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開会式

「武闘大会の受付は此処で出来ますか?」

「…………」

「あの……聞いてますか?」

「あっ、すいません。見惚れていました!………はっ⁉︎」


その場に何となく気まずい空気が漂う。受付のお姉さんは顔を赤面して俯いていた。


これはスルーした方が良さそうだな。

そう判断した俺は取り敢えず話を進める事にした。


「ええっと、ここであってますか?」

「……はい、あってます。冒険者カードを提示してください。それと、ここに名前と自分のランクを書いてください」


俺は差し出された紙にレイミアの方で記入する。勿論提示したのもレイミアの冒険者カードだ。

受付のお姉さんはその冒険者カードのランクを見て驚いた顔をして俺の顔を見つめてきた。


「どうしました?」

「あ、あの……今回の大会が特別だっていう事を知っていますか?」

「いえ、知りません」

「今回は節目の大会という事によってSS級冒険者が数名参加し、それ以外の方でもS級冒険者が数名、A級冒険者が大勢参加します。別に禁止している訳では無いのですが、B級冒険者より下の方は殆ど参加していません。それはつまり、Aランクの実力を持っている人でも無事でいられる保証は無い………それ程までに今回の大会は危険なのです。止めておいた方が良いと思います」

「お気遣いありがとうございます。まあ、魔神がやって来ない限り大丈夫です」

「そ、そうですか。そこまで言うのなら止めません。ただ、私は個人的にレイミアさんを応援したいと思っているので、決して無理をしないでください」

「わかりました。あ、それとレイミアでいいですよ受付のお姉さん」


俺はそう言って受付のお姉さんに微笑むと、受付のお姉さんは顔を真っ赤にしながら赤べこ顔負けの首振りで頷いてくれた。


ルイスとしては、たとえ偽名だろうと歳上の女性にさん付けされるのが嫌だったという理由で言ったのだが、余りにも嬉しそうに頷くものだから言い出せなくなってしまったのだ。

まあ、別にどうでもいいんだけどな。


これ以上ここにいる意味が無いので、俺は受付のお姉さんにお礼を言ってからその場から立ち去った。



出場者が集まる闘技場の控え室に行くと、そこには既に多くの出場者が集まっていた。

そこに居る全ての人が闘志を漲らせており、開会式、そしてその後にある予選が始まるのを今か今かと待ち構えている。

その様子を見て、俺が思った感想は

(相手にもならないかもな……)

だった。

確かにAランクと言われるだけの実力はあると思うが、ルイスは魔神と闘った事により、闘う前よりも確実に強くなっていた。

それに、始まる前から闘志を剥き出しにして相手に実力を教える様な馬鹿な真似をしている時点でお話にもならない。


(警戒するべき人物は……数人か)


精神統一をしているのかわからないが、目を瞑っている男性やリラックスした状態でくつろいでいる女性など、周りに比べて不自然ほど闘志が見られない。たが、眼の奥ではその数人の誰もが負けるはずが無いという自信を持っている。


(少しは楽しくなりそうだ)


そう思い少しワクワクしていると係員が呼びに来た。

開会式が始まると。



闘技場に入ると周囲から歓声が湧き上がった。それもそのはず。殆んどの出場者がAランク以上であり、市民達からすれば憧れの存在なんだ。

そんなメンバーが1箇所に集っている。こんな光景は今回のような機会が無ければ見れないだろうからな。

周囲が歓声を聞き意気込んでいる中、俺はぼーっとしながら周りを眺めているとノイズ音と共に張りのある男の声が聞こえてきた。


「待たせたな。これから開会式を始める」

そう言いながら男が姿を現わすと一層歓声が大きくなった。


(………王か?)

その予想は当たっていたようだ。よく見ればその周囲には護衛や家臣、各国のお偉いさんらしき人物の姿が見えた。


再び王が口を開く。


「今回は250回目の武闘大会と言う事で実力者が集っている。見応えのある大会になるだろう。お前ら存分に楽しめ、そしてしっかりとその目に焼き付けておけ。一瞬たりとも見逃すんじゃねぇぞ!今回の大会には俺も参加する!!」

「お、王様なりませんぞ⁉︎」

「うるせえな、お前らは黙ってろ」

そう言いながら王にしがみついている家臣や護衛を振り払い、王が闘技場に降り立つ


「今大会の間は俺は王じゃねぇ。優勝を狙うSSランク冒険者『武神』クロノス・ヴェード・オーガンだ!優勝は俺が貰う。お前ら自分が持てる全てを出し切って戦え、俺から優勝を奪ってみろ!!以上だ」


王がニヤッと笑う。

それと同時に歓声が起こるが、観客達の怒号の様な歓声に呑まれる者はおらず、むしろ逆………王からの挑戦状を貰ったとでも言うように更に闘志を燃やし、オオオオオとあちこちから雄叫びが聞こえてきた。

ルイスも例外では無く……


(面白いじゃねえか!もう目立つ目立たない関係ない。全力でやってやる!!)

と王の開会式の挨拶を聞き心躍らせていた。



次から予選開始です。

テンションが上がり、自重を忘れたルイスは暴走するのかが見ものですね。


小説の書き方についてなんですが、修正するにあたって統一しようと思います。

以前の様に発言一つ一つの間を空けるか、今回の様に連続して発言させるかどちらの方が読みやすいですか?


それについての意見についても聞きたいのでコメントよろしくお願いします。

票数が多かった方で統一したいと思っています。


更新が遅れてしまったのに読んでくださっている読者の方々本当にありがとうございます。

これからもよろしくお願いします。

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