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「あの日」からののお話-4
そうして、こんな有り様だ。
何もできない。
何をしても、近づくことはできない。
ああ、何も成長していないのかな。
この5年間は本当になんだったんだろう。
そんなこと思っちゃいけないのはわかっていた。
今までどれだけの人の支えで生きてきたのか。
その恩は決して忘れてはいけないし、侮辱していいはずがない。
そんなことわかりきっていた。
わかりきっていた・・・はずだ。
でも、心の奥底では自分がこうも成長していないことに嫌気が差した。
そうして、いつしか身体を蝕んでいった。