番外編part2
「暇……暇だーーーー」
年末年始最後の行事である大掃除。
どうやらそれはこちらの世界でもあるようなのだが、家にはメイドがいるので正直言ってやる事が無く、暇を持て余している。
「ねえお兄ちゃん」
「んーー?」
「暇なんだったら倉庫に行かない?」
「ダメだったよ。倉庫にはいつも通り結界がかかっていて入れなかった」
両親が旅をして集めた品が大量にしまわれているという倉庫。そこには1度も入らせて貰えず、何度も扉を壊そうとして魔法を放ったのかわからない。
流石に隕石などの災厄レベルの魔法を使う事は無かったが、普通の家数件程度なら吹き飛ばせる程の魔法を連発した事がある。
結果は倉庫が無事残っている事から分かるだろうが、結界に拒まれて扉を開ける事は出来なかった。
勿論その後2人には怒られ、いつもの10倍ものキツいトレーニングをさせられて死にかけたのはまた別の話だ。
大掃除の日ぐらいは開けているかと思って先程入ろうとしたのだが、ラミアにも言った通り結界によって入れなかったのだ。
だが、そんな事実を伝えてもラミアは落ち込む事なく、寧ろ誇らしげな表情をしていた。
「それがね!アランさんとレイラさんが手伝ってくれて何とか開けることが出来たの!」
「本当か!」
普段なら2人とも何やってるんだと突っ込まなければいけないところなのだが、俺は長年見たい見たいと思っていた倉庫が見ることが出来る事に興奮を覚えてラミアと2人で倉庫へと向かった。
それが大きな過ちだった事に気付かずに……
「うっ……ここは?」
俺は見慣れた部屋に寝かされていた。横にはラミアやアランさん、レイラさん、そして両親が心配そうに俺を覗いていた。
「すまなかった。ラミアに頼まれて開けてしまった俺が悪かった」
「……一体何が起こったんですか?」
俺は倉庫に入った。広い倉庫の割に物が全く置いていなくて不思議に思った事も覚えている。そしてラミアが部屋の中央に置いてある宝玉を見つけて近寄って行ったんだ。
その時なんだか嫌な予感がして……
それから……ダメだ思い出せない。
「思い出せないのは当たり前よ。私が記憶を封じ込めたもの」
「母様……あれは何なのですか?」
「破壊の宝玉と言われる物だ。昔迷宮を探索した時に見つけた非常に危険な呪われた物だよ」
「父様、何故それが倉庫に?」
「余りにも危険だから俺たちが他の人の手に渡らない様に封印していたんだ」
「正直言ってあれを破壊しようとしたのだけど、私達には出来なかったわ」
「ごめんねお兄ちゃん。私を庇ったばかりにこんな目にあって」
「けれどルイスが庇ってくれなければラミアは死んでいた。今回は特別にいつものメニューの20倍を1週間で許してやる」
父様がそう言ってニヤっと笑った。
だが、俺の顔は引きつっているだろう。正直10倍のトレーニングを思い出しただけでも気持ち悪くなるぐらいなのに……
「ちなみに、それはどんなトレーニングなのですか?」
「うーーんそうだな。魔法無しで俺とアランの2人を相手にするぐらいかな?
勿論重りありの寸止め無し。負けたら重りを追加で村を一周した後休憩無しでトレーニングを再開。それを100セットぐらいでいいか」
「あの、それ普通死にます」
「大丈夫だ。死にはしない。死にかけるとは思うがな。じゃあ早速始めようか」
「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁ」
俺の悲痛な叫びは無視され、俺は強制的にトレーニングをさせられた。
俺がそのトレーニングの最中何度も気を失って創造神と会ったことはまた別の話だ。
破壊の宝玉については詳しく説明して貰えなかった。だが、口ぶりからしてどれほど危険な物かは理解出来たし、もう2度と倉庫には近づかないと心に誓ったのだった。
今回の話は正直いって何を書いているのか自分でも理解出来ません笑
けれど《破壊の宝玉》は今後のストーリーに出てくるかもしれないので、危険な物だなーぐらいの認識でいいので覚えて貰えたら嬉しいです。
読んでくださった方ありがとうございます。
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では、また明日