謝罪
境界線まで戻ると先程の冒険者ギルドに居た連中が集まっていた。
勿論婆さんも一緒にいる。
こいつらは俺の姿を確認すると、一部の人間や海人は歓声を上げ大半の人や海人が恨めしそうに俺を睨んでくる。
(俺何かしたか?)
そう考えていると金が受け渡されているのが目に入った。
(賭けてたのかよ!!あいつらぶっ殺してやろうか!)
俺はイラっとしてつい威圧をしてしまい、それに反応した冒険者達の顔がみるみるうちに引きつっていく。
(ふぅ……落ち着け俺。こんな街中で暴れる訳にはいかないぞ!落ち着くんだ!)
中二病っぽく右手を抑えながら心の中でうおおおおとやっていると婆さんと俺に絡んできた冒険者が近づいて来た。
「なんだ?」
「先程はすまなかった。Aランクに上がって少々調子に乗っていた。許して欲しい」
頭を下げてきた男をよく見ると微かに震えている。この震えは屈辱によるものなのか、それとも恐怖によるものなのか……
それは俺にはわからなかった。
だが、こいつが本心から謝ろうとしているのはわかる。喧嘩をした相手に頭を下げるという事は出来そうで出来ない事だ。
「別にいいぞ」
「えっ⁉︎」
「許す。だから顔を上げてくれ」
「あ、ああ。ありがとう。俺は《剛腕》のグラスだ。よろしくな」
俺は此処でルイス=グラジオスと言おうとした。だが、グラジオスは冒険者の中では有名な名前だ。偽名を使う事にしよう。
「ルイス=レイミアだ」
家族の名前を合わせただけだが、まあこれでいいだろう。
俺の意図に気付いたのか、婆さんが笑っていた事は置いておく事にしよう。
「ところで何でそんなにボロボロなんだい?あんたなら苦戦する相手でも無かっただろ」
「こいつの所為で刀は使えず、動きも制限されていたんだよ。ったく何なんだこいつ……全く離れねぇんだけど」
婆さんとグラスが俺の背後にくっついてる奴を見て苦笑いをもらす。
「ルイス災難だったな。そいつは必ず魔物を引き連れてくる問題児なんだ……悪い奴では無いんだがな。言っておくが悪気は無いんだぞ!ただ、そういう体質というかなんと言うか……」
「何そのクソ迷惑な奴。悪気が無いってのが悪質だな!」
「本人も気にしてるんだ。起きたとしてもキツく言わないでやってくれよ」
俺は背後で呑気に寝ている奴を見てこれからどうするのか改めてため息をついた。
更新が遅れてしまい、本当に申し訳ありません。
学校が始まって課題テストがあり、模試の勉強もしなければいけない……
そんな私情により更新が遅れてしまいました。
今後出来るだけ早く更新するつもりですが、毎日更新が厳しくなってしまうかもしれません。
そこはご了承して下さい。
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これからもよろしくお願いします