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スッキリくん

作者: ケサボン

街中で見かける迷惑な人たち。

出会った瞬間から、イライラしてしまう人たち。


なんとかして、

ギャフンと言わせたい。


公衆の面前で、

辱めてやりたい。


あぁ、スッキリしたい。



そんな願望を叶えてくれるヒーロー。


それが

スッキリくん。


例えば、こんな事例。



電車内。


どっかりと座席に座る中年男性。


そのおっさん

ものすごく偉そうな態度。


高級そうな

ビジネスバックは、隣の席に置いたまま。


どっかの会社の重役っぽい。


重役でいられるのは社内のみであるが、

社外に出てまでその気質が抜けないタイプ。


少しづつ車内が混んできたにもかかわらず、

バックは、隣に席に置いたまま。


ふてぶてしい。


そこにスッキリくんが登場。


おっさんに近づく。


声をかけるのか?


周囲の視線が集まる。


スッキリくんがおっさんの前に立った。


どうする、スッキリくん。


おっと、


いきなり、バックの上に座った!


何事もなかったように、


「そこは空いている椅子ですよ」

というように、


思いっきり、座ったぞ!


つぶれるバック。


そして、スッキリくんは目をつぶる。


スッキリくん

まさかの即落ちだぁ!


日々の疲れがドッと出た寝落ち。

電車の揺れに合わせた心地よい寝顔。


さらにつぶれるバック。



「お前、なにすんだ!」


おっさんの怒号が響く。


「お前、どけ!」


バックを引っこ抜こうとする

おっさん。


スッキリくんが目を開ける。


「お前、なにすんだ!」


「椅子に座っただけですが?」


「かばんがあるだろ!」


「かばん?」


「とぼけるな! どけ!」


スッキリくんが立ち上がる。


「みろ! つぶれただろ!」


何も言わずに立ち去るスッキリくん。


バックを手に取り、

憤慨するおっさん。


そして、

周囲の冷ややかな視線に気がつく。


そこは完全なるアウェイ。


サッカーで言うならば、

日本代表が中近東で試合をする雰囲気。


クスクス笑っている女子高生。

怪訝な視線を送るOL。

ざまぁみろという顔のサラリーマン。


社内では味わえない雰囲気。


ここは、車内だ!


その雰囲気に耐え切れなくなり、

立ち上がるおっさん。


あぁ、スッキリ。


ありがとう、スッキリくん。

さようなら、スッキリくん。


お読みいただき、ありがとうございます。

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