準決勝 前編
先に仕掛けたのはジンだった。
ジンの背丈と同じくらいの長さを持つ大剣。普通の人間ならばそれほどの大きさの大剣を持っていればどうしても動きが遅くなってしまう。しかしジンは何の重さも感じていないよう軽快に動いて俺に向かって振り下ろす。
予想外の速さに虚を突かれてしまった俺はその大剣を躱すことが出来なかった。右手に持つ刀と左手に持つ小太刀をクロスさせて大剣を受け止める。
「うううっ」
たった一撃、たった一太刀受け止めただけで体中が悲鳴を上げる。
身体強化している状態でも筋肉の一筋分の力でも抜いてしまえば一瞬でつぶされてしまう。
これが人族最強と言われる『伝説の男』ジンの実力か。この人外野郎め!!
「うおおおおお」
俺はジンに向けて火弾を数発飛ばす。ジンは被弾を嫌ったのか大剣を引き、最小限の動きのみで全弾回避する。
はぁはぁはぁ.....
一撃を防いだだけで息が乱れてしまっている。ジンはそんな俺を失望したとでも言いたげな視線を向け、間髪入れずに再び俺に切りかかった。
大きな大剣を抱えているというのに地面に接触させることなく滑空するように突進してくる。そしてそのまま右下からの切り上げ、その勢いのままに水平切りを繰り出す。俺は二刀の刀身で切り上げを流し、水平切りを天歩を使ってギリギリ躱して空中に逃れる。
全部後手後手に回っている俺は反撃の狼煙を上げるためにアル爺を倒した時のように雲を利用してスコールを降らす。
「それは一度見たよ」
はっ。アル爺の時は凍らせたけど今回は違う!二度も同じことはしない。
俺は雨でぬかるんだジンの足元を土魔法と水魔法の併用で底なし沼に変えて動きを止めてから雷を落とすつもりだった。
だが、
「焔よ大剣に宿れ」
「なっ!」
ジンがそう唱えると炎が大剣を包み込む。それだけでぬかるんいた地面がカラカラに乾き、ジンに降り注ぐ雨が蒸発する。そしてジンは俺と同じ天歩...いや、俺の天歩の数倍速い速度で天を駆け俺めがけて大剣を振りかぶる。
「終わりだ」
俺にはこの状況を覆す案が一つだけ浮かんでいた。しかしそれを行うとジンはおろか自分ですら死んでしまう可能性があった。本来ならこんな事行うなんて考えられない。自滅行為など馬鹿のすることだ。
だが、今はそんな事どうでもいい。
ジンに勝てるのなら馬鹿でもなんにでもなってやる。この勝負負けるわけにはいかないんだ!!!
俺は覚悟を決めた。
ジンが炎を纏った大剣を振り下ろし、風と水の魔法を纏った俺の二刀とぶつかった。
なんと日刊ランキング74位!!!
思わず目を疑いました。
執筆が遅く、一話一話が短い作品ですが読者の方々に面白い作品を提供できるように頑張って書きたいと思っています。
それと次で100話になりますので皆様からのリクエストがあれば100話記念として番外編を書きたいとも思っています。
こんな話読んでみたいな。このキャラとあのキャラが絡む話が読んでみたい。などのリクエスト待っています!
感想、アドバイス、リクエストよろしくお願いします。




