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料理

「くそっこんなんじゃない」

「他に何かいりますか?」

「今、この場に無い食材と調味料を全て買ってきてください」

「わかりました」

「坊主、次は何をすればいい?」

「そこの野菜の皮を剥いといてください」

「任せろ」

メイドさんは俺から渡された金貨を数枚持って走り、料理長は俺の指示通りに皮を剥いている。

俺はそれを尻目に再び作業に取り掛かった。

何故俺がこんなにも人を使っているのか、それは地球と異世界の違いのことをすっかりと忘れていたからだ。


ーー数時間前。


「じゃあお借りしますね」

「そんなに遠慮すんな。それよりも早くその和食っていうやつを作ってくれよ」

「わかりました。ではまずは調味料と食材の確認をしますので全て持ってきて貰えますか」

「おうよ」

そう返事をして料理長が持ってきたのは3種類の調味料と肉と野菜だけだった。


「あの……これだけですか?」

「今あるのはこれだけだな」

「………わかりました」

俺は気をとりなおして調味料の確認をするが、そこで俺は固まった。


「これは、砂糖と塩と胡椒」

「その通りだ」

よく分かったな坊主とでも言いたそうな顔をしている料理長の頭をアイアンクローする。


「これだけですか」

「痛っ…痛いっ、調味料はこれだけだよおおおお」

「醤油と味噌は?酢は?」

「そ、そんなもの聞いたことがない。あぎゃぁぁ」

「くそっどうすれば…」

(とりあえず調味料は置いておくとして他の食材は大丈夫か?いや、米と魚が無かったら話にならないし、あったとしても調味料が無かったら意味がない。くそっ、ここが異世界ってことをすっかりと忘れてた。異世界に行って調味料が無いなんてテンプレじゃねーか……とりあえず調味料を探すしかないか)


そうして冒頭に戻る。

俺は今ある食材を蒸す、焼く、煮ると色々な調理方法を試しながら地球の野菜に近いものを探す。

「これは大根、こっちは人参か」

「か、買ってきました」

「よし、まずは買ってきた調味料を出してくれ」

「は、はい」

出された食品の中には味噌と醤油は無かったが、大豆と思われる食材はあった。


「おい、料理長」

「なんだ?」

「倉庫に密閉してある古い穀物はあるか?」

「あるが…そんなもん何に使うんだよ」

「いいから持ってこい」

「なんだかわからねえが任せろ」


周りにいるメイドや料理人たちは首を傾げているがそんな事は気にしない。

料理長が取りにいっている間に俺はメイドの買ってきた食材を確認する。


「昆布に酢、米それと……この魚は鮭か」

「おーい持ってきたぞ」

「貸してくれ」


俺は料理長が持ってきた瓶の中を開けるとむわっとした匂いが広がり、周りにいた人間はうっ と顔をしかめるが気にしない。俺はそこにあった個体を指ですくって舐めた。


「お、おい何してんだ」

「これで準備は整った作るぞ」


俺はそれから1人で調理を始めた。

鮭に塩をまぶした後、別の瓶で出来ていた醤油と高い酒、それにみりんを加えた液体に浸し1時間放置する。

その間に米を鍋に入れてとぎ、その後に水を入れていつでも加熱出来るように準備をしておく。

次に昆布で出汁を取り大根と人参を細く切ったものに昆布出汁と酢、砂糖、塩を加えて放置。本当は1日つけておかなければいけないけど今回はしょうがない。


そうこうしている間に1時間たったので鮭を取り出して焼く。それと同時に米も火にかけ炊き上がりを待つのみとした。


「っと、卵焼きを作るの忘れてた」

卵焼きの塩味を鮭が焦げないようにしながら作る。それと同時進行でお湯を沸かして味噌汁を作る準備もする。


「おしっ、焼けた」

鮭を皿に盛り付けるとほぼ同時に米もいい感じに炊ける。火を止めて味噌汁を作り、浸しておいた紅白なますを取り出して盛り付ける。

「完成だ」

プロの料理人が作った和食には到底敵わないが、素人が即席で作った料理にしては出来のいいものだろう。その証拠に後ろのメイドや料理長が口々に美味しそうやあんな料理見たことないなどと感想をもらしている。


「じゃあ王様とレイラさんを食卓に呼んでくれるかな?」

「は、はい」

そう言って俺は料理を食卓へと運んだ。


「こ、これは」

「鮭のつけ焼きと卵焼き、白米と味噌汁、そして紅白なますです」

「ルイス、これ本当にお前が?」

「はい、食べてください」

「うむ」

「ああ」

2人が料理を口にした瞬間、くわっと目が見開かれた。

「…ルイス君、王宮の専属料理人にならないかね?」

「美味しい」

「口にあってよかった。嬉しいです」

王様が何かほざいていたが無視する。王様はついででレイラさんに喜んで貰うために作ったのだ。当たり前だろう。


「その年で料理も上手で剣術も魔術も一流、君は本当に何者なんじゃ?」

「ただの5歳児ですよ」

その質問に俺は答えられるはずも無く、笑顔で誤魔化した。


その後、王様に娘や王妃にも作ってくれと頼まれ、料理長やメイド達にも作る羽目になった。

ラミアはほっとかれた上に料理も食べれなかったことでヘソを曲げてしまい、宥めるのにクッキーとケーキを作ったのをこれまた皆んなに見られてしまい、それからというもの約1ヶ月間修行も出来ずに料理を作らされたのはまた別の話。

これからできる限り毎日投稿する事にします。

よろしくお願いします。


コメント来ないかなー(泣)

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