、埋め合わせとしては十分だ。

「・・・記憶と違うなぁ・・・。」

命を呪った、トラウマになる様な映像だった。人から無数人が形成されていく光景は不気味で済めば良い方だ。

「追加の餌だ、幾らでも食え。」

リーツィア戦、先の応用を行う。しかし弾速の設定が足りない。温度の影響で弾丸が溶ける為、500m以降は処理不可、届かないのだ。

「効率化したか、随分と慣れたらしい。」

狩の献上を受け取るが、しかし相手は血以外の何も吸いはしなかった。

「水分だけはカバー出来ていない?三日連続の戦闘だ、長期戦向きでもそろそろ限界ではないか?」

「限界?とっくの昔に忘れたさ。」

静寂を打ち破るのは剣の一振、円形の外傷が伝播し、足場がまた増える。彼にとって苦痛が無い訳ではない、しかし、彼相手の場合は話が別。生命の冒涜を前に怒りという物が腹の虫を抑える訳が無く。その腹の虫も存在しなさそうだが、彼の根源が破滅的な怒り、悔しさの類である事に関してはどうも言えない。

奪われるという怒りは、常識外れのおぞましき心理を持っていないなら賢愚共に理解出来る物だ。おぞましき心理とて、逆に奪う事で得る報復可能性を理解している辺り、疑う余地無く信じていると言えた。

「(・・・暑い、二酸化炭素が多いのは良い、しかし、それ以上に暑い。F1未満・・・つまり50℃近い気温にあたり、湿度も低くない。此処はシンガポールか?)」

消耗は別方向からも来ていた、弄っていない部分への攻撃、大脳から脳幹に渡って不調が出るまで熱を当て続ける。

「これは当たりだ。」

鼠一匹が最低数万人を凝縮させた人体爆弾として破裂する。圧力の無い状態にてその人々は散り、血として痕跡になる。肉片は雨として散り、今も尚頭に注がれる。

一心不乱に剣を降れば、身は多少守られるが脂が厳しくしてくる。

「・・・ああ、そうだ。そろそろこんな事も出来るなぁ。」

火を投げると共に散る炎は周囲一帯を焼き尽くすが、自分は脚を緩めない。

「・・・予想外に堪えた訳では無かったか・・・。」

ほぼF1レーサーの衣服、というのも城の一件があった以上、彼が対策していない訳が無い。

「・・・身体へのフィードバックを考慮しない・・・いや、対策をしてあると言う奴ではないか?」

右手の動きを見て、そこだけを狙う。掴みかかる姿勢が必ず存在し、上手く入れる、その腕を切り上げると一歩引かれるが、早期に修復し終えた。流石は災害と言った所か、デフォルトである程度の修復能力が存在する。

心臓を確実に仕留め去る一撃でなければいけない、打ち合いは互角、故に、命を捧げた攻撃にしなければ相手に太刀打ち出来ない。

相手の武器は不明、多い。ナイフや爆薬を隠し持っているが、調達していると思われる。次々と爆破物が飛んでくるが、不発が結構多い。エリニューエスの所に行かせないという目標は果たせている事になるが、それでは不足している。

自分が秀でているとしたら、間違いなく銃の腕。相手がこれを知っているかすら謎、その状況で手を明かす様に攻める。

「・・・理解していたか。」

何も変化は無かった、銃弾が向こうを掠っただけ。盾を常に用意しているのが最も厄介な点であった。どうやってこの防御を突破する?どうやってこの厄介な包囲網を打ち壊す?その選択が迫られた。

「・・・!」

戦闘スタイルを切り替える、足技主体の半空中戦、飛んでは引っ掛け、転ばしてくる嫌がらせの戦術。盾越しに攻撃を狙うと、武器だけは阻まれるが足は阻まれなかった。通り抜ける刃と、全体が動く足とそれによる身体群の流動、多々ある現象なのではないか?それに紛れ込み、攻撃するのが良い。動かしてしまえば、鋭い一撃を誤魔化せる。何処まで集中しているんだ?本当は強くないのでは?努力が不足している為に精一杯で覆い隠したり・・・緊張で脳の消費リソースが増え、優先すべき刃物の対策だけが出来ているのでは?

その予想は後回しだ、全ての結論は出た。この手段でなら、追い詰められる。

隠し持っていたナイフのベルトを被弾で緩め、落として動かした。常に移動を要求される以上、彼も追わざるを得なかった。それを罠に、彼の足へナイフを突き刺したのだ。

「・・・足元を崩したな、どうする?降参か?」

勝てない、その配置であった。彼の武器のリーチに居る以上、予備動作無しに振られるだけで即座に死ぬだろう。嫌々と応じられる。

「・・・じゃあ、取引を持ちかけよう。人に出来る能力は死体にも適用される・・・それで、リーツィアを修復する。王国側じゃない自分に興味は無い。どうだ?」

「・・・。」

「未だ悩めば良いさ、その間は手を止める。」

振りかざした剣は一度止まる、それは確かに良い提案だった、リーツィアの存在を無視出来ない、だが、同レベルで相手が信用ならない。エリニューエスの状況の方が優先される。

「『群れる渇望』と自分が組めば、間違いなく最強だ。帝国以外を滅ぼすかどうか。」

演説が始まった、説得の理由を示し、価値を示し、意味を示した。

「災害において有力であればあるほど唯一神に戻した際、支配力が強くなる。」

自分はそんな言葉を聞いていなかった、リーツィアへの罪悪感で脳が鈍っている。

「支配された次は、支配者だ。それが一番良いに決まってるだろう?」

自分は、自分の鈍りが大嫌いであった。歯を縛り、口を汚す。口角から血が垂れる。

「断る、俺は人だ、そして、その神とやらとは別だ。・・・お前は信用ならんのだ。」

「なら結構だ、死ね。」

血飛沫と共にコウキを殺害する、狙いは弱点ではなく、無防備な耐衝撃。死に掛けの鼠を投げ、人にする。速度を同じ儘に放たれた結果、様々な速度が足されて彼に向かう。心房細動で倒れ、最後には心停止に至る。

一息を入れたのは、災害であった。コウキの心肺は動かない。そして離れていく。血の海を眺め、沈む様をどうも思わない。だが、勝利の味は受け取っていた。

「勝った・・・。」

血の滝に光るは一人の少年、殺意の眼光が赤に白く淀む。

「・・・なっ・・・?」

滝の淀みを掻き消す黒くない赤、染められた衣服の己は滝にて失われた様に反射する。

「蘇生装置・・・?シャーマンの野郎・・・!!」

「中古品だ、金属板を入れてゼーベック効果で軽度のスイッチの発電を行い、正常に作動する時間迄待った。・・・と言っても電気も熱も少し不足していたからストロンチウムも少し使った。・・・小型原子力発電、無線で本当に助かったよ。ストロンチウムが無かったから勘違いしていただけだったな。」

十文字に切り下げられた、そして項垂れる様にコウキは首を下に向けた。彼女を諦めた事を詫びる様に、涙一つ見せぬ様に。直ぐに戻し、深く背中に刺しては、数度、回し込む。

「元の硬さは人間程度、十分に殺せる。俺の剣は一度とて命を奪う致命傷になるだろう。それでも挑むか?」

「・・・いーや?蘇生も甘い、ここまで見くびられるとは思ってなかった。」

最終手段も最終手段、自己愛による災害としての出力除去、つまり人間化。人間体になりリセットされた身体は疲れも何も無い、記憶は維持されている事を除けば、全くの別物。災害としての力は放棄されたが、元からのフィジカルで作られた人々を処理した。その直前に何故か隠し持っていた拳銃を放つ。十八発の内数発が身を貫き、後退・・・ではなく、脚が機能を放棄する。

「逃げるか!」

「逃げるとも!」

ライフルを引き抜き、射撃を三度繰り返すが血肉という防壁が未来を覆い尽くす。

「・・・やばい。」

結果、動揺して三発連続で外した。放射能対策は出来ていたが、熱は対策出来ていない。蘇生装置を外すのは難しい。それも否定出来ないと思惑を這わす。

「殺す・・・何としてでもお前を殺す!!エリさんを手に掛ける前にぶっ殺す!!」

「はっはっは!!甘いな!!その程度じゃ靡く気にもならん。」

目が充血し、破裂する。現れるは誰かの右手、白と赤の交差する、見慣れない色合い。

「・・・ああ、じゃあ、止めるか。」

人の遺体が積まれた海から天を目指す手は、災害の足を掴んだ。

「・・・!?」

コウキの意識はそこまでであった、大体は予想出来た、予想出来たのだ・・・。

「お前、耳も目も結構優れてるからな。全部部下に預けて裸でここまで来てやったぜ。」

「武器が無いなら弱い・・・データ上の話だ。」

「悪ぃな、見せてなくて。今からデータを叩き込んでやる。グラフと表を頭ん中のエクセルでテーブル化しとけよ!」

易々と両腕を外し、首に唐突な蹴りを食らう。意識が昏倒し、保った所で運動能力が見当たらない状況に陥る。

「御丁寧に服着やがって、お前礼節知らねぇ癖によ。」

危険物を剥ぎ、後ろにいる人物に渡していた。・・・反抗して立ち上がるまでは出来たが、一本背負いを受け身させない様に頭から打ち込まれる。

「地球を武器にした武道、それが柔道だ。」

斧を受け取り、木と縄を持つ。簡易的な十字架と、首を抑える斧と縄。

「どうせ調子乗ってたんだろ、その力で。言ってやれ。」

「私は愛狂、高校卒業後自衛隊の叩き上げ!テロで壊滅しちゃったけどねー。顔に見覚えがあったからぶち殺しに来てやったぞ? なぁ、真島君? お前だろう?」

「某は任狂、用心棒だ、因縁は無い。しかし衣服を持つ係として呼ばれた。特に啖呵を切る必要性は無いから何も言わん。」

「狂団の幹部を二人借りてきた。元は軍だ、同じ飯を食ってた仲間だ。半数の三十万人は串刺しに、残り三十万人の体内に爆破物を取り付けてあると脅した。そして二人は最初っから仲間だ。この時を待っていた。」

拘束し、精神を削ぎ、衣服を着ては、傷一つ無い。自分の抵抗は全て古傷を上回る事無く、一箇所も無かった。

「三十万人の王国民に殺された連中の中で機能している爆弾は、燃焼して都市一帯を連鎖的に爆発させる。この計画は元王国民の練ったものだ。お前を倒すのに十分だと思ってな。回収は止めだ、というかするつもりもない。」

絶望的な相手と絶望的な視線を前に、抵抗する事は出来なかった、諦めてしまった頃に、その災害は崩れ落ちようとするが、斧が引っ掛かり肩も落ちない。

「悪いな、世論に必要だった。今からお前の産んだ有象無象、いや、お前の子供を殺していく。・・・そうだな、心当たりがあるお前の目、お前の過去の様に。」

彼は実際の所、靡かない、愛情と大事は彼にとって別の感情であり、どうでも良いものだった。それを見抜いた上で英雄は残酷に笑う。

「さぁて、因果応報の時間だ。王国の夢魔がお前の思考に潜入出来る程度の精神的弱体化は出来た。因果執行はキッチリ果たしたいのさ。」

先ずは腱を切る所であった。



一人の悲鳴が只管聞こえる他所で、蘇生は出来たが失血で意識不明のコウキはどうにも出来ない、その為血を抑えている。

「・・・彼がコウキさん・・・王の候補。」

「実力としては頷ける。修復は?」

「応急処置は最大限しておきましたぁ。」

「私はアルトリウスとの取引でロタール軍副官をしなければいけない、そっちは?」

「何にもー?」

「彼と同行してやった方が良い。」

「了解!・・・で、帝国の地図全く覚えてないや。」

「同行・・・そのラインからかぁ。」

「ごめんごめん、私三百年単位で向こう居たからさぁ・・・。」

「とはいえ他幹部と教祖は始末出来ていない。それに関しての情報提供もしなければ。」

「私がツテあるからやっとくよ。」

「感謝する、それでは撤退だな。こっちに居るのがバレると困る。」

・・・と、馬車を回収する。ほぼ連絡無しでやり取りが出来ているから問題無いと司令部が落ち着く。



王国の端、シャーマンの実質的な支配地。隠し拠点も無いので簡易野営血を作り、そこら辺の動物も問答無用で狩り、死体を食うか括り付けた儘にする。警告の一種だ。そこにサーバーと衛生接続端末に繋げ、情報収集機材を他にあるか探し、再現性があれば作る予定でいる。

「・・・この程度で良いか。」

優のコウキは漸く姿を現す。神経に針を刺し、一旦目を閉じる。

「コウキさん。」

「見抜いていたのか?」

「私は近距離に限ると基本サーマルスコープ式ですので・・・。」

「・・・しまったな、そりゃ盲点だ。」

通信速度を調整しつつ、音声をリアルタイムに合わせる。立ち上げ数分はこの通りにしかならない。

「お前が試したのは察のコウキだ、察する為に記憶は性格を形成するものばかり、根幹の記憶は無い。その空虚が奴を形成する。未熟で腹立たしいが。Aiツールの黎明期みたいなもんだな。二人位低スペックだがフェイクのコウキ作った。素材調達に三人程度王国の死体の山から借りてきた。」

「そんな事を・・・直ぐにバレますよ?」

「いいや?そんな事は無い。」

ビル屋上から誰とも目を合わさずに見下している様を見せつける。

「プログラマーとしてドナルドは一流だ、節約とハッタリに余念が無い。血液型検査もRhだ、マイナスは九代目アルバートが持っていた。」

サプレッサー付きの銃を誰に向けても、反応はしなかった。彼は軽く示す。画質が高いと思って見ていた画像は、ある程度シャープを有効にしたもの・・・つまり、銃という極小の存在に気付けない。それを見せると、上に向ける。一段降り、外して仕舞う。

「それ以上は調査してねぇ、他に歩行パターン、彼奴の歩行は汎用性が高い、どの身体でも使えるものだ。子供や赤ん坊から、老人どころか動物全種、脚が同じ動きをしている。擬似乱数による感情表現と連動して歩行パターン組んでるのに、一定数全く同じ奴が居るなんておかしいだろう?歩きは性格が出る・・・ってことさ。詐欺師としても一流と言った所か。」

彼女に向かって歩き、上から下へ、圧力を掛けて見下す。

「他の私なら意地悪に言うだろうな、ならお前はどうして繋がってない?・・・と。」

その言葉にセンサーが怯える、相手の得体の知れなさ・・・相手は只の人間、圧倒的なフィジカルを持つ以外特に個性は無い、ハイアベレージ、ハイスペックの万能・・・。いや、やはり太刀打ち出来ない。・・・人間性がそう答えた。

「アップデート出来てない・・・旧式の・・・。」

その口が動く時、彼女の目前は彼で満ちた。

「違う、コンプレックスに触れるなよ。漬け込まれるぞ。」

頭を撫で、その中で囁く。強くない言葉で、染め上げる。

「最初から彼奴は一部にしか繋げてない。一人一人を除外されていると思わせる事で努力を強制させる。そうする人間だ。」

急に外されると、つい求めたくなってしまう虚しい時間が起きた。

「・・・他にも何か言いたい事があったんだけどなぁ・・・まぁ良いや。」

彼は立ち去る。それについつい着いていってしまうのだ。彼は気付いている、傑作として手を出していない、そう理解していた。

マジで何て言おうとしたか忘れた。

ごめん。


Novel Ai使ってる奴に聞いた所

絵も小説もお前は自分の手で書いた方が早いって言われた。タイムを私のひと筆書き雑デフォルメ基準にすんな。


しれっと一番最初の文は伏線です。

文章ではなく、文が伏線です。


ほぼ悪口のメッセージがあったけどベスの女性関係の対談はAmazonの採用Aiを参考にした話よ。実話よ。Ai関係の知識はここ二十年で増えたから本だけで入手しない方が良い。reddit使え。


寿命無制限だから長期間掛けて慣らせる毒がこの世界において汎用性が高い。皆毒持て。


補足 災害英語名

産まぬ人間 Hopeless humanoid

群れる渇望 Hopeful for one

杜撰な悪意 Randomized Evil

必要な犠牲 Need kill you for my live

悪性寄生虫 Bugs and devil

安らかな死 Feeling of die

拭われた血 Destroyed bloodline

終局的愚行 Tell you how to kill me

黎明の臓物 Sunset parts but heart

奇怪なる剣 Another one divine swords

慚愧一閃す All shame mustn't gaze everybody

神秘の破壊 Burned out unbelieves

貴方への愛 Of you love

騒がしき王 Scary fantasy king

皇帝の戦死 No ones there a soldiers

魍魎の課題 Beatles given

大恐怖騒ぎ Terrible news

栄光の血肉 Lighting body aching all the time

黄金錆殺し Gold left market

究極の勇敢 Hopeful for all

魔鈴の打手 Using singing bell

悪意の玉座 The top of evil

偏見的微笑 By your side

栄枯盛衰環 High and low system

不服と報復 Revenge or avenge

死した大王 Been so long kingdoms

守れぬ使命 Repeat last movies

破滅の日照 Sunshine's atomic energy

聖域の門番 Time to act

幾千年の後 Future for setting the future

最果ての道 Loads and answers

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