47. あとは丸投げ
王都まであと少しという場所へ第二騎士隊と馬を出して後を任せる。
念の為に小型カメラは仕込んであるけど、出来れば後はフェールレント人だけで解決してくれるといいな。
たまに忘れそうになるけど、今の私の魂は脆いみたいだからね。喜びや楽しみなどの陽気な感情はOKだけど怒りや悲しみはなるべくならNG。
だからここからのモニタリングはアルバート達やライアン達に任せて神殿に向かう。
パパ神様をイメージして像を作ったけど、もうちょっと似せられたかな?
「いや、僕に似てなかなかイケメンな像だったと思うよ。」
「もぉ〜。急に現れてしれっと心を読まないでください。」
急に出て来るタイプのホラーとかお化け屋敷とか大っ嫌いなんだよ〜。
「ゴメンゴメン。お化け屋敷は嫌いでも僕のことは嫌いにならないでね。」
「パパ神様は嫌いじゃないけど、急に出て来るのは嫌!もうやめてね。
ってかなんでそのネタ知ってるの?(笑)
まぁいいや。今日は、これを渡したくて。」
付与前にコピーしておいた何も効果の付いてない状態の像をプレゼントする。
小ちゃい子供が親に似顔絵書いたのをプレゼントするみたいな感覚?かな。
なんかあげた方が良い気がしたんだよね。
「うわぁー!いいの?実はこれ欲しいなと思ってたんだよ!ウタは協会の神像見たことある?あれ全然僕に似てないんだよ〜。イケメン感も神々しさも足りないんだよ〜。」
まぁ私はよく会ってるけど、フェールレントの人達はパパ神様を見たことある人なんていないんじゃないの?
「昔ね、何人かの神官の夢に入って御告げをしたことがあるんだけど、何度か都合良く曲解されちゃってさ。それからはあんまり…ね。」
なるほど、その数少ない神官にセンスがなかったのかな。
「そうだ!ギルドに機械贈ったのもパパ神様?」
ずっと気になってたのを思い出した。
「いや、あれは僕じゃないな。たしか知神だったと思うけど。彼は他の世界の物でも何でも興味を持った物に対して、調べたりするのが大好きでね。きっと何処かの世界に似たような物があるんじゃないかな?」
あ〜。多分地球のATMですね。(笑)
「きっと試しに似たようなのを作ってみてあげたんじゃないかな?たまに改良してるみたいだよ?」
じゃあそのうちまた改良されるかな?自分で改良点見つけるのも楽しみなのかもしれないし、あんまり口出ししないでおこう。
「それよりウタ、ここも随分賑やかになってきたね。人間だけじゃなく動物達も色んな種類でとても楽しそうだ。これからも良い出会いに恵まれるといいね。
コハクもクオンもナイトも今後もウタをよろしくね。」
「「「もちろん」」」
んはっ。仲良しだね。
「じゃあそろそろ戻らなきゃ。また来るね。」
「いってらっしゃい。お仕事頑張って!」
「ありがとう!やる気出たよ!いってきまーす。」
にっこにこで帰っていった。
お供えをしてから校舎のモニタールームに向かう。
「どんな感じですか?」
アルバート達に声をかけると
「やっぱすげーなこれ!遠くの映像が目の前で見れるなんて!しかもこんなに鮮明に。」
うん。そういうことじゃなくて。(笑)
「さっき王城に着いて、知り合いの騎士に事情の説明したところ。今上に話しに行ってもらってるから待ってるとこだよ。」
まだ若いから適応力が高いのか、すでに慣れてきているライアンが聞きたいことに答えてくれた。
「そっか。上手くいくといいね。」
おにぎりやサンドイッチなどのモニタリングしながら食べられる軽食を出して、何かあったら呼んでくださいと伝えて部屋を出る。
子供達も既に起き始めていて一階に降りるまでに沢山のちびっ子が挨拶をしながら私を抜かして行った。
中身がおば…歳上だからか、見た目は自分より歳上の子供達の、元気な姿が微笑ましくて甘やかしたくなる。
朝食を済ませて、校舎裏に行き、楽しい楽しい街づくりを始める。
大分魔力も増えて、色んなものが作れる様になった。
まずはアスレチックのある森と山をひとつ作って、動物達の立ち入りを許可しておく。
動物達は放し飼い状態だけど、ご飯は校庭に食べに来るみたいだから近場に住処があった方がいいかなって。
森や山には動物達のおやつに果樹も多く設定しておいた。
あとは遊具が沢山の大きな公園をつくった。
ブランコ、滑り台、鉄棒、うんてい、ジャングルジムなど定番の物からトランポリンや変な動物の乗り物まで、子供達が自由に遊べる様に。
この世界の遊具がどんな物か知らないし、あるのかさえ分からないけど、今まで大変だった分、たくさん学んでたくさん遊んで欲しいと思った。
それからプールの近くに念願の高級温泉宿。
ついに!
建てちゃいましたよ!
全部屋温泉付き!大浴場や露天風呂、温水プールにスパもある!
しかも、なんと、マッサージ要員 (AI搭載アンドロイド)付きだったんです!老若男女揃ってます!
この身体、まだ出来たてだから凝りもないし、コハクの湯で全回復しちゃうから使うことはないかもしれない。
でも、これは女神様達の期待に応えられる時が来たんじゃないかな?
そう!私のスキル神殿にもスパ施設を併設してしまえばいいんじゃないだろうか!