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第12話 そして、有効イケメン遭遇率が低下します。

たんたたんたたったたったたらたらたんたたーん…


まるろくまるまるじ、きしょう


レットは、慌てて靴をはくと、走って中庭に出た。

中庭にはすでに境界領駐留軍の面々が集まっており、すでに点呼が始まっていた。


遅れてきたレットに、教官の目は厳しい。


『スカーレット!腕立て伏せその場で50回!』


一週間前までいけない成分に頭をおかされていたひょろひょろチンピラのレットに、そんなこと、出来るわけがない。


三回目でべしゃっとなった。


『連帯責任だ!全員その場で腕立て伏せ100回!』


ちなみに、教官は、カイラス・ルベッタ副隊長。

優しいカイラお姉さんの面影は微塵もない。


オリバーから離れないレイリーク隊長にかわり、

カイラをはじめ、カフェの面々はスカーレットの更正プログラムに付き合っていた。



まるななまるまるじ、朝食


…列に並んだ兵士たちの皿におかずを盛り付けていく。


レットはポテトサラダをアイスクリーム掬い器でかっしゃんとやる係りだった。


全員分終わったところで、ようやく自分の番である。


血糖値だださがりである。


『ふひ…』


とりあえず、量だけはある朝食をぎゅうぎゅうと口につめていく。


『あらあら、早食いは体に悪いのよう?』


綺麗なお姉さんに戻ったカイラに声をかけられて、びくっとする。


この人は、怖い。


『うちのまかないは美味しいんだから、よくかんでね。』


たしかに、おしゃれカフェめし風だ。



まるはちまるまるじ、店内清掃


ほうきではき清め、モップで水拭きと乾拭きをする。


テーブルに備品を補充し、テーブルも拭き清める。


20人がけの楕円の大きなテーブルにジャムやスプレッドを並べていく。



まるはちさんまるじ、開店


ひとがたの客とともに、

次々と、いろんな形の物体がなだれ込んでくる。


突如爆発するもの、襲いかかってくるものを、次々と手際よくカイラが処分していく。


その一方で他の隊員が普通の客の注文をとり、オーダーはクーの手によって次々と料理に変わっていく。


レットの仕事は皿洗いだ。

アスラとともに皿を洗う。


店は凄まじい回転率で混雑し、さばききれないほどの食器が運び込まれてくる。



まるきゅうまるまるじ


アスラのじーちゃんがアスラをさらいにくる。



いちまるまるまるじ


いつのまにか、エプロンをつけたおっさんが横で皿を拭いている。



いちいちまるまるじ


いつのまにか、やたらキラキラしたイケメンのじーさんが乾いた皿を片付け始めた。



いちにいまるまるじ


となりにいるおっさんをちらっとみる。


『だって、みんなないてっからさー』


『泣いていない。』


『だれか死んじゃったのかって思ってよー』


『死んでない。』


『まだ怒ってんの?』


『怒ってない。』


『あのうた、おっさ…あにきも知ってたんだな。』


『?』


『ババアがよく鼻唄でふがふがいってるやつだろ?』


『!!』


ああ、どうして忘れていたんだろう。

あのうたは…


『あにき?どこいくの?皿は?』


イルハンは、手をタオルで拭うとエプロンを外し走り出した。


途中であったギャルソン姿の隊員にオリバーの居場所をきくと、中庭に直行した。












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