それでも……
「はあっ!」
辺り一面が白く染まる。魔神から放たれた何かの魔法により周囲が一瞬で爆発したのだ。
俺はその爆発を腕のスクロールから刀を取り出し、斬り裂いた。
「はははははは! やはり戦いとはこうでなくては」
魔神が俺に向かって何度も何度も魔法を放ってくる。それは全て同じ魔法であり、小細工なども仕掛けられていない。
何を企んでいる?
先程から視界を隠すように俺に向かって爆発を起こしているということは、間違いなく何かをしているということだ。
召喚魔法か? いや、魔神は戦いを楽しんでいる。だから召喚獣など出さずに自身で戦うはずだ。じゃあ目的は何なんだ?
この魔法は通じないとわかっていて俺に向かって放っているということは、目くらましという点は間違ってはいない。
目くらましは俺に対する攻撃の布石。
俺なら何処を狙うか………
「下か!」
「一歩遅かったな」
俺は天步で回避しようとするが、足を封じられて動く事が出来ない。
足には黒い物体が絡み付いていて、俺の足を折ろうと締め付けていた。
『消失』
「くっ……光の空間」
動きを封じた俺に向けて魔神が放った闇の物体を光の空間で防衛、俺の足を封じていた闇魔法も無力化する。
「その程度で防ぎきれるとでも思ったのか!」
「あああああっ」
防御した筈の闇魔法は俺の光の空間を貫通して俺の脇腹に直径1㎝程の穴が開いた。
俺は直ぐにバックステップで後ろに下がり傷を確かめる。
その傷跡は異様だった。
そこに初めから存在していなかったかのようにぽっかりと穴が開いている。
治癒魔法をかけてみるが、治りが遅く、戦闘中に治せるような怪我では無い。
「何なんだよ…この魔法は」
「闇魔法だ。 だが、この魔法の文献は残っていない為、古代魔法と言ってもいい」
俺が今使える光魔法の中で最高の防御技である光の空間でさえ、威力を軽減させる事しか出来ない魔法。
それに加えて体術でもスピードでもパワーでも勝てないという事実。
……一体こんな化け物にどうやって勝てばいいんだよ。
俺は絶望した。
戦闘は次で終わると思います。
長引いてしまってすいません。
この後、どうやって主人公と魔神の決着をつけさせるか頭を悩ましている最中です。
……いっそ主人公交代させたろか
多少自暴自棄になっていますが、多分そんな事はしないと思います。
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