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ディアン父さんと勝負する

バレンタインなんて関係無いんじゃよ

話を進めていきます




俺は父さんに続いて庭に出た


母さんとマーリナも一緒だ


「来たな」


「……俺が勝ったら口出ししないで貰う」


「じゃあ、俺が勝ったらマギガーデンに入学して貰う」


そ、そんな厄介事をっ!?……し、仕方が無い


「……………………分かった」


「……間が長いな。そんなに嫌か」


すんげぇ嫌。俺コミュ障だったし。世の中で人間関係が一番面倒くさいと思うよ俺は


「まぁいい。勝負は試合でいいのか?」


「当たり前だろ!」


「言うと思ったぞ息子!」


俺が即答で答えると、不意打ちで雷魔法をぶっぱなしてきた


俺はすぐに結界を張る。あの程度なら防げる!


今のうちに手数で攻める


俺の周りを拳くらいの火の玉が20個浮かぶ


「喰らえ!」


俺が指示を出すと、一斉に父さんに向かって飛んでいく。これだけじゃ不安だから、もう10追加で行っとけ!


父さんは俺を中心に円を書くように走って逃げる


逃がすかよ!


結界で父さんを囲って逃げ場を無くす。透明な壁なのでぶつかって、怯んでいるところに火の玉を30叩き込む!


やったか!?


そう思って気づいた。フラグだこれ!


結界を俺を囲むように張る。同時に稲妻が結界にぶつかり後方へ流れる


危ねぇ!これ当たったら死ぬ!


「クソ親父がっ!」


煙の中から無傷で出てきた父さんにそう言う


「誰がクソ親父だ!」


雷魔法を途切れること無く撃ちながら言う


結界が壊れることは無いが、反撃も出来ない。どうするか


「どうした!もうおしまいか!?」


「はっ!結界も抜けねぇ癖に言いやがる!」


もう許さん。転移魔法はバレると煩そうだから使う気はなかったが、もういい!


「これでも、喰らっとけ!」


俺は父さんの上に転移して、炎を纏った拳を突き出す。俺は8歳なので拳に威力はないが、この炎は当たった瞬間爆発する


これで、終わるか?


その時、下にいた父さんの姿が消えたかと思うと、横から衝撃を受けた。父さんが拳を振り切っているのが見えた


◇◆◇◆◇◆


負けた。完敗、だと思う。何が悪かったのか考えると、色々思い浮かぶ


相手との駆け引きや魔法の使い分け。つまり経験の差や判断力というものが大きかったと思う。もちろんそれだけではないと思うが


「約束通り、マギガーデンに入学して貰うからな。お前が行かないとマーリナまで残ってしまう……」


ちっ、仕方ない。約束だし、俺のせいでマーリナが勉強出来なくなるってのは避けたいしな。マーリナにはいい道を歩んで行ってほしい


「10歳からでしたっけ?父さん」


「……口調はさっきの方がいいな。親近感があって」


今関係ないだろ


「で、どうなの」


「そうだな。マギガーデンは10歳からだ。それまでは……そうだな。ディアン、剣を使う気はあるのか?」


剣か……無いな。杖で棒術使う方が向いてそう


「剣より杖使いたい。父さん、棒術出来ないの?」


「棒術……少しだけだが出来るぞ。二年間教えてやろう。ついでに体づくりだ」


少しか。それがどの程度か分からないが、身につけておいた方が良さそうだな。今後楽になりそうだし


マーリナが駆け寄ってくる。心配させてしまったみたいだ


そんなこんなで、俺のひきこもり脱出の初日は過ぎていった


◇◆◇◆◇◆


それからというもの、棒術に最低限のマナー。最低限の知識を詰め込まれました


マーリナも一緒にやってくれたけど、天才のマーリナと凡人の俺では差を感じてしまうのは仕方の無いことだと思う


まぁ、数学とかは俺の方が上だけど。日本で学んでたのより幾分楽。関数とかないし!


棒術はスキル取れたから楽になった。10歳になる頃には父さんといい勝負ができるくらいの腕にはなってたよ


取れたスキルは棒術と槍術だったけどな!槍術っていつ習ったんだよ!確かに棒術というか槍使う感じだったけどさ!


まぁそんな事より最大の難関、マナー


ここは辺境伯邸。仮にも貴族なのだからマナーはしっかり学んでおけとの事。なんて面倒くさい


言葉遣いに食事とかね。流石に歩き方を言われた時は断ったけどさ


何とか全部詰め込むことには成功した。成功はしたんだが、使えるかは不明である


二年間の準備期間?を終え、俺とマーリナの入学の時が近づいてくる


魔王軍育成学校マギガーデン。初等部、中等部、高等部に分かれている。本当は別の名称なんだが、わかり易いのでこれで。この辺は日本と似てるんだな


初等部には俺たちのような10歳で入学。三年間なので卒業は13歳かな


中等部は初等部から希望者がエスカレーター式に行くので13歳からこっちも三年間


高等部も同様で三年間


この辺は日本と違うかも。詳しくないから分からないけど


初等部では学ぶというより訓練の日々らしい。子供の時から難しいことは理解できないからな


中等部で初級魔法を学ぶ。訓練は続いていくそうだ


高等部は中級から上級。場合によっては極大魔法なんてのも扱うらしい。いやー、大変そうですな


高等部にもなると、訓練は無くなり自由に鍛えることができるそうだ。魔法でもいいし同じような訓練をするでもいい


とにかく生徒主体で自由に過ごせることで有名らしい


何か起きれば生徒のせいとなるみたいだけど


いやぁ、高等部までの六年間が辛そうでもう行きたくない


ま、決まったものはしょうがないので、できる限りぐうたらしたいものだ


俺達は入学と共に寮に入る。辺境伯邸から行くと距離があるからな。そういう奴らには寮を用意してくれているらしい。便利だねぇ


マーリナは少し不満そうだったけど。やっぱり家がいいのかな


にしても、俺の五年間、8歳児にしては厳しすぎやしませんか?

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