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アーリーモーニングティー

『あーさだよー‼あーさですよー‼朝が来ましたよー♪』


『わおーん‼わおーん‼』


『にゃあぁあぁああ‼』


『はっ…!』


様々な生き物の賑やかな声でオリバーの一日は始まる。


ピクニックをすっぽかされて以来、

アスランなりに思うところがあったのか、

アスランはオリバーから片時も離れなかった。


『うわぁ‼』


オリバーは飛び起きると、時計をみた。

まだ、夜明け前、超、早朝である。


『どうしたの、アスラン。』


『あ、パーパ起きた‼

朝が来たの。

朝が来たらパーパ起きるでしょ?

だから、朝が来たの!』


アスランはふぁーっと大きなあくびをした。


『そうですねぇ…。アスランは眠そうだけど…。』


オリバーはアスランを抱き上げると毛布でくるみ背中をぽんぽんとした。


すやすやすや…。


目的を達して満足したアスランは

すぐに眠りに落ちていった。


『さみしい思いをさせてごめんねぇ…。』


しばらくぽんぽんし続けたあと、

オリバーはアスランを寝かせると、

ふと思い付いたことを実行することにした。


オリバーの部屋には簡単なキッチンがついている。

そこでお湯を沸かした。

そして、そっと、意識を広げる。


オリバーは黒の森を守護している関係で

森の中の全てを感知する術を持っていた。

ひどく疲れるので、滅多に試みないが。


今回はほんの少し、宿舎の中だけ…

はっきり言えば、レイリークの気配を探しただけだった。


レイリークの朝は早いが、

今だ自室にいるようだった。


オリバーはうっすらと微笑んだ。


お湯がしゅんしゅんと音をたてて沸くころには

レイリークの気配は部屋にいなかった。


オリバーは少しがっかりした。


アーリーモーニングティー。


イルガントの風習で、安息日の朝に、パートナーのベッドにお茶を運ぶのだ。

かつて、風の舘にすんでいた頃に、

エディンが度々シッキムの寝室にお茶を運んできたのを懐かしく思い出したのだ。


トントン…


そのとき、小さく扉が叩かれた。


『オリバーさま。』


オリバーは弾かれたように顔を上げた。

扉を開ければ、そこには銀のおぼんを手にしたレイリークがいた。


おぼんの上にはシルバーのポットとカップ、ミルクジャーにはちみつ、クッキーがのっていた。


大きなカップが2つ、小さなカップが1つ。


それをみて、オリバーは声をあげて笑った。


『私が持っていこうと思っていたのに!』


ほら、とポットとカップを手で指し示した。


『それは是非、いただきますよ。』


レイリークは幸せそうにはにかんだ。



















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