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難病患者の'働く'を考える  作者: ryuji nakagane
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退職からはじめよう

7年間務めた、行政窓口での難病患者の相談の仕事を退職した。

まさか、この日がやってくるとは、正直思っていなかった。


キャリアの変転は突然やってくる。


しかし、この窓口に居る限り、どうしても言えないことが・・・責任上出てくる。


これ以上は、押し黙ったまま、この仕事をやることは、できなかった。




7年前、初めての出勤の日、


採用を決めた職員が、エレベーターの中で、こう話していた


「ついにパンドラの箱を開けたね」


パンドラ・・言葉のやり取りから、


空けてはいけない箱を開けてしまう、そんな仕事なのか、というニュアンスがうかがえ


少々薄気味悪さを感じた。


どんな仕事なんだろう・・



7年間を振り返り、箱は半開きのまま

仕事の合間に事例を書き、頼まれてもいない事例発表会の場に出したのは、

就労支援がなされていても、外部に事例が出ていかない・・

やるしかないか。


困っている難病患者から日々相談をいただいて、

頑張らないではいられない。


僕の疲れは、大抵翌日にはとれている。

難病患者は、逃れられない症状が目の前に迫っている。

これ以上、何を背をわせようというのか。




土日に行われるセミナー講師の依頼なども、すべて労働行政は断る始末


この箱を開けたいのか、開けたたくないのか?


障害者手帳を取得できない難病患者の就労支援の事例を、休みを返上しながら「自分で行きたいもので・・」と言いながら、研究発表会に出した。



最初に出した事例は、おそらく、日本で始めて障害者手帳での就職事例ではない事例、

一般雇用枠で、病気を開示しながら就職した難病患者の事例だったと認識している。


当時、どの研究会、発表、研究者の事例でするら、

すべて障害者手帳を活用した事例しか表に出ていなかった。


そのため、難病患者の就労セミナーというものをくるくる参加してまわりながら、


「それは障害者手帳を使った事例ですか?」と最後に質問せざるえなかった。


すべての答えが、

「はい・・手帳を使ったものです」


だった。


いちいち、そういうことを聞く私は、さぞ、当時の研究者皆さんからしたら、煙たい、空気を読まない面倒な奴だっただろう。




わかっちゃいたんです。

ですけど、研究者や行政が集まって、いつまでもそりゃないでしょう。と


予定調和な空気が苦手なもので、つい、そういったことを放りこんでしまう。


しかし、


そんな自分が、その後、同じ研究班のメンバーに召集されてくことになるわけですが・・



数年後。


治療と仕事の両立支援推進チームにも参加することになった。


さらに、一年後、


僕は、退職し今がある。



ある日電話が鳴り、


再び、研究班からお声がかかった。



同時にあるポストの話もいただいた。

ポストと研究班はパッケージになっていた。


1か月ほど考えに考え、

辞退した。



そう、なぜ僕が、やめたのか。


そこが重要だった。


また、あの前提に戻ると、いわなくちゃ前に進めない議論が、また出来なくなる。


誰かの利益を侵害することは、これっぽっちも考えてはいない。


だけど、僕は、看護師でもあり、就労支援者でもあり、それ以前に‘人‘でもある。


社会人であることと、人道的なでない選択肢と道に迷ったとき、


コイントスをするまでもない。



人として、何を選ぶか。



そう考えたとき、


もう既に答えは自分の心のなかには固まっていた。





行政の仕事は、行政らしい仕事の責任、役割、良い面も知ると同時に、

取り組みのスピードや、テクノロジーとの親和性の低さ、

民間とは異なり、専門性の高い人材との出会いはほぼない。



ジョブローテーションを繰り返すため、

上司面々も、ある段階の障害者、疾病に対しての知識やノウハウは持ち得ていなので、


視覚障害者や、難病患者への就労支援への内部の理解が遅れてしまうのは、

そういった理由も考えられるし、


そもそも非正規職員の多い窓口のため、研修にいって研鑽をつむ機会もほとんどない仕組みになっているため、伸びしろは限られた働き方になっている


残念ながら生産性云々・・とは、遠い話になる




前の扉を開く、箱を開けるために、やめたのだ。


研究範に入ることは、またあのスピードで取り組むことを意味している。


また、指定難病の話以外は

タブーになる。


なぜ?



難病相談・支援センターは、指定難病の相談対応をする難病患者の相談窓口。



今のところ、難病、とは、指定難病、であるし、

数が少ない、疾患のみ、難病、という。



医療者として素朴に思うことは


数で患者を、難病といったりいわなかったりしていること。


行政呼称として生まれた定義と、


障害福祉サービスもほぼリンクしている。



なんの支援もうけられない難病者がいる。


それを支援しないで平気でいられない僕は、


同じ掟のなかでは研究をすることは難しい。研究とは、もっと可能性をこじ開け、未来を創造する仕事だと思っていた僕は、まず、研究とは何か?から、もしかしたらもう一度考えなくてはいけない青二才なのかもしれないですが、



次のステージでは、オープンな議論、


社会のフレームの中でこの課題を考え、もやもやとした掟を出て、

企業や民間のなかで、ただ治療をしながら働く、指定でも指定でなくても、難病者の‘働く‘理解を盛り上げるために、エネルギーを使ってしようと思っている。



ここまで取り組んでくださった研究者の先生方がいて、今がある。


研究へのリスペクトは、今も変わらない。











































































組織の一員として、周りの職員に迷惑をかけるようなことは、したくなかった。

かといって、ここを自分が離れることが、難病患者の就労支援の流れに、影響が少なからず生じてくる

ことは、国の会議に支援者の代表として出席したり、研究班に召集されたり、

非正規雇用ながら、休みの日を「自分の意思です」といいながら、なんとか前に進めていく必要から、ず

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