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迷惑女

4/17 誤字を訂正しました。

「やだっ!もう止めて」


「何を言ってるんだ。止めるわけ無いだろ」


「じゃあそんなに激しくしないで……」


「お前が動かないから悪い」


「もっ、もう駄目……。お願いだからそれ以上は……ああっ」


「さっきから煩いんだよ!集中しろ!」


「そんな事言ったってあなたとは違うんですから、こんな無茶な修行に耐えられる訳無いじゃないですか」


「始めにも言っただろ。これが本当の戦闘なら動かないと死ぬって……先ずは回避を覚えなければ間違い無くお前は死ぬ」


「そうは言ったって修行を始めてからかれこれ3時間は経ってますよ!あなただって海獣と戦って疲れてるはずなのに如何してそんなに動けるんですか⁉︎」


「無駄な動きが無いからだ。まあ、そろそろ夜も遅いし続きは明日にするか」


取り敢えず資質を確かめる為に迷惑女の剣の腕を確かめたのだが、正直言って予想以下だった。剣筋はヘロヘロでスピードも無い。踏み込みもそれ程速いわけでもなく、寧ろ遅い。それだけでは無い。予備動作が大きく、碌に回避も出来ないので、わざと遅くしている俺の木刀も捌けずにボコボコにやられている。


正直今まで五体満足で帰ってこれたのか奇跡だな。


俺が迷惑女に明日の集合場所と時間を告げた後、そんな事を考えながら宿屋に戻ろうと歩いていると、後ろからちょこちょこと隠れながらついてくる奴が1人いることに気づく。


俺は少しルートを外れて路地裏に入って待ち伏せしていると、それに気付かずにやって来た迷惑女が姿を現した。


「何でついて来るんだ?」


「えっ、えーっとですね、そう!行き先が同じなんですよ!唯の偶然です」


「そうかそうか、俺はてっきり宿屋に一緒に泊まらせろって言うかと思ったんだがな」


「ギクッ」


「まさか、そんなはず無いよな?そんなに図々しい訳無いよな?いやー疑って悪かった」


「そっそうですよ!そんな訳無いじゃないですか!誰があなたなんかと……」


「じゃあ用は無いな。また明日な」


「ごめんなさい嘘です。はい。そうです。私はあなたの宿に一緒に泊まらせて貰おうとしてましたよ!何か悪いですか!」


「金は?」


「あなた持ちで」


「食事と風呂も?」


「勿論つけて貰います」


「図々しいんだよ迷惑女!何で俺がお前なんかの世話をしなきゃいけないんだ!」


「いいじゃないですか!こんな美少女と一緒の部屋で寝れるんですよ!」


「えっ?美少女なんか何処にいるんだ?」


「目のにいます!あなたの目は節穴なんですか⁉︎」


「ったく煩いな。そもそも俺にメリットはあるのか?」


「私みたいな美少女と一緒に寝れる」


「じゃあな」


「ああっ待ってください!お願いします。もうお金が無いんです。これじゃあそこらへんにいる誰かに襲われちゃいます」


「どんまい」


「行かないで下さい!本当にお願いします。何でもしますから」


「へぇ……じゃあ何でもして貰おうか」


「……仕方がありません。初めてですが優しくしてくださいね」


「何を勘違いしているんだ。お前には俺の魔法の実験台になって貰う」


「えええええ⁉︎」


「じゃあ行くぞ」


「ちょっと!そんなの酷いですよ」


「煩い!キャンキャン喚くな」


本格的に頭痛がして来た頭を抑えながら、俺は迷惑女を宿屋に連れて行くことになってしまった。

はぁ……本当に憂鬱だ。

遅くなってしまい本当に申し訳ありません。

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