表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/106

状況分析(仮定)

次の日、男はこの辺りで一番大きな家を購入した。

もしかしてこの二人はお金持ちなのか?

それなら俺を引きとった理由もわかる。

それに単純に嬉しいしな。贅沢ができるぞ!贅沢が。まずは本を読んで美味しいものもいっぱい食べて……それから、それから…

まあ今はそんなことどうでもいいか。

とりあえず今やるべきことは、言葉を理解することと、歩き回れるようになることだな。

それまでは赤ん坊のように振る舞わねば……


その後、男はメイドを雇ったり食料を買ったり、と色々と生活に必要な物の準備を進めていった。

また、時折俺を伺うように見てくるので、笑っておいた。出来るだけ早くこの男が俺とどういう関係になっているのか把握しなければならないな……


今現在の目標と状況を整理してみよう。


まず目標は

この国の独自言語を理解する。

歩き回れるようになる。

この二つだ。


独自言語は会話を聞いているだけでは理解に時間がかかるので、出来れば本が欲しい。

本があればあっちの世界での様々な国の文法を使って解読することが出来るからな。

歩き回わることは日々のトレーニングしかないな。首がすわり次第歩けるようにしておこうかな。


状況についてだが、残念ながらまだこっちは何も分かってはいない。なにせ言語がわからないからな。

だが仮定は立てられる。

今この状況を仮定すると、俺は赤ん坊に転生され、この結婚したての二人組の男女に引きとられた と考えるのが妥当だろうな。


なぜ結婚したてかわかるのか……それは初々しさだ‼︎

二人は何をするにしても初々しい。

おそらく結婚したてだろう。


まあこんな感じか……

この第二の人生は前回のような失敗はしないように頑張るとしよう。

前回とは違って今回はやり直しなんて出来そうにないからな。

そう決意して俺は眠ることにした。


レイナルドは不思議に思っていた。

馬小屋にいた捨て子を我が子として迎えたのだが、なぜそんなことをしたのか……

あの光の柱は何だったのか……

ルイスはなぜ必要な時以外泣かないのか…

数々の疑問が脳裏によぎるが俺は頭を使うことは苦手だ……なので、ミリアに相談することにしよう。


「ミリア、ちょっといいか?」

「何?そんなかしこまって」

「ちょっと相談したいことがあってな……」

「それってルイスのこと?」

「ああ、なんで俺達はあの子を引きとったと思う?」

「運命だからでしょ。私たちはそういう運命だったの」

「運命なんて……」

「運命なの。だったらあの光の柱はどう説明するの?あの柱は創造神の意思でしか現れないものでしょ」

五大神が束になってかかっても勝てなかったという創造神……今はどこにいるのか知られていないが光の柱が現れたということは、つまりそういうことだろう。

「わかった?私たちがいくら考えてもわからないものはわからないの。じゃあ行動するしかないじゃない」

「そうだな……それに、考えることは俺の性に合わないしな」

「考えることは私の分野だからね」

そう言ってミリアは微笑んだ。

やはり彼女は、俺の嫁は頼もしい。


俺は考えることをやめるのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ