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Snow White Lunatic  作者: 天童美智佳
Chapter I
6/33

#6

 月曜日。

 予想通り、緊急朝会が開かれた。内容はお察し。つまらない話だ。


 二年三組十五番佐藤裕太、行方不明。誘拐か家出か。生徒諸君、不審者に注意して、一人で登下校しないように。


 校長が重苦しい声で喋っている間、私は欠伸を噛み殺していた。眠い。紗雪はとうに寝ていた。すぐ目の前の背中が、先程からうつらうつらと揺れている。深刻な内容の朝会だ、生徒の方に注意を払っている教員はあまり多くない。起こさなくても平気だろう。


 ところで、この地域の警察は何をしてる。何故学校を調べない。早く見つけてやらねば、彼が腐ってしまうじゃないか。一体何処を探しているんだ。灯台下暗しを狙ったわけだが、ここまでうまくいくとかえって不気味だ。早く見つけて欲しい。でなければ、今日の二時間目あたり、家庭科室から悲鳴が上がることになる。

 私が溜息を吐いている間も、校長の長ったらしい話は続く。


 昨年に続き、生徒が事件や事故に遭うことは、学校としても非常に遺憾である。自分の身は自分で守れるよう、十分注意するように。


 要は、面倒なことに関わりたくないのだ。去年は警察や保護者、教育委員会への対応に追われたに違いない。何しろ、死亡事故が起きたのだから。生徒が四階建ての校舎の屋上から転落し、十八メートル下の地面に叩きつけられ、死亡。あれ以来、屋上は出入り禁止になってしまった。本当は事故ではなかったが。そう。あれも私達の仕業。初めての、校内での犯行だった。

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