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修行の様子

「ほらほら、どうしたもう限界か?」


「んなこと言ったってな……」


修行開始から数ヶ月、日々修行の内容は厳しくなっていた。

体捌きや足運びのやり方を変えることで天ちゃんの攻撃を紙一重で躱し、即座に反撃をするということまで出来るようになったのだが……


「素手で天ちゃんにダメージを与えるとか無理ゲー過ぎるだろ……うわっ」


「ほらほら、余計な事を考えていると死ぬぞ」


「いきなりブレスを撃つなよ」


「余計な事を考えているからだ。集中しろ」


「くっそ、絶対にぎゃふんと言わせてやる」


「ぎゃふん」


「言うと思ってたけど実際に言われるとムカつくんだよ!」


「もっと全ての動きを連動させて攻撃をしないと効かないぞ」


「言っていることが正しいから尚ムカつく」


喋りながらも全神経を天ちゃんの動き1つ1つに集中させ、次の動作を予測し、最小限の動きで避ける。勿論その後カウンターを入れているのだが強靭な鱗を前に全くの無力だった。

それどころか修行開始当初は、1発殴ったり蹴ったりする度に俺の拳の皮がズル剥けて骨が剥き出しになったり、骨にヒビがはいったりしている。

すぐさま回復しているが、それでも痛いものは痛い。

修行開始当初と比べて、今はもうこの程度の痛みにはもう慣れてしまったが、集中が切れてしまい、天ちゃんの攻撃をモロに喰らった時は流石に顔を顰めてしまう。

一瞬で治せるからと言ってもやはり痛いものは痛いのだ。特にその攻撃はブレスだった時は喰らいながら治癒魔法をかけていたのだが、余りの痛さに気絶しかけて危うく死んでしまうところだったのは今となってはいい思い出だ。

それからというものはブレスだけは何としてでも避けるように心がけている。

そんなことをしみじみと考えていると天ちゃんが攻撃を止めた。休憩のようだ。


「しかし、硬くなったなぁ」


俺の肉体は、天ちゃんを修行開始当初に比べて頑丈になっていた。

拳や脚は天ちゃんを10数発殴ったり蹴ったりしないとズル剥けになったりヒビがはいったりする事は無くなり、肉体はブレスをうけても肉が抉れて骨にヒビがはいる程度まで強化されていた。


「身体強化が上手くなってきたようだな」


「身体強化?何それ、補助魔法と何か違うのか?」


「……ちょっと待て、小僧今の今まで身体強化しないままやっていたのか?」


「ああ、修行を始めてから補助魔法は一切使っていない」


天ちゃんがこいつ馬鹿だろっていう顔をする。


失礼な…俺は馬鹿じゃないぞ。まずそんな事を言わない天ちゃんが悪いんだ。


「で、身体強化って何?」


「………はぁ」


天ちゃん曰く、身体強化とは魔力を身体に行き渡らせる様なイメージで発動させるらしい。

身体強化を行うと、その名の通り身体が強化されて、身体を通常より頑丈にしたり、無手での攻撃力を上げたりする事が出来るという。武器もこれで強化出来るようだ。


「なんで教えてくれないんだよ」


「修行は自分で試行錯誤を繰り返して身に付けていくものだろ。威力も上がってきたし、頑丈にもなったから使っていると思って聞いたんだが……」


明らかに馬鹿を見る目で見てくる。いや、今回は俺が馬鹿だったわ。なんかこの頃脳筋になってきているような気がする。気をつけなければ……


その後、古代魔法の特訓をし、自己流の特訓をする。

今、武器は袋に入っていた日本刀を使っている。天ちゃん曰く、父様の神殺しと同等……いや、それ以上の武器らしい。

一体この袋を持っていた冒険者は何者なんだろうか……


俺はそんな事を考えつつ身体を動かし、自己流を完成させる為に体力が尽きるまで続けた。



次の日、俺は天ちゃんの言う通りに身体強化を使う事にした。

魔力を身体に行き渡らせるイメージという事は、60兆ある細胞の1つ1つに魔力を纏わせるように行き渡らせる。

大量の魔力を消費したが、身体強化とはこういうものなのだろう。

それにいつもより身体が軽い。まるで羽根みたいだ。天ちゃんの攻撃を最小限の動きで躱し、懐に入る。


「双掌打」


鱗と鱗の継ぎ目に力を流し込むように双掌打を放つ。身体強化された事により少しは効くだろうと思っていたが、目にしたものは信じられない光景だった。


「ウギャァァァァ」


「えっ?えっ?」


両の手を相手に打ち付けて内部にダメージを与える双掌打によって、外側(・・)の鱗が破壊され、天ちゃんの肉体に直接ダメージを与えていたのだ。

天ちゃんは双掌打の威力によりその場から5メートルほど後退している。

どうやら相当なダメージがあるようで、俺はすぐさま駆け寄って天ちゃんを回復させる。


「……何故ただの身体強化でこれ程までの威力が出るのだ。小僧、どういう風に魔力を流し込んだんだ?」


「えっと……ただ単に身体の細胞1つ1つに流し込んだだけだけど」


その事を説明すると天ちゃんは口を開けて驚いていた。普通は身体に行き渡らせるといっても殆ど身体に纏う程度にしかならないらしい。

つまり、俺が異常だと遠回しに言われていた。

そんなつもりは無かったのに、危険すぎるからと身体強化を禁止され、次のステップである刀と魔術を併用したトレーニングに移行されたのだった。





後少しで修行編は終わりにする事にします。


また、私情なのですが、23〜26日は用事があるので更新は出来ません。


ごめんなさい。


日間ランキングに載るように頑張って面白い作品を書いていこうと思っています。


これからもよろしくお願いします。

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