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「あの日」のお話-1
あの頃の僕はゲームが大好きだった。
暇さえあればゲーム機を手に取り、必死にやり込んだ。
そのせいか、大会に出れるほどの腕に成長した。
もうその頃には、音楽なんて存在も忘れていた。
将来、ゲームクリエイターになれたらら・・・なんて。
そう思っていた。
「あの日」が来るまでは。
夏の匂いが過ぎ去って、
でも、あの暑さはまだそばにいた時期のことだった気がする。
あの日もひたすらにゲーム機を手に取り、のめり込んでいた。
何を思ったのかはもう忘れてしまったが、たまたま動画配信サイトを見ていた気がする。
・・・ああ、思い出した。
攻略法を調べるためだった。
その時、だった・・・かな。
「神様を見たんだ。」
小さな画面の中で、歌う神様を。