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さっそく揉め事



1週間前、棒が西に倒れたので西に向かったのだが………


「ここどこだ?」


ルイスはグランドスラムと同じぐらい……いや、それ以上の賑わいを見せる都市クロノ王国に辿り着いていた。

そもそもグランドスラムからクロノ王国迄は、街道を通って約1カ月。近道として"迷いの森"があるが、Cランクの魔物が出現する上に方向感覚が無くなるほど鬱蒼とした森林なので、下手をすれば1カ月以上かかってしまう。なので普通は皆街道を通ってクロノ王国へ向かうのだが、ルイスは真っ直ぐ西へと進み魔物や崖など気にする事なくひたすら西に直進した結果1週間という短い期間で辿り着いたのだ。



そんな事を知らないルイスは、長旅の疲れも見せずに正門でチェックを受けている人達の列に並んで進むのを待つが、列は一向に進む気配を見せない。


(早く進めよ)


そう心の中で思いながらも律儀に待っていたのだが、前の人達もイライラしている事からこのまま待っていても拉致があかないと考えて、列の前に向かった。



「貴様、何故吾輩を待たせておるのだ!吾輩はドボン子爵だぞ!」


「ですが、国王の命によりこの時期は平民、貴族関係無くチェックをしろと……」


「黙れ!そんなものはしなくていい。早く通せ!」


「そういう訳には……」


衛兵と言い争っている如何にも七光りです。と主張している脂ぎった顔に出ている腹。豚のようで生理的に近寄りたくないのだが、列を進ませる為には解決しなければいけない。


「あの、すいません」


「お、おい。お前」


「なんだ貴様は」


「私はレイミアという冒険者になったばかりの小僧なんですが……」


「ふん!冒険者の分際で話しかけよって。お前とは身分が違うのだ。早く吾輩の目の前から立ち去れ」


ドボン子爵……豚がそう言うと護衛が俺の目の前に立ち塞がる。いや、全員が奴隷では無く1人だけ首輪をつけている者がいた。恐らく奴隷だろう。

フードを被っているので姿は顔は見えないがかなりの実力者のようだ。立ち姿に隙が見当たらない。

俺が奴隷の女を見ている事に気が付いたのか、豚は気色悪い笑みを浮かべて俺の姿をジロジロと見てくる。


「よく見れば貴様、良い装備を着けているな。よこせ」


「………は?」


「その装備品を吾輩に献上出来るとは名誉な事だぞ。ほら、喜びで固まってなどおらずにさっさとよこせ」


ナニイッテンダコイツ


決めたルールに則り、1週間の間に装備品は袋の中にあったもので1番弱い物にしたから渡したところで問題は無かった。まあルイスが知らないだけで剣は業物、防具は準一級品なので充分価値があるのだが……


そんな事よりその態度が気に入らなかった。

子爵程度で威張り、俺の物を奪おうとする。

今すぐぶっ飛ばしてしまおうかと考えたのだが、ルールを決めたばかりだ。目立つような事はしたく無い。


俺はよく考えてから口を開いた。


「豚にやる物なんてない(申し訳ありませんが、この装備品は形見なので渡す事が出来ません)」


「ぶ、豚だと!」


しまった!心の声と言っていることが逆だ!


衛兵や護衛も俺の言動に言葉を無くし、口を開けて立ち止まっている。


………これ、言い訳出来ませんよね



「貴様!!吾輩にそんな口を聞いて無事でいられると思っているのか!」


「いえ、貴方様程度にやられる訳ありません。そこの奴隷はそこそこ強い様ですが、私がやられる程ではありませんし、この様な奴隷は貴方様には豚に真珠ですね」


「き、貴様」


「私の装備が欲しいと言うのならば、力強くで奪って見せなさい。ただし、その場合の安全の保証はしませんが」


醜い顔を更に醜くさせながらこちらを睨んでくる。鼻息も荒くなっており、額には脂汗がダラダラと流れている。

しかし、殺さんばさかりの視線を送っていた豚が突然睨むのを止める。

その顔は、良い事を思いついたと言わんばかりの満面の笑みで満たされていた。


「おい、貴様。其処まで言うのならば腕に自信があるのだな」


「貴方様程度ならこの場から動かず、尚且つ片手で倒せるぐらいの実力はありますかね」


「いちいち癪に触る態度をとるガキだ……。そこまで言うのならば明日開かれる武闘大会に出場しろ」


「何故そうなるのですか?」


「貴様の実力を推し量る為だ。もし、そこで優勝する事が出来たら今回は許してやろう。だが、出来なかったら貴様には吾輩の奴隷になって貰う」


「嫌です。まず、こちらにメリットが一切ありませんし、貴方に許して貰う必要性も感じません」


「ちっ。仕方がない。1つだけ願いを叶えてやる」


要らないんだが。


そう考えるが、ここで断るのもまた面倒くさい事になりそうだ。


「では、その奴隷の解放で」


「馬鹿な奴だ。まあいい、貴様が奴隷になったら死んだ方がマシだと思うぐらいの地獄を見せてやるからな」


そう言って豚は列に割り込み、チエックを受けてさっさとクロノ王国内へと入っていった。


それにしてもまた面倒な事になった。

武闘大会か……目立ちたくなかったんだがな。


ルイスは溜め息を吐きながらチエックを済まし王国内へ向かった。



4年に1度開かれる武闘大会。

明日で250回目となる。

そして今大会は250回という節目の大会と言う事で各国の将軍などは勿論の事、今まではパワーバランスの崩壊を防ぐ為参加を禁じられていたAランク以上の者が参加可能とされた。と言っても普通はAランクはともかく、Sランク以上の化け物達は依頼が忙しいや、遠過ぎて情報が伝わって来ないなどで参加出来ないのだが、今大会は何故・・か化け物達が集まる事となった。


それは神のイタズラなのか、それとも運命なのか。

それは誰にもわからない。

だが、この大会を境に1人の少年の運命の歯車が動き出す。






新ヒロインはいつ出てくるんでしょうか……

えっ、もう出ている⁉︎

新ヒロインは地上に降り立った創造神⁉︎


創造神の出番が最近少なくてちょっと残念です。あのキャラ好きなのに……


コメント、リクエストお待ちしております。あなたのリクエストがこの作品を変えるかも……


まあリクエストは来た事無いんですけどね。


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