王宮へ
王宮に着くと見知らぬ門番が立っていた。恐らく新人だろう。そう思って話しかけようと思ったのだが……
「おい、貴様何者だ!此処は貴様の様な下郎の来るところでは無い。さっさと引き返すんだな」
と言って話すら聞いてもらえなかった。
(いや、そういえば服を着替えてなかったか。そう思われてもしょうがないのか?いやいや、例えそうであったとしてもあんな態度では駄目だろう。
全く、ここの兵士の教育はなっていないな)
「おい、おい貴様。何をぼーっと立っているんだ!早く立ち去れ」
「いや、俺は……」
「口答えをするな!早く立ち去れ!」
「はぁ?」
人の話も聞かない一方的な物言いに俺はブチ切れて威圧を全開にして放った。
勿論範囲制限などもせずに。
「ひっ、ひぃぃ」
「おいおい、何してんだよ。お前はこの王宮の門番なんだろ?得体の知れない相手を前にして座り込んで震えるのが門番の仕事なのか?なあ答えろよ」
座り込んで震えている門番は今にも気を失いそうだが、俺は一切止める気は無い。寧ろ威圧を更に強くした。
「おい、貴様。そこまでだ!」
俺の威圧は王宮の中にまで届いていたようで、それに反応した懐かしい人物が俺に注意を呼びかけていた。
俺はその人物の言う通りに威圧を止める。
「ん?やけに聞き分けがいいな」
「俺は喧嘩をしに来た訳じゃないからな」
「お、お前は……ルイスなのか?」
「ああ、久しぶりだなレイラン。なんなんだよその顔は。幽霊を見た様な顔をしやがって」
レイランは目を大きく見開き、口をあんぐりと開けている。
そんなレイランが可笑しくて笑ってしまう。
「何を笑っている……何も言わずに立ち去ったかと思ったらひょっこりと現れて。私達がどれだけ心配したと思っているんだ」
「あれ?言ってなかったっけ?」
先程までレイランの目が潤んでいたのに、俺がそう言った瞬間、青筋が浮かび上がる。
(あ、やべぇ)
そう思って逃げようとしたが、首根っこを掴まれた。
「まさか逃げられるなんて思ってないよね〜」
「あ、あははははー」
「行くよ」
「いやだぁぁぁぁぁぁぁぁ」
先程兵士を威圧していたと思えないほど情けない姿で俺は王宮へと引きずられて行った。
短い上に遅い更新ですみません。
また私情で遅れてしまいました。
暫くの間は短くなるかもしれませんがご理解して頂けたらと思います。
コメント待ってます。