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「あの日」のお話-2
美しい歌を、力強い歌を、歌っていた。
さまざまな思いと音がぎゅっと詰め込まれていた。
その歌声に、曲に一瞬にして心が奪われた。
その時、今まで忘れていた「音楽」を思い出した。
「ああ・・・なんで忘れていたんだろう」
自分でも不思議なくらいに感じた。
音楽を忘れていたことすら忘れていて、
でも、目にした神様がいるのは自分にとって新しい世界だった。
かっこいと思った。
「こんな人が、こんなものがこの世界に存在したんだ。」
僕は画面の目の前で呆然とみていた。
そして、同時にこう思った。
「僕もこんな歌が歌えたら、作れたらいいな。」
そう思った「あの日」
僕の何かが変わった。
動き出した。
何かに取り憑かれたのかと自分でも思うくらい、大きく変わったのを感じていた。
そう、だから「あの日」僕はこう決意したんだ。
「神様になりたい」と。