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「その絶望した顔……最高だ!」


「くそっ」


そう言いながら魔神は『消失』を放ってくる。

眼前に弾幕の様に迫る消失を、回避しようとするが、全て避けきる事が出来ずに何度かかすってしまう。当然『消失』に触れた所は、かするだけでは済まずに抉り取られる。余りの痛みに動きを止めそうになる。しかし、動きを止めると死ぬ事は必然なので止める事が出来ない。その結果、俺は反撃すら出来ずにひたすら避けるしかなかった。


永遠に続くかの様に思われた魔神の攻撃は、突然止んだ。魔力切れを疑ったが、魔力眼で確認しても魔神の魔力はまだ残っている。俺は警戒を強めながら攻撃を放とうとする。だが、 俺は魔神の次の発言によりその動きを止める事となる。

魔神は口を開き、言った。


「もっとお前の絶望する顔が見たいな。 お前の妹を殺」


「黙れ」


目の前が赤く染まり、胸中にはどす黒い怒りが渦めく。威圧など比べ物にならない殺気が空間を支配する。

俺の豹変に魔神でさえも冷や汗を流し、無意識の内に一歩俺から遠ざかっていた。


痛みなど関係ない。

疲れや恐怖も無い。

今あるのは、魔神への殺意のみ。


自分でもここまで殺意を抱くとは驚きだった。俺は1人で生きると決めた筈だった。だか、魔神の言葉に反応して無意識の内に殺意を抱いてしまったのはつまりそういうことだろう。


「俺の大切な人達に手を出してみろ。 お前 の一族郎党……いや、種族そのものを滅ぼしてやる」


「や、やれるものなら」


「ああ、やるぞ。 悪かったなみっともない戦闘をして。 これからお前には生き地獄を味あわせてやる」


「なっ⁉︎」


馬鹿正直に真正面から戦わない。ただの力比べなら確実に負ける。 じゃあどうすればいいか、簡単な事だ。 頭を使い、相手の動きを封じ、力を十二分に発揮出来ないようにしてから殺せばいい。


俺は木魔法で荒れた荒野に木を生やす。富士の樹海など比べ物にならない程に鬱蒼とした森林を一瞬で構築する。

それだけで終わりではない。

水魔法で強力な冷気を発生させる。

森林の足元を泥沼化させる。

周囲にある魔力全てを集めるように魔力を収束した。


魔力の消費は考えない。

勝つ為の準備は整った。

勝負は一瞬でつける。


「反撃開始だ」


俺がそう呟くのとほぼ同時に森林が消え去った。魔神が闇魔法で消滅させたのだ。だが、森林の役目はもう終わっている。そもそも目隠しの為に生やしたのだ。僅か数秒でも足止め出来ただけで充分だった。

魔神は俺を発見した瞬間、消失を放とうとするが、俺がそれを許すはずがない。

地面に雷撃を流す。あわよくばと思ったのだが、魔神は空間に避難する事で雷撃を避ける。計算通りだ。

俺も天步で空中へと移動する。

俺が魔神と向き合うその瞬間にはもう既に消失が俺に向かって放たれていた。たが、それも計算通りだ。

消失は強力な冷気によって映し出された幻影を消失させる。

俺は魔神の背後に周りこんでいる。


「チェック」


「⁉︎」


天龍のブレス。

風魔法と定義して良いのかわからないが、俺には風魔法でこれ以上の技は知らない。

俺は天龍とは違い両手に残り全ての魔力を魔神に向かって放った。


辺り一面が真っ白な光で埋め尽くされる。魔神が当たる直前に何かの魔法を発動させたのが見えるが、圧倒的な破壊力の前には何も役にたたずに光に飲み込まれた。


普通の相手ならここで終わりだろう。だが、相手は魔神だ。これで終わるはずがない。

思った通り、魔神が姿を現した。

だが、その姿はボロボロだった。

左肩から太ももまで消滅しており、それ以外の部分でも余波によってボロボロになっている。


「まだ終わってねぇぞ!」


「チェックメイトだ」


半身を失いながらも俺に突っ込んでくる魔神を俺は、右手に出現させた刀で斬り伏せた。





上半身と下半身を分けられてはいくら魔神でも戦闘が出来ないのか、地に横たわっている魔神は俺を見上げ、口を開いた。


「随分とボロボロだな」


「誰かさんの所為だよ」


「そうか…… 俺はこの身体じゃ3割しか出せなかった。 だが3割と言っても俺は全力だった。 次は負けないぞ」


「やだよ。 もうお前とは戦いたくない」


「ふっ、そう言ってもまた戦う事になる」


「その時はまたぶっ殺すまでだ」


「楽しみにしているぞ」


そう言って魔神の屍体は灰になって消えた。


消えたのを確認すると、一気に気が緩み倒れそうになった。


こんな状態じゃ勝ったなんて言えないな。まだまだ俺は弱い。


そう思い直し、重い身体を引きずりながら地面に落ちていた海王神の玉を回収して旅の扉で深海に転移した。


あっさりと決着がついてしまいました。


もっとちゃんと戦闘シーン書ける様にしたい。文章力が欲しい。

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