決意
4/17 誤字を訂正しました。
「君に天神流を教えることはできない」
レイラさんは淡々と俺にそう告げた。だが、当然納得出来るはずがなかった。両親の仇を討つために天界に修行に来て、運良く父様の師匠に出会えたのだ。当然稽古をつけて貰えると思っていた。それを断られてしまったのだ。冷静になどなれるはずがない。
普段の俺ならレイラさんの表情を見ただけで何か考えがあってのことだと理解出来たのだろうが、今の俺にはレイラさんの顔を見る余裕すらなかった。
「なんで、なんで教えてくれないんですか」
「落ち着け」
「俺がレイラさんの攻撃を止めたからですか?他に何か気分を損ねることでもしましたか?」
「ルイス話を聞け」
「まさか料理が口に合わなかったとか……」
「ルイス!」
「……っ」
レイラさんが怒鳴ったことにより俺は断られてから初めてレイラさんの顔を見た。
どこか悲しげな表情をしたレイラの顔を見て俺の頭は急速に冷えていった。
そうだ、まずは理由を聞かない事には何故レイラさんがそんな事を言ったのかわかるはずがない。
「取り乱してしまいすいませんでした」
「いや、別に構わない」
「じゃあ何故天神流を教えてもらえないのかを教えてくれますか?」
「そのつもりだ」
「ルイス、お前には天神流は必要がない。いや、天神流だけじゃない。人神流や龍神流も必要がない。全く必要ではないと言っている訳では無いが、レイナルドが破壊神と対峙した時、破壊神にはそれらが一切通用しなかったと聞いている。ルイスがレイナルドの領域まで辿り着き、レイラ並みの魔法をマスターしても恐らく勝てないだろう。
ルイス、お前はもう天神流、人神流、龍神流の基礎はマスターしている。その基礎を多彩な魔法と剣を組み合わせた自分だけのスタイルの礎とし、昇華しろ。
そうすればレイナルドやミリアナが足を踏み入れることのなかった領域に達することができ、破壊神にも対抗出来ると私はおもっている」
レイラさんはこの1ヶ月間自分が天神流を教える事が正しいのか悩んだという。
そしてその結論はNOだった。三大流派をマスターしただけでは勝てないと判断した。ただそれだけのことである。
けれど、今後俺1人で新しいスタイルを創れるのか、手伝った方がいいのではないだろうかと悩んでいたそうだ。
けれど最終的にはレイラさんは、俺1人で創り上げた方がいいと判断し、俺のことを信用して任せてくれたのだ。
ここで俺が、出来ませんなどと言うべきではない。信用してくれたレイラさんに応えるためにやる事はもう決まった。
「レイラさんありがとうございます。
俺、頑張ります」
「ああ、頑張ってくれ」
たったそれだけのやりとりだったが、レイラさんは俺の気持ちを理解してくれたようだ。
俺はレイラさんの期待に応えるべく、食料を買い込んで堕落の洞窟へと向かった。
短いかな?短いよね……
本当に申し訳ありません。
他の作家さんはどうやってあれほどの長さの文章を書いているのだろうか……
心底尊敬します。
今更なんですけど、妹のラミアよりレイラの方が出番が多いのって……
まあそれは置いといて、ここから多分急展開すると思います。年月も一気に進めたいと思います。
皆さんこれからもよろしくお願いします。