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True Justice  作者: ダッケ
第1章 想起
1/1

1 プロローグ

 『将来の夢は正義のヒーローになることだ』


 小学生の頃、このように思った事がある人は少なくない。

 テレビで多くの人を助けるヒーローを見て強い憧れを抱いた人も中にはいるはずだ。

 「僕は困っている人を助けたい。」

 「俺は魔法を使って敵を倒したい。」

 「私はみんなを笑顔にしたい。」

 素直で純粋で単純である小学生は、このような事を口にしても決して笑われる事などない。


 中学生の頃はどうだろうか。

 この歳になってまだ『正義のヒーローになりたい』などと思っている人はほとんどいない。

 思っていたとしても、

 「まだそんな事を言ってるのかよ。」

 「ヒーローを信じてるとかあり得ないわ。」

 「厨二病なんじゃない。キモっ。」

 と、軽蔑される運命である。


 そして高校生。

 中学生と同様に『正義のヒーローになりたい』などと思っている人はほとんどいない。

 様々な経験や思考を経て、実現不可能な夢だと悟るのである。

 ただ、『正義のヒーローになりたい』と思う事は無いが、

 『正義と何か』

 このように思った事がある人はいるはずだ。



 都立高校に通っている高木海斗(たかぎかいと)は、ほとんどこのような人生を歩んできた。

 

 小学生の頃――

 テレビ放送されていたヒーローアニメを見て『ヒーローになりたい』と思った。

 ヒーローと言っても色々なものがあるが、空を飛んだり魔法を使ったりするヒーローに憧れた。

 ただ、小学生を振り返る上で不可解な事が1つだけあった。

 小学生以前はどうだったのだろうと記憶を辿ろうとするが、()()()()()()()()がほとんどないのである。

 10年ほど前の事だから忘れるものか。

 その時はそう思っていた……

 

 中学生の頃――

 流石に『ヒーローになりたい』と思うことは無くなったが、ヒーロー像に対する憧れは消えず警察官を夢見た。

 ただ、体型は痩せ型で運動も特出して出来るわけでも無く、冷静で勉強もできていたので周囲の人からは、

 「海斗に警察官は似合わないんじゃない?」

 「君は研究者にピッタリではないか。」

 このように言われる事が多かった。

 実際、自分でも警察官の素質は無いのではないかと思ったこともあった。だが、

 「お前の冷静さとか、すげぇ警察官に向いてると思うぞ。警察官って言っても悪い奴らを捕まえることだけが警察官の仕事じゃないさ。地域のために尽力して困った人を助けるのも仕事の1つだ。自信持って自分の進みたい道に進めばいいじゃんか。」

 と、たった1人だけ自分の夢を肯定してくれる人物がいた。

 彼の名前は山下学(やましたがく)

 小学校に入る以前からの幼馴染だ。

 家も近所だったのでお互いを知り尽くした無二の友である。

 それ故、自分の夢を否定せずに応援してくれたのかもしれないが、冗談だったとしても嬉しかった。


 高校も2人で同じ学校に入学した。

 相変わらず警察官の夢が消えることは無かったが、1つの疑問を抱くようになった。

 刑事ドラマを見た時に、

 「我々は正義のために働くのだ。」

 と言うセリフがあった。

 正義には『正しい道理』や『道徳的な正しさ』という意味がある。

 しかし、それらは実際に形を成して我々の前に現れているのか。

 現れなかったら警察官や刑事は何の為に働いているのか。

 意味上ではない正義というものは何なのか――

 

 これはヒーローに憧れる1人の高校生が真実の正義

『True Justice』を追い求める為に、自分だけでなく友人や国家、世界をも巻き込むストーリーである。

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