宿屋に帰還
「すまない。遅くなってしまったが風呂に入る準備をして貰っていいか?」
「1人宿泊、お風呂とご飯追加でよろしくね」
「は、はい。ええっと……」
少し困ったように俺の方をチラッと見てくる。そりゃそうだろう。先程まで1人だった奴がいきなり女を連れてやって来たんだから。
「迷惑かけて悪いが、この女の言う通りにしてやってくれるか?」
「も、申し訳ありませんが、先程の騒動の所為で只今満室になっています。相部屋ではいけませんか?」
「いいですよ!というか何故あなたは別々の部屋で寝ようとしているの!ここはさりげなく相部屋にして美少女であるシーアを美味しくいただー……きゃっ」
「はぁーー。分かったそれでいい。本当に迷惑かけてすまない」
「痛い!何するのよ」
「黙れ。勝手について来た癖に喚くな迷惑女が。本当にすまなかった。これは迷惑料だ」
俺は少女に金貨1枚をチップとして握らせる。その間もずっと俺にチョップされた迷惑女が頭を抑えながら喚いていた。流石にイラっとしたので、軽く目潰ししてから服を掴んでズルズルと部屋まで連れて行った。……いや、階段もそのままの状態で登っているからゴンゴンの方が正しいか。
「ご、ごゆっくり……」
階段を上りながら見た少女の顔は、営業スマイルが崩れて俺の行動にドン引きして引きつっていたのだが、見なかった事にしよう。
俺は部屋の扉を開けて迷惑女をぽーいと荷物の様に放り投げると「うげっ」という女らしく無い悲鳴をあげた後、起き上がりまた喚き出した。
「いい加減にしてよ!何でシーアがこんな目にあわなきゃいけないの!そもそもあなた何歳なのよ」
「8歳だが何か問題でも?」
「問題大有りよ!私よりも年下じゃない。私は12歳よ。4歳も年上なのよ。だから私の言う事を聞きなさいよ」
「自分より弱くて人に寄生している迷惑女の言う事を聞かなきゃいけないんだ」
「いいから聞きなさい!それに迷惑女じゃ無くてシーアよ!」
「おい迷惑女。お前化けの皮が剥がれてるぞ」
「……っ、ごめんね。ちょっと取り乱しちゃった」
「今更だな」
「もういいわ。はぁ…なんでこんな奴と一緒の部屋に泊まらなきゃいけないのかしら」
「それはこっちのセリフだ。それに押しかけてきたのはお前だからな!」
「あ、あの〜お風呂の準備が出来たのですが…」
少女が申し訳無さそうな顔で報告してくれる。本当に申し訳ないな。
「ああ、ありがとう。じゃあ今すぐ入るよ」
「あっ私も入る」
「その事なんですけど、ちょっと事情というか手違いがあったというか……」
何だろう。嫌な予感しかしないんだが。
「お二方一緒に入って貰えないでしょうか」
「「………はぁ?」」
俺たちは声を揃えて少女に聞き返した。
はい。成り行きのまま書いていたらとんでもない流れになってしまいました。
本当にどうしましょう……
まあそれは置いておいて、今回も読んでくださりありがとうございます。
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