プロローグ
不定期更新ダラっと(下手したら数ヶ月単位)でやってきますネ!
ここは田舎の村。名前はカヤ。通称カヤの村だ。そのままだな。田舎の村とは言っても辺境伯といった統治する者がいるので、貧しいということは無い
そんなのどかな村の領主の家、つまり辺境伯邸から大きな声が聞こえている
「嫌だ!俺は諦めるまでぜってぇ部屋から出ねぇからな!」
「全くこの子は!ゼクト、なんとか出来ない!?」
「無茶言うなフレルマ……おいディアン!昔はあんなに軍に入りたがってただろ!」
「うるせぇ!何度も言わすな!俺が魔王軍になるなんてぜってぇやだかんな!」
魔王軍。魔族達最強の軍隊であり、魔族にとってエリートが集まる軍隊だ。魔王様に忠誠を誓い、命を賭して人間や他の種族と戦う
そう、カヤの村は魔族の村。つまり住民すべて魔族
「これは光栄なことなんだぞ!おい!ディアン!」
(ったく、何で俺はこんな事になってんだ)
それにはディアン。彼の前世から話さねばならないだろう
◇◆◇◆◇◆
俺は樟葉囷巴。男子高校生
通ってる学校は県立 葉矢野高校
偏差値ははっきり言って低い
ま、そんな学校に通ってるし俺も頭が良くない
性格は適当で怠惰。休みは基本的に家に居て殆ど定位置から動かない。だからかはわからんが、判断力も段々低くなってる気がする
ま、関係ないけどね
俺は自転車と電車を使って登校する。ある日、俺が乗る電車が事故にあった。勿論俺も乗ってたし、知り合い含めて多くの人が亡くなった。つまり死んだんだよ俺
「おーい。目、覚めてるよね?起きてー」
んだよ、煩いな。俺は寝てたいのに……
「寝ないでよー。君にいい話があるんだからさー」
いい話ぃ?……ってか、俺1回も声出してないよな
「そりゃ口無いんだから喋れないでしょうよー。自分の状況理解して無い?」
んー、あ、俺事故で死んだんだった。忘れてたわ
「忘れてたって……ま、いいか。さて、自己紹介しよう。私は神です!」
自己紹介とかいいって。神ね。ハイハイ
見た目は二十後半の女性。背中から烏のように黒い羽が生えているし、頭には角
薄ピンクの髪にオレンジの目。胸はそこそこか
「むー!いーの?転生させてあげようと思ったのにそんな態度とって!」
転生?またあの怠い人生初めから送るの?ヤダヤダじゃあ死ぬ
「えっ」
地球はこりごりだね。ファンタジーの異世界とかなら、まぁ妥協してもいいか……それでも条件はあるけど
「あのー」
最低でも遊んで暮らせるのがいいな。白髪赤眼の妹がいるとなおいい!
「いや、聞いてぇー…」
ん?どうした
「結局。転生、したいの?」
ぶっちゃけどっちでも。何、神様が呼んだなら理由があるんじゃないの?
「まぁあるんだけどさ」
それ早く言わないと。それによっては拒否るからね
「えー!他の人は快く行ってくれたのにぃ!」
他の人?あの事故で死んだ奴全員行ったのか?
「いや、それは無いよ。君達高校生や新社会人くらいの年齢層が数十名。同じ世界もいれば違う世界もいるんだよ」
なる程な。で、全員目的は同じ、と
「うん」
目的は?
「魔王軍の強化」
……はぁ?
「魔王軍の強化」
いや、二回言わなくていいよ。てか、テンプレなら魔王討伐とかじゃないの?
「いやぁ、私魔神だし」
あ、そうなんだ
「見た目的にそうでしょー。で、どう?」
怠い。無理
「えぇ?」
魔王軍とか、いかにも人類の敵だし。戦いとかよく分からん。俺運動音痴なのよ
「そ、そのへんは神様ぱわーで!」
何、チートでもくれんの?
「あげるあげる!皆にも三つくらい付けてるし」
そうか。こっちから指定していいんだよな?
「出来ないこともあるけどね。あ、転生するとしたら魔族だからよろしく」
だよなぁ。となると、魔族の種族特性を理解しなければいけない。よくある設定だと、まず人より魔力が高い。体が丈夫で身体能力が高いって感じか
「大体そんな感じー。他にはねー長寿で健康!」
あっそ。それはいい
「えー」
ふむ。じゃあ要望言うぞ。これ通んないなら行かない!
「お、おう!ドンと来い!」
不死と魔法創造と成長促進とスキル取得時間短縮で
「待って」
何だよ……
「スキルが四つなのは、まぁいいよ。でも不死ってそれ本気で言ってるの?」
いつになく真剣な顔だ。何かあるのか?てか、四つなのいいんだ
「不死ってのはね、本当に死ねないんだよ?周りが死んでいく中で一人だけ生き続けるの。それでも?」
それは考えた。ファンタジーではよく言われている事だ。だがあえて言おう。それでも、と
「何故?」
はっ!あっち行ったら即死不可避だからだよ!何があっても何回死んでもいいようにしてんの!
「え、チートあっても?」
運動音痴舐めんな!魔法だってまともに機能するか分からんのだぞ!?
「た、確かに発動しない子もいたけどぉ」
そら見たことか!異世界ってのは安全じゃねぇ!命が軽い世界なんだろ?んな所に安心して行くなら不死くらいが丁度いいんだよ!ついでにいえば不老もつけてくれ。それか妹を不老不死でもおけ
「注文増えた!?……んでも、君は運がいい」
あん?
「君の転生先、白髪赤眼の妹がいるよ。不老不死のね!」
な、なにぃ!?
「ま、嘘だけど」
クソが!
「妹がいるのはほんとなのよー。不老不死は無いけどねー。ま、でも君が将来孤独にならないように妹ちゃんにもつけてあげる。最悪他にもいるにはいるから探してみてね!」
マジで!?
「まじまじ。でも、不老不死を悪用はしないでね。君を殺さなきゃいけなくなるから」
死にたくなったら悪用すればいいのね
「あっはは!そうかもね!」
じゃあ不安はねぇ。いつ転生すんの?
「すぐにでも」
じゃあ、最後に一つ
「ん、何?」
頼むから5歳くらいまで成長してから記憶戻して。流石に赤ちゃんからは、その、精神的にキツイ
「あ、うん。分かった」
それだけ言うと、俺の転生は始まった。さて、次の世界ではスローライフっていうの?ゆっくり暮らしたいもんだ。……まぁ、魔王軍の強化は、身の回りの魔族を強くしてきゃ取り敢えずいいよな。よな?