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ネーミングセンス

「おい、おい小僧」

「はっ」

俺は天龍に呼ばれ、現実に引き戻される。その天龍はどこか緊張した顔で扉を見ていた。


「小僧前言撤回だ。教えて欲しかったら我を守れ」

「え?」

天龍がそう言った瞬間、扉からレイラさんが現れて天龍に斬りかかった。


(まじかよ)

俺は咄嗟にレイラさんと天龍の間に木を数本生やして通れなくしようとするが、レイラさんは意にも介していないようで木を切り倒す。だが、スピードは少し落ちた。

(いける)

そう思った俺は強風を発生させた。砂煙で目を潰し、スピードをさらに落とさせようとしたのだが、予想と反してスピードは落ちなかった。なぜなら、レイラさんは目を潰されるのを避けるために目を瞑っていたからだ。

(だけどその状態からは……)

攻撃なんて出来無いーーーそう思ったのだが、レイラさんは目を瞑ったまま天龍に向かって技を放った。


「三の太刀 神威」

(間に合え)

俺が放った火魔法は一太刀目で防がれ、残りの11連撃が天龍に浴びせられた。

(間に合ったか)


「なっ……」

いくら天龍といえども神威をまともに受ければ無傷でいられるはずが無い。だが、天龍は無傷だった。

しかし、レイラにとってはもはやそんなことはどうでもよかった。そんなことより、ルイスの行動の方が不可解だったのだ。先程まで自分達を殺そうとしていた天龍を庇ったのだ。その行動の意味が理解できずに剣を振り下ろした姿で固まっていたレイラを心配してルイスが声をかけた。


「レイラさん大丈夫ですか?」

「ルイス、どういうことだ」

「え?」

「なぜ天龍を庇ったんだ」

俺は天龍に助けを求めるようにチラッとアイコンタクトをしようとするが、天龍は目を逸らした。

(それはないって……)

「どうなんだルイス」

俺の肩を掴み、前後に揺らして頭の中をシェイクしてくるレイラさんにどう説明しようこ、それと天龍をどう罰するかを考えながら俺は意識を手放した。


「……すまないルイス。動揺していた」

「いえ、いいんですよ」


数分後、目を覚ました俺はレイラさんに説明した。そんな馬鹿な話があるかと初めは信じなかったが、天龍の様子を見て納得せざるを得ないと思ったのか、それとも諦めたのかわからないが納得してくれた。


「……で、どうするんだ?王宮に戻らずここで修行するのか?」

「我はいつでもかまわんぞ」

「えーっと、こう言っているみたいなので、一旦王宮に戻ってやる事を終わらせてからここで修行をすることにします」

「どう言っているのかは聞こえないからわからないが、まあいい。じゃあ天龍さん?天龍様?」

「好きな呼び方でいい」

「天ちゃんがいいって」

「「天ちゃん⁉︎」」

「ネーミングセンスないぞ。というかその呼び方はやめてくれないか?」

「わかりました。天ちゃんですね」

「やめろーー」

「喜んでいます」

「そうかそれはよかった」

「おいーー」

天龍の悲痛な叫びはレイラには聞こえていないのでルイスの言葉により納得してしまっていた。少しやり過ぎかなと思うルイスだったが、先程の事もあったので、少し虚ろな表情をしながらブツブツと呟いている天ちゃんを放っておいた。

「とりあえず私とルイスは王宮に戻りますね」

「じゃあ天ちゃんまた来るからその時教えてくださいね」

「……天ちゃんはやめて」

俺は最後の言葉を聞こえなかった事にして、レイラと共に王宮へと向かった。

更新は日曜日 間に合わなくても月曜日に更新します。いつも遅くてすみません。


コメントが少ないので皆さんが楽しんで読んでくれているのかわかりませんが、一生懸命書くのでよろしくお願いします。


(読んでくださっている人達に感想や指摘なども書いて欲しいというのはワガママでしょうか……)


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